2 / 20
2 ついでに思い出した寂しさが通り過ぎた出来事。
しおりを挟む
その日お兄ちゃんにドア越しに楽しんで来てねと声をかけた。
返事も聞こえた。
そして私は午前二コマ目の授業に出た。
「優、今日の午後は?」
午前に一緒の授業をとってるモモが声をかけてきた。
「午後一、一つ。」
「バイトは?」
「夕方からだよ。」
「じゃあ、待ってるから、少し付き合って。」
「いいよ。じゃあ、駅のいつもの所辺りで。」
軽くお昼を済ませて、その間近くにいた友達と話をしたりして。
二年生はまだまだ余裕。
だって私の友達も家族をハラハラさせるタイプじゃない。
皆普通に真面目。
ちょっとだけ寂しいグループだけど、だから仲がいい。
授業が終わって携帯を見た。
駅近のコーヒー屋さんで待ってるとモモから連絡が来ていた。
「また明日ね、優。」
「うん、またね。」
仲間と別れて、急いで向かう。
皆でダラダラと話をすることはあるけど、二人は珍しい。
特に今日は他に誰もいなかったからだろうけど。
手をあげられて、そのままコーヒーを持ってそこに向かう。
「ちょっとトイレ。」
我慢してたらしいモモ。
テーブルのコーヒーを持ち上げたら結構減っていた。
くるりと回すと同じ物みたい。
少し分けてあげてもいい。
戻ってきたモモに言って、私の分を少し分けた。
丁度飲み頃になったモモのコーヒー。
バイトまで一時間ちょっと時間はある。
私は地元でパン屋さんのバイトをしてる。
すっかり慣れていて、気に入ってもいる。
出来るだけ卒業まで続けたいと思ってる。
シフトが短いから本当にお小遣いになるくらいだ。
「どうしたの?」
「うん・・・・・。」
「何?」
思ったより真面目な雰囲気になった。
色んな事を想像するけど、何も思いつかない。
「ねえ、優は誰か好きな人いる?」
今日二度目の質問。
答えも一緒。
「いない。」
「本当に?」
「うん。」
そこを疑うなんて、誰を好きだと思われてるのか、逆に聞きたい。
そんな候補者すら見当たらない。
「じゃあ、付き合ってる人もいないってことだよね。」
もちろん。うなずく。
赤くもならない質問だ。
「そう。」大きく息をついて椅子にもたれたモモ。
「どうしたの?」
今の話で相手が私でなくてはいけない理由があるとするならば・・・・教えて欲しいくらい。
「私が安忍(あんにん)に告ってもビックリしない?」
「えっえ~、それはするよ~、ビックリ~。」
「もう声が大きいから・・・・。」
急いで口をふさがれた。
危うくコーヒーをこぼすくらいの勢いがあった。
「だってビックリ。安藤君と仲良かった・・・・の?」
あんまり知らない。話をしてた?
思い出しても全然分からないくらい。
「ねえ、みんな『あんにん』って呼ぶのに、ずっと『安藤君』って呼んでたよね。」
「だって、そんなに仲良くないよ。」
安藤忍君。勿論男子、普通の男子。
確かに『あんにん』って呼ぶ子はいたと思う。
でも私はそんなに仲良くしてる方じゃなくて、呼ぶきっかけがないと呼べないあだ名ってあるじゃない。
「ねえ・・・・・もしかして私が安藤君を、って思ってたの?」
何でだろう?本当に自分にも心当たりがないし、多分安藤君もないと思う。
「うん、なんとなく思ってた。内緒にしてるのかもしれないから、一応聞いてみようと思ってた。」
「あ、そう。それなら全然大丈夫。本当に知り合いの一人、しかも距離のある知り合いだと思う。で、どうやってするの?呼び出し?電話?まさか文字じゃないよね?」
今度は私が身を乗り出した。
コーヒーはちゃんと掴んでるから倒すことはない。
「応援する。」
「本当に?」
「何でそこ疑うの?」
そこまで心は狭くないよ。寂しい私でも友達の幸せはちょっとくらい・・・・心を広くして喜ぶし。
「なんとなく安忍が良く優の事を見てた気がする。」
えっえええ~、驚き過ぎて声にならない。
嘘嘘嘘?
知らない。
誰か教えてよ、もっと本人が言ってくれてもいい・・・・なんて思った。
ここで、やっと赤面する場面だったらしい。
「何も言われてない?」
「ないないない、全然、全く、挨拶も平等だよ。」
本当にない、悲しいくらいない。
ああ・・・どうしよう、そう言われるともう見れない。
目が合ったら絶対赤くなる。
でも、もう、今更だ。
モモが好きだと言ったら、まあまあそうなるかもしれない。
そういうことだ。
そんな気持ちの盛り上がりは本当に一瞬で冷静になり、消えて行った。
寂しさよ、こんにちは。
ひとり部屋でどろろんとするまでもない出来事だった。
「じゃあ、頑張ってみる。」
モモがやっと安心したみたいに宣言した。
「うん、頑張って。誰か知ってる?」
「ううん、誰も知らないと思う。」
「そうか。」
結末は知りたいけど、本当に素直に喜ぶ前に一瞬だけガッカリするかも。
そんな気分は味わいたくないから、知るならみんなと一緒のタイミングでいい。
そしたら大きな声でおめでとうが言える。
他の子の声に紛れて言える。
だいたい私は安藤君の連絡先も知らない。
モモは知ってるの?
それとも待ち伏せるのかな?
結局この後の週末をいれた3連休で、会う機会もなく。
結末のお知らせもなく。
連休が明けて、皆が集まった時に、偶然二人が揃った。
まずモモを見たらうれしそうな顔をされた。
さり気なく安藤君を見た。
目は合わなかった。
それでもあんまりジッと見たことがなかった。
普通だと思ってたけど、ちょっとカッコいいなあと思ってしまった。
なんだか一人で勝手に失恋したみたいに、心の一部ががっかりした。
もう、何でよ・・・・・。
皆で適当に話をしていて、その内授業が始まって、終わって。
仲のいい子とカフェでまったりと話をしていた。
「ねえ、聞いた?モモ、安忍に告白して付き合うことになったんだって。」
モモ・・・・・なんで私より先に典ちゃんが知ってるの?
そこもガッカリした気もした。
あんなに聞くなら一緒にって思ったのに、でもちょっとは先に知らせてくれるかなって思ってたのに。
「そうだったんだ。全然知らなかった。いつから見てたの?」
「知らない。もうずっとって言ってたけど、話ししたりしてた?」
「知らないよね。安忍が女子と話をしてるのすら知らない。」
典ちゃん以外は初耳だったらしい。
「あ・・・・・でも・・・・・・・。」
会話が止まった。
静になったテーブル。顔をあげるとなっちゃんに見られてた。
何?
「優は・・・・・・。」
「ああ、ごめん、それは間違い。優は違う。」
典ちゃんが急いで謝った。誰に?
相変わらず名前が出てるのに、最終的に否定もされて。
何?
「違うの?」
なっちゃんが典ちゃんに聞く。
「うん、私の誤解でした。安忍が見てたと思ったんだけど、こっそり聞いたら本人もびっくりしてた。全然違ったみたい。ごめんごめん。」
まったく私を抜きに話が続いてる。
聞いていいよね?
「何?」
そう聞いた私に典ちゃんが説明してくれた。
結果、モモが思ってたことは本当に誤解だったって事で。
安藤君が私に何か言うなんて事、モモが何を言っても言わなくても、私には無関係だったと言うこと。
酷い・・・・・やっぱり勝手に失恋したみたいな気分が再び。
ちょっと期待させないでよ。
ちょっとくらいは期待したんだから。
最悪友達をとる?男の人をとる?みたいなギリギリの選択肢すら頭によぎったのに。
ああ・・・・まるで見当違い。
典ちゃんの馬鹿。
きっとモモにも言ったんだろう。
そしてモモが気にしてたんだろう。
安藤君が典ちゃんに否定したのに、モモは私にも確かめたかったんだ、きっとそうだろう。
「安忍はモモの事が好きだったの?」
当然の疑問。そういうことなんだよね。
安藤君もモモのことを見てたんだよね・・・・私じゃなくて。
「それは・・・知らない。でもまあ、そうなったみたい。良かったよね。」
やっぱり告白すると、ラッキーならそうなるみたい。
そんなラッキーな事私にもあったらいいのに。
そんな事を思った友達に関する出来事。
私にはまったく関係なかった出来事。
そう、ついでに思い出しただけ。
モモに確かめられたその日が、お兄ちゃんの運命の日だったから。
そうそうお兄ちゃんの事、それは本人の事。家族の事。
返事も聞こえた。
そして私は午前二コマ目の授業に出た。
「優、今日の午後は?」
午前に一緒の授業をとってるモモが声をかけてきた。
「午後一、一つ。」
「バイトは?」
「夕方からだよ。」
「じゃあ、待ってるから、少し付き合って。」
「いいよ。じゃあ、駅のいつもの所辺りで。」
軽くお昼を済ませて、その間近くにいた友達と話をしたりして。
二年生はまだまだ余裕。
だって私の友達も家族をハラハラさせるタイプじゃない。
皆普通に真面目。
ちょっとだけ寂しいグループだけど、だから仲がいい。
授業が終わって携帯を見た。
駅近のコーヒー屋さんで待ってるとモモから連絡が来ていた。
「また明日ね、優。」
「うん、またね。」
仲間と別れて、急いで向かう。
皆でダラダラと話をすることはあるけど、二人は珍しい。
特に今日は他に誰もいなかったからだろうけど。
手をあげられて、そのままコーヒーを持ってそこに向かう。
「ちょっとトイレ。」
我慢してたらしいモモ。
テーブルのコーヒーを持ち上げたら結構減っていた。
くるりと回すと同じ物みたい。
少し分けてあげてもいい。
戻ってきたモモに言って、私の分を少し分けた。
丁度飲み頃になったモモのコーヒー。
バイトまで一時間ちょっと時間はある。
私は地元でパン屋さんのバイトをしてる。
すっかり慣れていて、気に入ってもいる。
出来るだけ卒業まで続けたいと思ってる。
シフトが短いから本当にお小遣いになるくらいだ。
「どうしたの?」
「うん・・・・・。」
「何?」
思ったより真面目な雰囲気になった。
色んな事を想像するけど、何も思いつかない。
「ねえ、優は誰か好きな人いる?」
今日二度目の質問。
答えも一緒。
「いない。」
「本当に?」
「うん。」
そこを疑うなんて、誰を好きだと思われてるのか、逆に聞きたい。
そんな候補者すら見当たらない。
「じゃあ、付き合ってる人もいないってことだよね。」
もちろん。うなずく。
赤くもならない質問だ。
「そう。」大きく息をついて椅子にもたれたモモ。
「どうしたの?」
今の話で相手が私でなくてはいけない理由があるとするならば・・・・教えて欲しいくらい。
「私が安忍(あんにん)に告ってもビックリしない?」
「えっえ~、それはするよ~、ビックリ~。」
「もう声が大きいから・・・・。」
急いで口をふさがれた。
危うくコーヒーをこぼすくらいの勢いがあった。
「だってビックリ。安藤君と仲良かった・・・・の?」
あんまり知らない。話をしてた?
思い出しても全然分からないくらい。
「ねえ、みんな『あんにん』って呼ぶのに、ずっと『安藤君』って呼んでたよね。」
「だって、そんなに仲良くないよ。」
安藤忍君。勿論男子、普通の男子。
確かに『あんにん』って呼ぶ子はいたと思う。
でも私はそんなに仲良くしてる方じゃなくて、呼ぶきっかけがないと呼べないあだ名ってあるじゃない。
「ねえ・・・・・もしかして私が安藤君を、って思ってたの?」
何でだろう?本当に自分にも心当たりがないし、多分安藤君もないと思う。
「うん、なんとなく思ってた。内緒にしてるのかもしれないから、一応聞いてみようと思ってた。」
「あ、そう。それなら全然大丈夫。本当に知り合いの一人、しかも距離のある知り合いだと思う。で、どうやってするの?呼び出し?電話?まさか文字じゃないよね?」
今度は私が身を乗り出した。
コーヒーはちゃんと掴んでるから倒すことはない。
「応援する。」
「本当に?」
「何でそこ疑うの?」
そこまで心は狭くないよ。寂しい私でも友達の幸せはちょっとくらい・・・・心を広くして喜ぶし。
「なんとなく安忍が良く優の事を見てた気がする。」
えっえええ~、驚き過ぎて声にならない。
嘘嘘嘘?
知らない。
誰か教えてよ、もっと本人が言ってくれてもいい・・・・なんて思った。
ここで、やっと赤面する場面だったらしい。
「何も言われてない?」
「ないないない、全然、全く、挨拶も平等だよ。」
本当にない、悲しいくらいない。
ああ・・・どうしよう、そう言われるともう見れない。
目が合ったら絶対赤くなる。
でも、もう、今更だ。
モモが好きだと言ったら、まあまあそうなるかもしれない。
そういうことだ。
そんな気持ちの盛り上がりは本当に一瞬で冷静になり、消えて行った。
寂しさよ、こんにちは。
ひとり部屋でどろろんとするまでもない出来事だった。
「じゃあ、頑張ってみる。」
モモがやっと安心したみたいに宣言した。
「うん、頑張って。誰か知ってる?」
「ううん、誰も知らないと思う。」
「そうか。」
結末は知りたいけど、本当に素直に喜ぶ前に一瞬だけガッカリするかも。
そんな気分は味わいたくないから、知るならみんなと一緒のタイミングでいい。
そしたら大きな声でおめでとうが言える。
他の子の声に紛れて言える。
だいたい私は安藤君の連絡先も知らない。
モモは知ってるの?
それとも待ち伏せるのかな?
結局この後の週末をいれた3連休で、会う機会もなく。
結末のお知らせもなく。
連休が明けて、皆が集まった時に、偶然二人が揃った。
まずモモを見たらうれしそうな顔をされた。
さり気なく安藤君を見た。
目は合わなかった。
それでもあんまりジッと見たことがなかった。
普通だと思ってたけど、ちょっとカッコいいなあと思ってしまった。
なんだか一人で勝手に失恋したみたいに、心の一部ががっかりした。
もう、何でよ・・・・・。
皆で適当に話をしていて、その内授業が始まって、終わって。
仲のいい子とカフェでまったりと話をしていた。
「ねえ、聞いた?モモ、安忍に告白して付き合うことになったんだって。」
モモ・・・・・なんで私より先に典ちゃんが知ってるの?
そこもガッカリした気もした。
あんなに聞くなら一緒にって思ったのに、でもちょっとは先に知らせてくれるかなって思ってたのに。
「そうだったんだ。全然知らなかった。いつから見てたの?」
「知らない。もうずっとって言ってたけど、話ししたりしてた?」
「知らないよね。安忍が女子と話をしてるのすら知らない。」
典ちゃん以外は初耳だったらしい。
「あ・・・・・でも・・・・・・・。」
会話が止まった。
静になったテーブル。顔をあげるとなっちゃんに見られてた。
何?
「優は・・・・・・。」
「ああ、ごめん、それは間違い。優は違う。」
典ちゃんが急いで謝った。誰に?
相変わらず名前が出てるのに、最終的に否定もされて。
何?
「違うの?」
なっちゃんが典ちゃんに聞く。
「うん、私の誤解でした。安忍が見てたと思ったんだけど、こっそり聞いたら本人もびっくりしてた。全然違ったみたい。ごめんごめん。」
まったく私を抜きに話が続いてる。
聞いていいよね?
「何?」
そう聞いた私に典ちゃんが説明してくれた。
結果、モモが思ってたことは本当に誤解だったって事で。
安藤君が私に何か言うなんて事、モモが何を言っても言わなくても、私には無関係だったと言うこと。
酷い・・・・・やっぱり勝手に失恋したみたいな気分が再び。
ちょっと期待させないでよ。
ちょっとくらいは期待したんだから。
最悪友達をとる?男の人をとる?みたいなギリギリの選択肢すら頭によぎったのに。
ああ・・・・まるで見当違い。
典ちゃんの馬鹿。
きっとモモにも言ったんだろう。
そしてモモが気にしてたんだろう。
安藤君が典ちゃんに否定したのに、モモは私にも確かめたかったんだ、きっとそうだろう。
「安忍はモモの事が好きだったの?」
当然の疑問。そういうことなんだよね。
安藤君もモモのことを見てたんだよね・・・・私じゃなくて。
「それは・・・知らない。でもまあ、そうなったみたい。良かったよね。」
やっぱり告白すると、ラッキーならそうなるみたい。
そんなラッキーな事私にもあったらいいのに。
そんな事を思った友達に関する出来事。
私にはまったく関係なかった出来事。
そう、ついでに思い出しただけ。
モモに確かめられたその日が、お兄ちゃんの運命の日だったから。
そうそうお兄ちゃんの事、それは本人の事。家族の事。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
過去の痛い思い出を反省して、今に至ったはずです。
羽月☆
恋愛
高校生の頃だった、二人だけの母子家庭にちょっとした変化が起きて。
出来たらずっとこのままだったら・・・・・・。
だけどそうならなかった事実。
こっそり反省を繰り返した私。
あれから大人になりました。
いろいろと努力もしたし、もっと人に迷惑をかけないくらいに分別ある大人に。
だけどあの日の油断でやっぱり迷惑をかけてます。
なかなか成長できないみたいです。
瑞木 亜紀、入社した会社で懐かしい人に会いました。
うっかりと知り合いを飛び越えた感じでついつい・・・・。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
無自覚な少女は、今日も華麗に周りを振り回す。
ユズ
ファンタジー
15歳の誕生日を迎えた愛菜に待っていたのは、アイシャーナ・ウィステリアという異世界の公爵令嬢の赤ちゃんになるというものだった。けれど前向きな愛菜は「あ、例の異世界転生!え?私死んだっけ?ま、いっか!ふふっ、人生楽しまなき損なんだから!!」と、あっさり受け入れてしまう。
こんな女の子でも案外役に立つ…?
これは無自覚才女で天然でチートな愛され少女が楽に生きるために頑張り(しかし斜め上へ行く)、周りを振り回すお話。
*小説家になろう様にも投稿しています
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる