二人のバランス、四人のバランス。~コントロールが難しい、それが三次元です。

羽月☆

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19 フヒトが外に出た久しぶりの休日、物語が楽しくこじれる予感がした。

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いつもの時間になってもなかなか誰もゴーと言わない。
リンが来ないから、何となく待っている状態。
期待と不安と・・・・とにかくなんらかの報告を待っている。

最近の話題の中心だったらしいし、気になる気持ちも分かる。
もはや一体感を超えて、同一視してるくらい自分のことのように落ち着かないらしい。

そう言う自分もだけど。

今日は水族館に出かけたらしい。
朝には真冬を元気に送り出したつもりだが、果たして手はつなげたのか?

二人とも反応がないと、シナリオも思い浮かばず。

確かにつまらない。
他の奴らのことは言えない。
すっかり期待してるんだから。


ここであんまり楽天的な事を呟いたら、リンの反応への喜びが薄れるし、どう関わるべきか。
真冬に探りを入れても不自然じゃないが、万一の可能性がない訳ではないし。
一応気を遣う。

ジッと画面を見ていたら、さすがに諦めたらしい、参加メンバーでスタートすることになった。
始まれば後は終わるまでは夢中になれるのだ。
明日は日曜日、半分くらいは一番リラックスしてるかもしれない。

真冬もそうだと嬉しいが。



最近すっかり昼夜逆転してしまい、昼の時間に起きてるのが辛くなる。
ボサボサのまま起きだして、用意された食事をとり、一応の着替えをして出かけた。

社員証で会社に入ると、日曜日なのに働き者はいるもので。
あまりにも自宅作業が多くなって関係も薄いが、見知った顔がクマをはりつかせて働いていた。

「お疲れです。」

「お疲れ~。」

「珍しいよな。」

「まあ、たまには出ますよ。」

何てもごもご言いながら書類を上司の机に出した。

自分の机に積まれた書類を目を通しながら片付けていく。
大したものはない。
本当に目を通すだけだ。

ああ、世の中が便利になってくれたおかげでマイペースに仕事ができるんだから。

後は共有のパソコンでちょいちょいと自分の予定を書き込んでおく。

背伸びをして本日の仕事終了。

まあ、こんなものだ。
次に新しい仕事を振られるまでは今のペースでいい。
自分はそれなりに貢献しているという自負はある。


「ああ、もう終わり?」

「はい。とりあえずは終わりです。何かありましたか?」

「ああ、あるある。連絡もらっといて助かったよ。新人紹介したくて。もうすぐ帰って来るからコーヒーでも買って来てくれないか?」

セリフの並びがおかしいけど、まあ、そのくらいどうでもいい。

「三人分ですか?」

「いや、とりあえずは俺の分。」

やっぱりおかしいじゃないか。

自分の分と先輩の分を買う。
昔からお世話になっていた。
好みも分かってるし、ぼんやりと自販機でドリップされるコーヒーを待つ。


携帯を見ても真冬からの報告はない。

万が一が当たりだったとか?

やったな、真冬。まさか先を越されるとは。
ギャルのフリしてる間に、二人に負けたことになる。
すっかり板についた気分のギャル。

セリフが軽くても納得してもらえるし、多少空気を読まなくても反論が柔らかい。
便利なのだ。気楽なのだ。


ドリップの終わったコーヒーを持って先輩の元へ行く。


後ろ姿の女子がいた。
珍しく場違いな感じだが。
たいていは緩い恰好から小汚い恰好ギリギリの幅に収まる社員、バイトのメンバー。
何が楽しくてブラウスとスカート?

しかも足元もスニーカーにあらず、コンバースにもあらず、細くはないがヒールすらある。

見てるだけで窮屈になる格好だ。



「ああ、帰って来た。」

先輩がこっちを見て言う。
さっき言ってた新人らしい。

「ちょうどコーヒーが来た。紹介するから、飲みながら教えてもらえばいいよ。」

またセリフが変ですが・・・・。
自分の分に買って来たのに、わざわざ気を利かせて、もちろん先輩がだが、自分に頼んだみたいになっている。

一つは先輩に、残りを差し出して正面から見る。

普通過ぎる女の子ではないか。
やはりそぐわない気がする。

「こちら先月から入った新人、安達さん。」

「安達 葉(よう)です。」

お辞儀をされた。

「どうも、萩野 歩人です。自宅勤務が多いからあまり接点はないけどよろしく。コーヒーどうぞ。」

まあ、自分の分がなくてもいい。そこはいい。

「ああ、歩人、ちょっと面倒見て。俺今日は無理なんだ。じゃあ、頼んだよ。」

そう言ってあっさり背中を向けた先輩。
手渡ししたコーヒーも見えなくなった。


「話が見えないんだけど、どうかしたの?」

「はい。これなんですが、ちょっと仕様が分からなくて。」

見せられた依頼書と途中までのプログラムを見せられた。
一応期限はまだある。

「わざわざ日曜日に仕事してるの?」

「今日なら教えてくれる先輩がいるからと言われました。」

「ああ、歩人が来るって言ってくれてたから。バッチリ時間通り。よろしく~。」

そこまで人を簡単にコントロール出来るんだからすごい。

さささっとやり早く帰ろうと思った。
別に急ぐ必要はないが長居してもいいことはなさそうだ。

ポイントだけ教えながら、あとは1時間くらい使って自分がやってみた。

後は何とかなると思う。

「どう?後は出来そう?」

「はい。やってみます。」

「じゃあ、この辺りでいいかな。」

「はい、ありがとうございました。」

そう言ってパソコンは閉じられた。
自分と同じように立ち上がりそうになっている。

帰るの?
本当にこれだけのために来たとか?

先輩の背中に挨拶して、立ち上がってる彼女にじゃあと小さく声をかけると、急いでパソコンをバッグに仕舞い込んだ彼女が一緒についてきた。

「あの、お礼をさせてください。先ほどコーヒーもご馳走になって。」

「ああ、別にあれくらい、いいよ。」

歩きながらそう言った。
自分の奢りだと分かってくれていたのが嬉しい。小さな満足感を得た。

「あの、少し教えて欲しい事があって、時間に余裕がありましたら、少しでもいいです。時間をいただけませんか?」

そう言われると時間はあるし、喉も乾いてるし、断りづらくもある。
飲もうと思ったコーヒーは手元に残らなかったんだから。


「じゃあ、その辺でいいかな?」

「はい。どこでも大丈夫です。」

普通に・・・・可愛い笑顔を見せられた。

並んで一緒に外に出た。
何か喋らないと持たない空気を自分が感じる。

「仕事大変じゃない?残業は多いし、思ってたのとは違うんじゃない?」

「いえ、今のところはそうでもないです。」

そうなのか?

女子には緩くなったんだろうか?
随分半端な時期に入ってきたようだけど、理由があるのだろうか?
あんまり個人的なことも聞けず、会話もない。

たいだいもともとそんなに得意じゃないんだ。

相手に聞きたいことがあるならササっと話をして終わって欲しいくらいだし。


「ここでいいかな?」

「はい。」

駅近く、どこにでもあるコーヒー屋に入った。




奢られたコーヒーを片手に落ち着いて、早速聞いてみた。

「何だろう?わかることなら教えるけど。」

パソコンは荷物の中にある。

流石に切りだすのが早すぎたのか、途中口をつけようとしていたカップを急いで下ろした彼女。

「ああ、ごめん。飲んでからでいいよ。休みの日だから、安達さんは早く用事を済ませたいかなって思っただけだから。」

会社に来るだけのためにそんな恰好をするだろうかと、歩きながら思ったのだ。
自分とは大違いだし。

「あの、『歩人さん』は珍しい名前ですね。」

さっき財布にあった名刺を渡した。

「そうだね。現代人で同じ名前は知らないかな。」

「噂があったんてす。この会社に『フヒト』さんが働いてるって。」

噂?

「ゲーム界で有名な『フヒト』さんじゃないかって。」

たしかに同じ名前を使えばバレるだろうけど、肯定したくもない。

「できたら同じ業界で、もっと出来たら同じ会社で働けたらいいなあって、ずっと思ってたんです。」

否定は無理なんだろう。自分で珍しいし、同じ名前は知らないと言ったし。

「できたら噂を広めるのは無しでお願いしたいんだけど。」

「もちろんです。誰にも、私は言いません。でも、多分知ってる人は多いと思います。」

仕方ないかもしれないけど。

「あの、イメージしてた感じと違いませんでした。ずっと勝手に想像して、勝手に憧れてました。私だけじゃなくて、他にもたくさんいると思います。」

「初めて言われたけど。」

顔が嬉しそうになるのは仕方ない。
見たか聞いたか真冬、俺の実力!

「これから一緒の会社で働けると思うと、とても頑張ろうと思えます。」

「僕はたいてい自宅で仕事したいタイプなんだ。会社に出ることは少なくて。だからあんまり一緒にはならないけど。」

「はい、やっと今日お会いできたんで、分かってました。残念ですが。」

何だろう、こんな感じは。

若い普通の女の子に憧れていたと言われても。
自分で言うのもなんだけど、文字での会話の中でならそんなことを言われることはある。

だが、面と向かっては、恥ずかしい、でもうれしい。


「あの、歩人さん、お休みの日は何をされてるんですか?」

「ダラダラと仕事したり、まあ、想像つくように部屋の中にいるかな。」

「じゃあ、あんまり外に行って誰かと一緒にいることはないですか?」

「まったくと言っていいほど、ないなあ。」

「彼女さんもゲームが得意な人だったりするんですか?」

赤くなって聞かれて、それを見て自分もドキドキしてきた。

・・・・・・。

「あ、すみません。失礼いたしました。」

「ううん、別に。特別に一緒にいる人はいない。いい加減引きこもりのような男だし。」

仲良く話をしてるのは本当に真冬くらいだ。
それもリンとのことで相談されるようになって頻度が上がったくらいだ。
真冬にしたって会ったのは・・・・ずっと前だ。

つまらない自分に改めてがっかりする。

「あの、食事を、一緒にしたりは、お願いできませんか?」

さっきと同じくらい赤い顔をしている。さすがに期待しそうになるくらい。
憧れという名の幻想なのに。
初めて会ったばかりだし、そこは真冬とリンとは違う。

「別にそれくらい、いつでもいいよ。もともと活動時間は夜なんだ。今日は朝寝て、昼に起きてから来たんだ。」

「この後は、ダメですか?」

さっき朝ごはんらしきものを食べてしまった。

「食事してないの?」

あっ・・・・・・。

食べているらしい。多分そんな時間だし。

「僕も起きてから食べてきたんだ。お腹空いてないけど、少ししてデザートなら付き合えるし、お酒でも良ければそれでもいいよ。」


「本当ですか?あの、お願いします。」

「うん。」

そんな笑顔で言われると本当に勘違いするよ。
自分は聞かれたけど、彼女のことは聞いてない。
彼氏がいるかどうか、休日どう過ごしてるか。
いつもそんな恰好で出勤してるんだろうか?


「ねえ、今までゲームの中で会ったことある?」

「はい・・・・・。あります。一度会えたところは毎日見てるんです。なかなかレベルが高くて参加はちょっとできないんです。だから本当に、二回くらいです。」

「そうなんだ。なんだか不思議な感じ。毎日一緒に時間を過ごしてる人もいるけど、実際に会うことはないんだろうから。良かったら名前教えてもらえる?」

「『蝶』で入ります。『あだちよう』なので・・・・・。」

ちよう、ちょう、蝶・・・・・・。

「ごめんね、本当にあんまり記憶に引っかからないかな。」

「はい。随分前にご一緒しただけです。全然でしたから。」

「そうか。でも会社に行けば会えるんだね。」

「はい。是非。」

ついそう言ったけど、なかなか出社しない自分なのに。
会社にいるんだなって、そう思ったから。
バイトじゃなくて社員だった。
じゃあ、毎日出社してるんだろう。


「本当にいろいろ教わりたいです。まだまだ出来ない事があって、周りの方に教えてもらってばかりで。」

「皆、親切に教えてくれるでしょう?」

「はい。でもみんな忙しそうですし、音楽聞いてたりするから邪魔してしまったりして。」

そんな自由はある。そんなタイプの奴も多い。

「誰が指導してくれてるの?」

「香川先輩です。」

さっき押し付けてきたのは、だからだったのか。

「僕も最初は香川さんに教わったよ。」

「ダメです、きっとレベルが違います。本当に全然違うと思います。」


「中途半端な入社時期だけど、なにか理由があるの?」


「いいえ、ちょっとだけ、バイトをしていて、そっちがなかなか辞めれなくて。」

「そうなんだ。」

安心した。聞いてからもしかしてリンと同じようなパターンだったら、ちょっと聞いたのは間違いだったかと思ったけど、そうじゃなかったらしい。


「あの、本当に、噂を信じてたんです。この会社にいるのかもしれないって。だから募集のページも見てました。」


「それは勇気があるね。思ったのと違ったらがっかりするじゃない?あんな世界だと自由にキャラクターを作れるし、男とも限らなかったりするかもしれないよ。」

「はい、でも噂では男の人だって言われてたから、そこは疑ってもいませんでした。」

「あんまりイメージ先行で見られてもガッカリされそうで怖いなあ。全然思ったのと違うって言われそう。」

「それはないです。全然。」

まっすぐ見て言われた。

たかだか二時間足らずの時間で、そう思った?

「今のところはね。」

「あの、社員名簿に名前があって喜んで、香川先輩が時々話の中に登場させてくれたし、ちょっとづつ聞いてました。他の人も時々話をしてました。」

「それは・・・・いい話かな?」

「もちろんです。」

そんなエピソードがあるほど記憶に残ることもないはずだけど。
何だろう?


「だからやっぱり思った通りの感じです。」

「そう。じゃあ、イメージを裏切らないようにするかな。」

「・・・・いえ。」


俯いてコーヒーカップをくるくる回してる彼女を見ながら思った。
脇キャラに登場するならリンの妹か、ライバルか。
真冬、手ごわいぞ。

そんな事を思っていたり。

さすがにコーヒーも飲み終わった。

「どう?お腹空いたかな?」

「あんまりです。お酒でもいいんですか?」

「いいよ。安達さんは飲める方なの?」

「普通です。迷惑をかけたことはないので安心してください。」

「僕もないから。そこはお互いに安心だね。」


お店もあんまりよく知らなくて、会社の駅から移動して大きな駅の中のにぎやかなお店に入ってみた。


「本当に、こんな時にスマートにお店を決められる方じゃなくて。ここで良かった?」

「はい。どこでも。」

「外ではよく飲むの?」

「いいえ、大学の頃友達と飲んでたのはもっと普通の居酒屋さんでした。卒業してからはあんまりなくなりました。皆それぞれの場所でお付き合いがあるから。」


「そうかもね。今のところも女の子はほとんどいないから、ちょっと残念だね。」


「はい・・・・・でも、いいんです。」


楽しんでもらえてるのか自信はないけど笑顔はそのままだった。

「歩人さんはどんな子供だったんですか?」

「途中までは普通だったよ。外でも遊んでたし、男の子が興味を持ちそうなものは一通り通ったからね。虫からロボットからヒーローから乗り物まで。ただ、ゲームを買ってもらってからは、他が全くになったんだよね。」

「夢中になったんですよね。」

「そうだね。その内友達も似たような奴ばっかりになったしね。」

「分かります。私は逆に一緒に語れる子がいなかったです。だからそんなに強くなれなかったのかもしれません。」

「むしろ今でもその趣味の延長で仕事出来てるのはラッキーかもしれないな。」

リンの事を思いながらそう思った。
リンもせっかくいい所に就職できたのに、残念な結果になったし。
自分は先輩も助けてくれたし、本当にラッキーだったんだ。

だから安達さんも望むなら長く働いてほしいと思うし、役に立つことがあれば手助けもしたいとは思う。

「安達さんも辛かったら誰かに言うんだよ。香川先輩でもいいし。」

「歩人さんでもいいんですか?」

「もちろん、何か役に立つなら、僕でも。」


そう普通に言った。


時々ドキッとするような目で見られる。
本当にドキドキしそうで、自分から話題を変えたり、視線を逸らしたりしてる。
向き合えないのだ。

自分が専門を出て会社に入り、安達さんが大学を出てゆっくりと後輩となった。
後輩と言っても年は離れてない。

ずっと年下に見えるのか、そうでもないのか、分からない。

真冬みたいな分かりやすい女とは違うらしい。


「そういえばね・・・・。」

何故か、真冬の話を始めてしまった。

小さいころから近所で幼なじみで、兄妹のように思ってた真冬の事を。

「最近ようやく彼氏が出来てね、本当にいろんな種類の相談を受けたけど、今回は本当に大変だった。昨日もデートで水族館に行くって言うから、元気よく送り出したんだけどね。」


未だに連絡がない。

さっき時間を見るふりで携帯を見たけど、連絡は来てない。
どうなったんだろう?

「今すごく楽しそうな顔をしてました。」

「そうだね、ちょっと裏の事情もあって楽しかったかも。」

「本当に喜んでるんですか?寂しくないですか?」

「ないよ。多分相手もいい奴だと思うんだ。だから安心してる。」

「そう、ですか・・・・。」



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