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14 有給翌日、元気になったつもりでいた
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サボってカフェで過ごした次の日。
何だかスッキリした気分で仕事に行った。
席に着くと悲しい顔をした沙良ちゃんに手を取られた。
演技でも大げさでもなく、謝られた。
「すず先輩、ごめんなさい。私のせいですか?拒食症になってませんか?」
「おはよう、沙良ちゃん。どうしたの?」
「先輩、もう十分です。お願いですから、もう痩せなくていいです。元気になってください。」
「元気になったよ。昨日休んだから。ごめんね急に休んで。」
「先輩・・・・。」
拒食症とか言われた・・・。
確かに短期間で痩せたせいもあるし、あんまり食欲もなかったから。
でも沙良ちゃんのせいなんて、絶対ないのに。
逆に申し訳なくなった。
「心配してくれたの?大丈夫だよ。ちょっと胃が小さくなったから、ついでにダイエットしてただけ。ちょっとやり過ぎて体力落ちたかも。何にもない所で転びそうになって恥ずかしい思いもしたし、昨日ゆっくり休んで食欲も戻したから。」
朝はやっぱり黄粉牛乳だけだったけど、少しずつ元気になれると思うから。
見上げる沙良ちゃんがまだ心配そうにしている。
「大丈夫だから。ね、昨日何かあった?」
「・・・・いえ、大丈夫です。」
「そう、良かった。忘れないうちに有給申請しなくちゃ。」
そう言って沙良ちゃんの手をポンポンと叩いて離してもらった。
「先輩、ランチ奢りましょうか?」
「ううん、大丈夫。気にしないで。」
まだ・・・食べたいわけじゃない。
パソコンを立ち上げた。
有休申請書を打ち出す。
あんまり使うこともなく、たくさんたまってる。
今度のんびり一泊旅行の一人旅でもしようかな。
取りあえず二日分のメールを見る。
さほど溜まってなかった。
自分に緊急の用がある人もいないのだ。
一斉メールを見つけた。
システム部から、送り主は七尾さんになっていた。
新しいウィルスの警告と対処方法。
今までも何度かシステムからの一斉メールは受け取ってる。
誰が送って来てたかは気にしてなかった。
誰かのパソコンが感染したから警告の連絡だろう。
一応私も名刺を持っている。
あんまり使うこともなく、ほとんど減ってない。
だからアドレスが漏れることもめったにないし、怪しい添付文書のついたメールなんて受け取ることもない。
注意には一般サイト閲覧した際に、アドレスまでたどられたと書いてあった。
閲覧制限で三分しか同じページは見れないことになっている。
それで目をつけられるなんて、どんなサイトを見てたのよ。
まさか自分のところの課長のことだなんて思いもせずに、そう思っていた。
メールはそのまま削除せずに残したまま。
他のメールを次々に読んで削除していく。
最後に残った。
削除しようかと思ったけど、一日くらい残しておこう。
そう思ってメールソフトは閉じた。
・・・・・何なのよ、自分。
プリンターの有給申請用紙に印を押し提出する。
診断書も必要とせず、後出しでも問題ないからありがたい。
厳しい会社はそのあたりも厳しいらしい。
満足。なんだかすごく心が落ち着く。
昨日のお休みは後ろめたさより、解放感を与えてくれた。
仕事も問題なかったようだし。
「すずちゃん、おはよう。体調は大丈夫?」
「はい、すみませんでした。すっかり元気になりました。」
じっと顔を見られた。
「沙良ちゃんが心配してたから。」
小さい声で言われた。
全然違うのに。
「すっかり大丈夫です。昨日は特に何もなかったと聞いてますが。」
「うん、特にはね。課長がシステムの七尾さんに怒られてたくらい、なんだか沙良ちゃんも反省して無口だったし、静かな日だったわよ。」
あぁ、七尾さんのあの一斉メール、元は課長だったらしい。
仕事中に関係ないサイトでも閲覧してたんだろう。
全く、七尾さんに迷惑かけて・・・・。
昨日休んで正解だったかも。
ここに来たんだ。
本当にたまった仕事もなく、本気で一人旅がしたくなった。
ぼんやりするとちょっとだけ考えてしまう。
だからとりあえず何かしたい。
秋メニューを考えたばかりだけど冬メニューのアイデアを練るべく、去年までのメニューを見る。
結局毎年使う食材が同じ野菜になることを考えると、そう代わり映えはしない。
最近は糖質制限がはやっているせいで、主食の量が少なくなっている。
そうなるとボリュームを合わせる野菜を増やすことになる。
野菜の価格には変動があるためになかなか難しい。
雑穀を入れてミネラルもとれるし、糖質を下げてもいいけど・・・・。
本当にその人その人に合わせて提供することは難しいのだ。
ただ病気でない人が健康的になれることは請け合う。
チンで済ませられる味気なさが我慢できれば、手っ取り早く結果が出る。
とにかく頑張ろうと思ってくれる人がいればとても役に立つと思う。
冬のメニューを書き出す。
定期的に購入している人の感想も合わせてみる。
あまり冒険的な調味料を使うこともできない。
定番が一番安定してる。
そうなると野菜の味付けも、料理法も毎年繰り返される。
しょうがないなあ。
それでもあの二週間、確かに楽ではあった。
夜帰ってチンすればいい。
汚れものもでないので後始末が楽。
買い物もせずに帰り、すぐに食べれる。
独身者向けに提供すれば需要はあるのだろうか?
それでもコンビニでその時に気分で選べるのだから、それには敵わない。
そんなコンビニがない人、コンビニに立ち寄る、それすら面倒な人。
都会ではあんまりいなそう。
今日は気分を変えてデパ地下にでも寄ってみよう。
いろんなメニューが参考になるかもしれない。
時々そうやって立ち寄り、試食という名の贅沢気分を味わう。
最近食費も抑えていたので贅沢したい。
明るい店内。
毎日こんなところで食事を買ってたら季節の美味しい凝ったものが食べれそう。
私は商店街の小さなお店の手作りお惣菜も好きだ。
ちょっと味が濃い目だったりする。
有名な商店街に出かけたら必ず買ってしまう。
それでも、さすがにデパ地下、素材の組み合わせのチャレンジが見事。
新鮮だからできる。
サラダに至ってはチンしたらダメなものがほとんど。
いろんな店を横目で見ながら、さり気なく携帯にメモを取る。
素材×素材。 味付け。
少しでも参考になれば。
実際に食べてみて、自分でもアレンジでできないか考えたり。
昨日サボった分はきちんと仕事してる自分、偉い!
一通り見て、気になったものを自分で買おうと向きを変えて戻る。
気のせいかと思った。
でもやっぱり、・・・・・なぜ?
明らかに不似合いな感じでショーケースを覗き込んでる姿に見覚えがある。
なかなか他にはいないだろうあの雰囲気、丸ごと、間違いない。
驚いて立ち止まって、急いで向きを変えようと動いたのに、間に合わなかった。
中途半端に体は向きを変えようとしてたのに、顔がまだ見つめていたらしく。
気が付かれた。
七尾さんも一瞬止まった後、少し表情が緩んだかもしれない。
見える口元で判断した。
近くに寄ってこられた。
「昨日休んでたんでしょう?後輩の女の子・・・・が心配してたよ。」
何で知ってるんだろうと思ったけど、昨日課長のところに来てたから。
もしかして沙良ちゃんがすごく騒いでたのかもしれない。
今日の感じだったら想像はつく。
「元気になったの?」
「はい。」
「そう。良かった。」
「七尾さん、買い物を頼まれたんですか?」・・・・奥さんに。
「ああ、来週家族分の食事とバースデーケーキを買うんだ。ねえ、お勧めのケーキ屋はある?毎年買ってるからできるだけ違うお店にしてるんだけど。」
家族の・・・・。
そんな事相談されても分からない。
よく知らないのに。
「すみません、あんまり詳しくなくて。・・・あの、失礼します。」
回れ右を、今度こそ素早くターンして離れた。
一人で見て、楽しんで、大切な人の顔を浮かべながら・・・・選べばいい。
勝手に買えばいいのに。
せっかく贅沢しようと思ったのに、何も買わなかった。
もう食べる気もない。
ちゃんとメモは取ったから、いい。
後は自分でも作ってみてもいいから。
何だかスッキリした気分で仕事に行った。
席に着くと悲しい顔をした沙良ちゃんに手を取られた。
演技でも大げさでもなく、謝られた。
「すず先輩、ごめんなさい。私のせいですか?拒食症になってませんか?」
「おはよう、沙良ちゃん。どうしたの?」
「先輩、もう十分です。お願いですから、もう痩せなくていいです。元気になってください。」
「元気になったよ。昨日休んだから。ごめんね急に休んで。」
「先輩・・・・。」
拒食症とか言われた・・・。
確かに短期間で痩せたせいもあるし、あんまり食欲もなかったから。
でも沙良ちゃんのせいなんて、絶対ないのに。
逆に申し訳なくなった。
「心配してくれたの?大丈夫だよ。ちょっと胃が小さくなったから、ついでにダイエットしてただけ。ちょっとやり過ぎて体力落ちたかも。何にもない所で転びそうになって恥ずかしい思いもしたし、昨日ゆっくり休んで食欲も戻したから。」
朝はやっぱり黄粉牛乳だけだったけど、少しずつ元気になれると思うから。
見上げる沙良ちゃんがまだ心配そうにしている。
「大丈夫だから。ね、昨日何かあった?」
「・・・・いえ、大丈夫です。」
「そう、良かった。忘れないうちに有給申請しなくちゃ。」
そう言って沙良ちゃんの手をポンポンと叩いて離してもらった。
「先輩、ランチ奢りましょうか?」
「ううん、大丈夫。気にしないで。」
まだ・・・食べたいわけじゃない。
パソコンを立ち上げた。
有休申請書を打ち出す。
あんまり使うこともなく、たくさんたまってる。
今度のんびり一泊旅行の一人旅でもしようかな。
取りあえず二日分のメールを見る。
さほど溜まってなかった。
自分に緊急の用がある人もいないのだ。
一斉メールを見つけた。
システム部から、送り主は七尾さんになっていた。
新しいウィルスの警告と対処方法。
今までも何度かシステムからの一斉メールは受け取ってる。
誰が送って来てたかは気にしてなかった。
誰かのパソコンが感染したから警告の連絡だろう。
一応私も名刺を持っている。
あんまり使うこともなく、ほとんど減ってない。
だからアドレスが漏れることもめったにないし、怪しい添付文書のついたメールなんて受け取ることもない。
注意には一般サイト閲覧した際に、アドレスまでたどられたと書いてあった。
閲覧制限で三分しか同じページは見れないことになっている。
それで目をつけられるなんて、どんなサイトを見てたのよ。
まさか自分のところの課長のことだなんて思いもせずに、そう思っていた。
メールはそのまま削除せずに残したまま。
他のメールを次々に読んで削除していく。
最後に残った。
削除しようかと思ったけど、一日くらい残しておこう。
そう思ってメールソフトは閉じた。
・・・・・何なのよ、自分。
プリンターの有給申請用紙に印を押し提出する。
診断書も必要とせず、後出しでも問題ないからありがたい。
厳しい会社はそのあたりも厳しいらしい。
満足。なんだかすごく心が落ち着く。
昨日のお休みは後ろめたさより、解放感を与えてくれた。
仕事も問題なかったようだし。
「すずちゃん、おはよう。体調は大丈夫?」
「はい、すみませんでした。すっかり元気になりました。」
じっと顔を見られた。
「沙良ちゃんが心配してたから。」
小さい声で言われた。
全然違うのに。
「すっかり大丈夫です。昨日は特に何もなかったと聞いてますが。」
「うん、特にはね。課長がシステムの七尾さんに怒られてたくらい、なんだか沙良ちゃんも反省して無口だったし、静かな日だったわよ。」
あぁ、七尾さんのあの一斉メール、元は課長だったらしい。
仕事中に関係ないサイトでも閲覧してたんだろう。
全く、七尾さんに迷惑かけて・・・・。
昨日休んで正解だったかも。
ここに来たんだ。
本当にたまった仕事もなく、本気で一人旅がしたくなった。
ぼんやりするとちょっとだけ考えてしまう。
だからとりあえず何かしたい。
秋メニューを考えたばかりだけど冬メニューのアイデアを練るべく、去年までのメニューを見る。
結局毎年使う食材が同じ野菜になることを考えると、そう代わり映えはしない。
最近は糖質制限がはやっているせいで、主食の量が少なくなっている。
そうなるとボリュームを合わせる野菜を増やすことになる。
野菜の価格には変動があるためになかなか難しい。
雑穀を入れてミネラルもとれるし、糖質を下げてもいいけど・・・・。
本当にその人その人に合わせて提供することは難しいのだ。
ただ病気でない人が健康的になれることは請け合う。
チンで済ませられる味気なさが我慢できれば、手っ取り早く結果が出る。
とにかく頑張ろうと思ってくれる人がいればとても役に立つと思う。
冬のメニューを書き出す。
定期的に購入している人の感想も合わせてみる。
あまり冒険的な調味料を使うこともできない。
定番が一番安定してる。
そうなると野菜の味付けも、料理法も毎年繰り返される。
しょうがないなあ。
それでもあの二週間、確かに楽ではあった。
夜帰ってチンすればいい。
汚れものもでないので後始末が楽。
買い物もせずに帰り、すぐに食べれる。
独身者向けに提供すれば需要はあるのだろうか?
それでもコンビニでその時に気分で選べるのだから、それには敵わない。
そんなコンビニがない人、コンビニに立ち寄る、それすら面倒な人。
都会ではあんまりいなそう。
今日は気分を変えてデパ地下にでも寄ってみよう。
いろんなメニューが参考になるかもしれない。
時々そうやって立ち寄り、試食という名の贅沢気分を味わう。
最近食費も抑えていたので贅沢したい。
明るい店内。
毎日こんなところで食事を買ってたら季節の美味しい凝ったものが食べれそう。
私は商店街の小さなお店の手作りお惣菜も好きだ。
ちょっと味が濃い目だったりする。
有名な商店街に出かけたら必ず買ってしまう。
それでも、さすがにデパ地下、素材の組み合わせのチャレンジが見事。
新鮮だからできる。
サラダに至ってはチンしたらダメなものがほとんど。
いろんな店を横目で見ながら、さり気なく携帯にメモを取る。
素材×素材。 味付け。
少しでも参考になれば。
実際に食べてみて、自分でもアレンジでできないか考えたり。
昨日サボった分はきちんと仕事してる自分、偉い!
一通り見て、気になったものを自分で買おうと向きを変えて戻る。
気のせいかと思った。
でもやっぱり、・・・・・なぜ?
明らかに不似合いな感じでショーケースを覗き込んでる姿に見覚えがある。
なかなか他にはいないだろうあの雰囲気、丸ごと、間違いない。
驚いて立ち止まって、急いで向きを変えようと動いたのに、間に合わなかった。
中途半端に体は向きを変えようとしてたのに、顔がまだ見つめていたらしく。
気が付かれた。
七尾さんも一瞬止まった後、少し表情が緩んだかもしれない。
見える口元で判断した。
近くに寄ってこられた。
「昨日休んでたんでしょう?後輩の女の子・・・・が心配してたよ。」
何で知ってるんだろうと思ったけど、昨日課長のところに来てたから。
もしかして沙良ちゃんがすごく騒いでたのかもしれない。
今日の感じだったら想像はつく。
「元気になったの?」
「はい。」
「そう。良かった。」
「七尾さん、買い物を頼まれたんですか?」・・・・奥さんに。
「ああ、来週家族分の食事とバースデーケーキを買うんだ。ねえ、お勧めのケーキ屋はある?毎年買ってるからできるだけ違うお店にしてるんだけど。」
家族の・・・・。
そんな事相談されても分からない。
よく知らないのに。
「すみません、あんまり詳しくなくて。・・・あの、失礼します。」
回れ右を、今度こそ素早くターンして離れた。
一人で見て、楽しんで、大切な人の顔を浮かべながら・・・・選べばいい。
勝手に買えばいいのに。
せっかく贅沢しようと思ったのに、何も買わなかった。
もう食べる気もない。
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後は自分でも作ってみてもいいから。
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