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22 これが私が楽しむ最高のリアルの恋愛です。
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あるランチの時間。
誘われて皆と外に出た。
「ねえ、湯田君が注目され始めてるらしいんだけど。」
「何?」
なんだろう?何があった?
「三木君が紀伊さんとくっついたらしくて、湯田君主催の飲み会だったらしいじゃない。確か里穂もいたんだよね。」
「うん・・・・。」
知らないふりを忘れて答えてしまった。
やっぱり噂は巡ってるらしい。
相手もちゃんと正確に間違えられずに伝わったらしい。
「里穂知ってたの?」
「ううん、知らない。トイレでそんな話が盛り上がってるのを聞いてびっくりしたのがちょっと前だったと思う。」
「二瓶さんと紀伊さんと食事に行ってたよね?聞いてなかったの?」
「うん、好きな人が出来たって真っ赤になって報告はしてくれたけど、うまくいったら次に報告するねってところまでだった。もうびっくりした。」
「里穂との噂もどっかに行ったね。」
「うん、良かった。」
「一部の男子が湯田君と飲みたがってるみたい。」
「なんで・・・ってまさか?」
「うん、湯田君と飲むと恋愛運が上がるらしいって誰かが言い出したらしいよ。速攻で決めた能力が評価されたんだろうね。」
まさか希那を押しのけて次を狙いに行く人がいたとは。
希那もそんな人に譲りそうだけど、だって・・・・べつにね・・・。
「でもあれは二瓶さんが紀伊さんと仲良しで一緒に誘われたんだよ。湯田君と二瓶さんの飲み会に誘われないとダメじゃない?」
「そうだね。で、誘われた里穂は?」
んんっ。
「だって三木君と仲良くできただけだもん。」
そう言ったらガッカリされた。
「その内湯田君幹事で飲み会のお知らせが来るかもね。」
「他にこっそり付き合ってる人はいないかな?」
自分の事を棚に上げて聞いてみた。
希那が知ってる二人は誰だろう?
皆も知らないの?
「今のところそんな話はないね。」
「うん、知らない。」
誰も知らないらしい。
本当にこっそりと出来てるらしい。
でも確かに湯田君と二瓶さんのお陰で三木君とも知り合えて、後押しされて。
私と希那も元をたどれば湯田君のお陰かも。
何だか手を合わせた方がいい?
自分の研究は今一つ変な味わいしか醸し出さずに、でもそれが気になって見ててくれたんだろうか?湯田君と三木君がいなかったらどうなってた?
分からない。
でも感謝はしよう。
一番は希那に、二番目は湯田くん二瓶さんに、三番目は三木君に。
おまけに雑用を投げてくる部長にも、だってそこはちょっと盛り上がりのポイントだったしね。
「何楽しそうな顔してるの?」
希那の声にハッと我に返った。
いつの間にか仕事時間は終わりになっていた。
あと13分かあぁ、なんて思った記憶はあるけど、そこからはぼんやりしてた。
それでも楽しそうな顔をしていたらしい。
「ねえ、今日飲みに行かない?」
堂々と誘ってくる。
もしかして三木君達も一緒かな?
「いいよ。今終わりにする。」
お互いに名前は呼ばないようにしてる。
今までだってそんなに呼び合うこともなかった。
だからうっかりも出ないし、先輩たちも気がついてないと思う。
パソコンを閉じてトイレにいって。
「終わったよ。お腹空いたね。」
残ってる先輩たちに挨拶をして二人で廊下に出た。
まだまだ同僚の距離感で。
それでも私と三木君がザワザワしたんだから、この二人がちらりとも噂にならないのはまったく目撃されてないか、本当にさらさらとした同期にしか見えないか・・・・?
元々表情が分かりにくい希那だし、私といても本当に漏れ出してないから。
そう思っても前に比べるとグンと笑顔は優しいし、目もキラキラにも見えるけど。
二人でくっついてるくらいの甘さは出てない。
すっごく優しくてちょっと男らしいところなんて、見えないんだと思う。
そう、ほんとうはもっともっとだから。
「お腹空いてたんだね、すごく楽しみな顔してるけど。」
そう言われた。
もう、全然違うよって言いたいのに。
私だってもしかして二人でいると食欲が増すだけ増して、希那より食べる女ってだけにしか見えないのかもしれない。
やっぱり二人ともお互いだけの時にしか見せない顔はある。
それが特別な相手だってことで。
だからバレてないうちはこっそり特別な二人でもいい。
希那もそう思うよね?
グラスを手に希那を見た。
「・・・いいよ、まだ何か頼む?」
だから・・・・・・・もう。
全然漏れ出てないみたい。
仲良し二人はまだまだ同僚のふりで堂々としながらこっそり恋愛してます。
そんなパターンもあるみたい。
そんな二人、誰か参考にしてくれる?
色んなパターンがやっぱり三次元にはあるみたい。
足をバタバタして心臓をバクバクさせるような、そこまではいかなくてもじんわりとしたハッピーなパターン、そんな恋愛も普通にあるんだから。
誘われて皆と外に出た。
「ねえ、湯田君が注目され始めてるらしいんだけど。」
「何?」
なんだろう?何があった?
「三木君が紀伊さんとくっついたらしくて、湯田君主催の飲み会だったらしいじゃない。確か里穂もいたんだよね。」
「うん・・・・。」
知らないふりを忘れて答えてしまった。
やっぱり噂は巡ってるらしい。
相手もちゃんと正確に間違えられずに伝わったらしい。
「里穂知ってたの?」
「ううん、知らない。トイレでそんな話が盛り上がってるのを聞いてびっくりしたのがちょっと前だったと思う。」
「二瓶さんと紀伊さんと食事に行ってたよね?聞いてなかったの?」
「うん、好きな人が出来たって真っ赤になって報告はしてくれたけど、うまくいったら次に報告するねってところまでだった。もうびっくりした。」
「里穂との噂もどっかに行ったね。」
「うん、良かった。」
「一部の男子が湯田君と飲みたがってるみたい。」
「なんで・・・ってまさか?」
「うん、湯田君と飲むと恋愛運が上がるらしいって誰かが言い出したらしいよ。速攻で決めた能力が評価されたんだろうね。」
まさか希那を押しのけて次を狙いに行く人がいたとは。
希那もそんな人に譲りそうだけど、だって・・・・べつにね・・・。
「でもあれは二瓶さんが紀伊さんと仲良しで一緒に誘われたんだよ。湯田君と二瓶さんの飲み会に誘われないとダメじゃない?」
「そうだね。で、誘われた里穂は?」
んんっ。
「だって三木君と仲良くできただけだもん。」
そう言ったらガッカリされた。
「その内湯田君幹事で飲み会のお知らせが来るかもね。」
「他にこっそり付き合ってる人はいないかな?」
自分の事を棚に上げて聞いてみた。
希那が知ってる二人は誰だろう?
皆も知らないの?
「今のところそんな話はないね。」
「うん、知らない。」
誰も知らないらしい。
本当にこっそりと出来てるらしい。
でも確かに湯田君と二瓶さんのお陰で三木君とも知り合えて、後押しされて。
私と希那も元をたどれば湯田君のお陰かも。
何だか手を合わせた方がいい?
自分の研究は今一つ変な味わいしか醸し出さずに、でもそれが気になって見ててくれたんだろうか?湯田君と三木君がいなかったらどうなってた?
分からない。
でも感謝はしよう。
一番は希那に、二番目は湯田くん二瓶さんに、三番目は三木君に。
おまけに雑用を投げてくる部長にも、だってそこはちょっと盛り上がりのポイントだったしね。
「何楽しそうな顔してるの?」
希那の声にハッと我に返った。
いつの間にか仕事時間は終わりになっていた。
あと13分かあぁ、なんて思った記憶はあるけど、そこからはぼんやりしてた。
それでも楽しそうな顔をしていたらしい。
「ねえ、今日飲みに行かない?」
堂々と誘ってくる。
もしかして三木君達も一緒かな?
「いいよ。今終わりにする。」
お互いに名前は呼ばないようにしてる。
今までだってそんなに呼び合うこともなかった。
だからうっかりも出ないし、先輩たちも気がついてないと思う。
パソコンを閉じてトイレにいって。
「終わったよ。お腹空いたね。」
残ってる先輩たちに挨拶をして二人で廊下に出た。
まだまだ同僚の距離感で。
それでも私と三木君がザワザワしたんだから、この二人がちらりとも噂にならないのはまったく目撃されてないか、本当にさらさらとした同期にしか見えないか・・・・?
元々表情が分かりにくい希那だし、私といても本当に漏れ出してないから。
そう思っても前に比べるとグンと笑顔は優しいし、目もキラキラにも見えるけど。
二人でくっついてるくらいの甘さは出てない。
すっごく優しくてちょっと男らしいところなんて、見えないんだと思う。
そう、ほんとうはもっともっとだから。
「お腹空いてたんだね、すごく楽しみな顔してるけど。」
そう言われた。
もう、全然違うよって言いたいのに。
私だってもしかして二人でいると食欲が増すだけ増して、希那より食べる女ってだけにしか見えないのかもしれない。
やっぱり二人ともお互いだけの時にしか見せない顔はある。
それが特別な相手だってことで。
だからバレてないうちはこっそり特別な二人でもいい。
希那もそう思うよね?
グラスを手に希那を見た。
「・・・いいよ、まだ何か頼む?」
だから・・・・・・・もう。
全然漏れ出てないみたい。
仲良し二人はまだまだ同僚のふりで堂々としながらこっそり恋愛してます。
そんなパターンもあるみたい。
そんな二人、誰か参考にしてくれる?
色んなパターンがやっぱり三次元にはあるみたい。
足をバタバタして心臓をバクバクさせるような、そこまではいかなくてもじんわりとしたハッピーなパターン、そんな恋愛も普通にあるんだから。
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