夢にまで見たい二次元恋愛、現実にはあり?なし?

羽月☆

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14 『この間からの目の前の難題に今やっと決着がついた模様です。』そういうことです。

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今週は部長が大人しい。
自分のことは自分でやる、そんな週らしい。
名前を呼ばれることもなく、時々視線をやっても何も頼まれない。

そうして早く終わった今週。

いつもならすごく空っぽな気分に、無理やり自宅での過ごし方に楽しみを注ぎ込んだ週末を想像してたと思う。

今日は自分から生井君を誘った。

あれから特に三木君と会うこともない。
休憩に社食に行ってない私と、休憩室に来ない三木君。
その他からも何も探りを入れられることもない。


そして仕事が終わった。

パソコンを閉じて生井君のところに行く。
先輩達もちらほらと週末に向けて気分を変えてる人はいる。
いそいそと帰って行く人もいる。


「生井君、急だけど、今日食事に付き合ってくれない?」

私を見上げた顔がビックリしたように、いつもより目を開かれて見られた。

「いいよ。あと少しだから、声かける。」

「ありがとう。」

そのまま背を向けた。
普通に誘えただろうか?
どうやって二人で帰ろうかと思ってたけど、普通に誘ってみた。
大丈夫、同期と食事に行く日があってもいいと思う。
今日はそんな気分です、そんな風に振舞ってみたのを分かってくれたみたい。

なんとか一緒に外に出ることは出来る。
でもお店も決めてない、肝心の返事は・・・・・・もっと深く考えることも出来なかった。

ちゃんと伝えてくれたのに、それはあんまりだと思ってるのに。

三木君にアドバイスをもらっても、なかなか向き合えない。

結局どうしたらいいのか、本人に相談することに決めた。
それがどうなるのか分からないけど、そんな感じもあってもいいかなと思った。


お互いに全然思ってることが合ってなくて、だからお互いに歩み寄りながら。


自分の席で一生懸命言い訳を自分に言い聞かせていたら、声をかけられた。



「筒井さん、終わったけど。」

思わずビクッとしてしまった。

「あ、お疲れ様。じゃあ、帰ろうか。」


一緒に廊下を歩く。無言で。
エレベーターに吸い込まれて降下してる間も無言。

到着音の後に開いたドアから吐き出される。

しばらく隣の距離をお互いに測りながら歩く。


「生井君、ごめんね、お店決めてないの。どこかいいところあるかな?」

「三木君と一緒にいったところも美味しかったでしょう?一階でタパスを食べたと聞いたけど、二階のレストランの方に行ってみない?」

「・・・・うん、いいよ。」

三木君からは報告があったみたいだ。
何と言われたんだろう。
『返事を待ってるって、そう伝えたから。』
そのくらいは言いそうだけど、あんまり無理なことは言いそうにない。
私に対してもそうだったし。
数日前に来た男の子とは別の人と同じレストランへ。
何だか私にとっては現実的じゃない。
でも一人は相棒だから、まあ普通と言えば普通。
そしてこの間のもう一人は友達、話しやすい友達。

二階はもっとおしゃれに長居する人のためのお店だった。
タパスよりも普通のアラカルトやコース料理になってる。

すんなりと入れた二人。
ただもっとにぎやかになってくれないと話もしづらいんです。

アラカルトで注文を済ませて向き合った。
パエリアが焼きあがるのに時間がかかるらしい。
そのころこのテーブルの雰囲気はどうなってるんだろう。


「部長にお礼を言ったのに、今週は特別に面倒はなかったよ。」

「そうみたいだね。」


「でもあの部屋でも誰にも会ったことがないんだよね。部長以外誰が必要としてるんだか分からないよね。」

そんな話をしながら、お酒を飲み先に来た料理を食べる。

それでも手がお皿と口を忙しく往復してるのは私。


「生井君は食は細い方なの?この間もほとんど私が食べてたよ。」

「緊張してたから。」

そう一言。今もそう、と言わんばかりの手つかず状態。
もしかしてものすごく不器用とか?

「お姉さんは美人だよね。生井君も名前が珍しいけど、お姉さんもそんな感じなの?」

「芹那。」

返事に愛想がない。少し位会話を楽しもうよ。
だいたいもっと楽しませるくらいのサービス精神があってもいいのに。

やっぱり『きなこ』さんじゃなかったらしい。
『なまいきなこ』でもいいと思ったのに。
いっそ生井君が次女だったらそうなったりして・・・・ならないか。


「ねえ、食べよう。」

半分近く減ったサラダの皿を押しやった。
私は次はこっちを食べますよ、の意思表示。
スペイン風オムレツ。
この間下でも食べたけど、元々が少なくて半分にしたらほんの2、3口だけになって残念だった。
今日はちゃんと360度。

目の前でゆっくり手が動いてる。

「三木君に聞いたら普通に話しをしてるよって言ってたよ。もっと紀伊さんと話をしてた時みたいに笑顔で話が出来たらいいのに。」


つい言ってしまった。まるでクレームのようだった。
サラダの皿に伸びた手が止まった。

「本当に楽しそうに喋てったよ。」

楽しかったかは紀伊さんには聞いてないけど、と正直に言いたい。


フォークの背中で、止まったままの手をつついた。


「動かして。こっちも冷めちゃうよ。」

つつかれた手を見て止まってる。


「最初名前を見た時に、思ったんだけど。『なまい』って呼ばれないの?ご両親が冗談でつけた名前だと思ったんだ。でも先輩の誰も言わないね。だけど下の名前はちょっと特徴的でかっこいいよね。」


褒めてみた。ちょっと冗談みたいに言った後褒めてみた。

でもサラダはつついてるし、びっくりもしてないからきっと今までも言われてたんだよね。
初めてだったら何でだろうって聞くか、考えて眉間にしわが寄るか。

そのどっちでもないんだから。


「やっぱり言われてた?」

ちょっと近寄って小声で聞いてみる。
笑顔になる、そんな時代もあったよねって勝手に想像しちゃう。

でもやっぱり表情は変わらない。

もう、ここいち否定して感情を出すところなのに。

この間の事が本当に妄想ゆえの幻聴だと思えてくる。
本当に三木君に愚痴ったの?
そんな相談をすることも全く想像できないのに。

オムレツは四分の一を攻略。
サラダが何とかなくなったので空のお皿を取り上げて、空いた真ん中のスペースにオムレツを押しやる。

「この間三木君と小さいのを食べたの。もっと食べたいと思ったから満足。美味しいよね。」

何とか手は動いてるけど咀嚼以外で口が動かない。
ねえ、しゃべろうよ!
返事をしてほしい、反応してほしい、声を出してほしい。


もしかして初デートになるかもしれないのに・・・・ってなるの?
むむっ?
どうする?
どうなる?

今度は私が黙り込んだ。手も止まった。

少しにぎわい始めた店内。
このテーブルが一人語りなのもばれないくらい。
でも私が黙ると当然静寂のテーブルになった。


お酒を飲んで考える。


誘ったのは三木君に言われて自分の対応に冷たさを感じたから。
でも返事は決まってない。
こんなことならもっとお母さんに相談すればよかった。
でも何となく言われることは分かってる。
もう週末の朝起こすのとご飯の支度が面倒なんじゃないかって思えてきた。
もっと娘の恋愛を応援する風でもいいのに。
結局誰にも相談できてないんだから。

そう思ったら三木君と湯田君に相談した生井君は素直なの?

そう思って正面を見たら静寂のテーブルでせっせとオムレツを食べていたらしい。
明らかに180度以上食べてる。

「ああ、待って。私もまだ食べる。」

ちょっと声が大きかったかもしれない。

「もういいのかと思った。皿を押しやられたし。」

「だって最初に半分に180度で切り分けたじゃない。」

「満足してるって言ったし。」

「サラダを食べて追いついてくるのを待ってたのに。」

そんな小さな争いの種で会話が行きかった二人。
静寂のテーブルはまるで子供のおかずの取り合いの様相を見せている。

まだパエリアが来ないから急いでもテーブルが空になるだけ。
会話がないと何もないテーブルになる。
そう思ったらアヒージョが来た。
もしかして店員さんも急いだかもしれない。
笑顔だけどなんとなくそう思われてるみたいで恥かしい。

中央に置かれた。

大きな声を出してまで手を止めさせたオムレツだけど、今は熱々のアヒージョに手が伸びるのは仕方ない。

「美味しそうだね。」

バゲットをオイルにつけていただく。
美味しい。

だいたいこれが先に来ても良かったよね。
もしかして忘れてた?


「三木君は男飲みだって言ってたけど、こんなおしゃれなものを食べてたんじゃない。もっとから揚げ枝豆だと思ってた。」


「三木は、いい奴だよ。」

「そうだね。ずいぶんのんびり休憩してるよ。どうせ残業するからいいんだって言ってた。」



「ねえ、もっと休憩とってもいいんじゃない?何だか私だけいつも休憩室にいる感じだよ。」


「誘われればいつでも。」

ええっ、それじゃあ休憩にならない。
一人でふらりと疲れた時に、気分転換にって、そう思ってるのに。

「ねえ、もしかして一人じゃ旅行行きたくない派?」

寂しがり?
まさかの人とつるみたい方なの?

「別に一人でも行くけど。」

あ、そこは行くんだ。

「行きたいところがあれば・・・・・。」


あれば?思い立ったが吉日で行っちゃう?


「・・・・付き合うけど。」


まあ、私は一人だとなかなかだし。




「・・・・じゃあ、誘おうっかなぁ。」

ちょっと言ってみた。
そう言った自分の顔が熱い。赤いと思う。
ここにきていきなりお酒が回ったと思ってくれるだろうか?


ゆっくり手が止まり、顔が上がり、表情を見られて、顔を伏せられた。

だから反応してよ・・・・。


「じゃあ、明日・・・・どう?」


やっと反応があった。

「うん。」


今返事をした私。
『この間からの目の前の難題に今やっと決着がついた模様です。』・・・・・もうナレーションのように頭に誰かの声が響く。

ゆっくりオムレツを食べきり、アヒージョのホタテを食べて。
いいタイミングでパエリアが出てきた。

二人分にしては多いかもしれない。
普通に話しをし始めた頃よりは少し胃が細くなった気がする。
決して十分に食べたと言うだけじゃなくて、なんとなく・・・・乙女の胃になったらしい。


でも残すことはしない。
気を取り直し、背筋を伸ばして、気合を入れた。


「ねえ、美味しそうだね。」

大きなスプーンとフォークを持って早速自分のお皿に取り分けた。
ぼんやり見てる生井君の分まで取り分ける。



「ねえ、お家でお母さんが作ってくれた?」

パエリアを指さした。

「ううん、父さんが魚介アレルギーで、姉さんが食わず嫌いで。あんまりここまで魚介が入ったものは食べない。」

「あ・・・もしかして生井君も苦手だった?」

そんな・・・・・私がこれがいいなあって言って決めた。
他にも野菜中心やお肉のもの、カレー味もあったけど。

「大丈夫。むしろ家では食べなかったから外では食べてたんだ。見慣れないものはあんまり食べないからこれは食べていいよ。」

大きくて黒い名前は知らない貝を指さされた。
それは私もいらない、出汁だけで十分。


「他は大丈夫?」

「大丈夫。」

「好き嫌いはないの?」

「多分、すぐに思い当たるものはない。」


「私もないな。でもアレルギーが似なくて良かったね。」

「そうだね。」

熱いうちに食べたほうがおいしいから、喋りながらもどんどん食べていた。
やっぱり私の方が進みが早い気がして、途中ペースダウンを試みた。

手を止めると向かい合う人の姿に集中してしまう。
気にしてなかったドキドキはお酒で余計に加速されてる。

優しくないと思った目が、少しだけ違う風に見える。
呆れてる視線だと思ってたのに・・・・。

二次元のバイブルの中のツンデレの主人公を何度か重ねた気がする。
それでもなかなかそんな変化は見えなかった。


今、ツンデレとも違うと思う。
じゃあ、どんな人なんだろう?

やっぱり分からない。
まだまだ向かい合う時間が少なかった、お互いに。
それでもこうなったのに理由があったんだろうか?


「あのさあ。」

何?

「今までそんなに見つめられることもなったけど。」

そう言われて顔が赤くなる。
ずっと見ていた。
私が休んてる間にせっせとパエリアを食べてるその顔を。


「むしろ絶対チラ見しかされてなかったよ。話をするときは同じ方向を向いてる時だけだったし、廊下を歩いたり、資料を探してたりする時。」

だってそれ以外に接点がなかったし。
それに普通そうだよね。
友達で話しやすいと思った三木君だって、隣に座っても休憩のお供のコーヒーを見てたし、視線はそう合わないよ。
だから誤魔化し合いながら話ができたんじゃないの?


向き合うとバレるってことはあると思う。
だからつい見てしまう。
そして視線が合わなくてもその視線の強さを誤魔化せないらしい。


「今一つどんな人なのか分からなくて。もっと話をして仲良くなる機会があればよかったのに。」


そう言ったら不満そうな顔になったけど。

「だって生井君も私の事あんまり知らないじゃない。」


「よく食べて、飲んでる、変な癖のある人。」

「変な癖って・・・なに?」


「独り言が大きいよ、あと携帯を見ながらよく表情がころころ変わってるし。見てる分には面白いけど、ちょっと変かも。」


「全然褒められてないじゃない。逆にクレームみたいに聞こえる。」

「気がついてないなら教えてあげようかなって、そんな親切な気持ちだよ。」

冷静に言われたんだろうか?
冗談じゃないらしい。

つい携帯のサイトに集中してた頃。
日々研究を重ねてた時のことだろう。
もちろん仕事中じゃなくて休み時間だ。

そう言えばこの間もそんな事を言ってたんだ。
まさか自分の事だなんて思ってなかった。

「とりあえず独り言は気をつけます。」

迷惑をかけてるならば・・・と続けたい。


「明日はどこに行く?」

普通に続けて聞いてくる。
二人の雰囲気は一体どうなってるんだか、楽しい二人組になってるんならいいけど、どうよ?


そんな微妙な感じで始まった二人一緒に過ごす時間。

それでも週末に起こさなくても自分で起きだして、お昼ご飯もいらないと言って出かけて、まあまあ満足した感じを誤魔化してる娘にお母さんは安心より満足感を味わったらしい。

それからも食事を要らないと言うたびに満足そうに言う。
『楽しそう、いいなあ。』

あえて何も答えないけどね。

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