夢にまで見たい二次元恋愛、現実にはあり?なし?

羽月☆

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13 目の前の課題を横目で通り過ぎて、それに慣れてきた自分。

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おかげでスッキリと疲れが取れた、若い若い。
時計を見たらまあまあの時間だった。

着替えをしてリビングに顔をだしたら、すっかり朝ごはんの時間は終わっていた。


「おはよう、里穂。どう?いい夢見れた?」

「ぐっすり寝て、やっと起きれました。」

「よく眠れたんだったら、夢なら醒めたくないって思うことでもあったんでしょう。朝ごはんにするでしょう?」

お母さん、昨日の約束守るつもりはある?
お父さんが何だろうって顔をしてるじゃない。

「お腹空いた。」

「考え事以外、今日の予定は?」

「読書。」もちろん文字よりも線で描いた人の動きが多い方だ。

「有意義ね。」

いいの。もしかしたらそっくり同じような症例に出会えるかも。
対処の仕方の参考になるセリフがあるかも。
それ以外でも現実逃避は出来る。
考え事をせずにいられる。

思いっきり二次元ダイブしてやる。

そう思ったのに。
色んな作品を見ながらも、今一つ現実感がない・・・当たり前かも・・・・そこまで自分の感情を持っていけない。
目は紙の上の線描を拾っても、何故か脳内に映されるのがひたひたと話をしていた昨日の人のことで。


とうとう携帯を手放した。

万歳の状態でお手上げポーズ。

本当に集中できない。


下に降りてお母さんの近くに行った。
お父さんがテレビを見て、その横でお母さんが本を読んでいた。

器用なのだ。

テレビの実況の声とお父さんの応援の声を聞きながらも、文字に集中するなんて。

静に隣に座ったら、しおりの紐を動かして、本を閉じてくれた。

「夕飯はまだまだよ。」

「分かってる。なんだか退屈なの。」

「いつもと変わりない週末でしょう?何かあったの?やっぱりあれ?」

嬉しそうに聞いてくるお母さん。
確かに私史上でも大きな事件の一つ。
勃発したてほやほやの事件で風化されずに、消化も出来てない状態。

「落ち着かない。」

「ちゃんとお礼はしたの?」

「したよ。昨日ちゃんとお礼した。」

「なんて?」

「返事を待ってるって、そう送られてきた。」

「まあ、そうでしょうね。むしろ冗談だよって言われなかっただけでもラッキーね。」

お母さんを睨む。
そんなことされたら・・・・・大嫌いって言える。
そんなことするような人じゃない、そんなノリもないよ。


「お母さんはお祖母ちゃんが間に入ったからとんとん拍子だったでしょう?もっと他の恋愛の話はないの?お父さんと出会う前の彼氏の話でもいいのに。」

「そんな昔のことは忘れました。大切な思い出は最高の一つだけ覚えてればいいの。だって結局ダメになって悲しい思いをしたって言う思い出がくっついてくるんだから。だからお父さんとの楽しい思い出が一個あればいい。」


本当に?

あんまり語れる話がない?

それともお父さんに気を遣ってる?

さっき、さり気ない風にお父さんがこっちを見た。

聞こえてるみたい。

じゃあ、昨日私に何があったのかも知ってるんじゃない?
お母さんに全部聞いたんじゃないの?

もう・・・・・・。
確かめられないのをいい事に・・・・・・。


結局あっさりといつもと変わらない週末は終わり。
やっぱり会社に行くんだよね・・・・。

何もない風に振舞えるんだろうか?
今までと同じくらい接点の薄い二人なら可能だけど。
避けてるって思われないよね、今更だよね?

本当に最大の悩みです。

おかしい、もっとドキドキワクワクしていいはずなのに。
ずずずぅぅぅぅぅぅぅんと沈んでる気がするし。


まずは部長にお礼を言った。
まだちらほらとしか人がいない朝のうちに。

「部長、おはようございます。この間はありがとうございました。ごちそうさまでした。」

「ああ、いつもありがとう。二人で食事をしたの?」

「はい。生井君と二人で大切に味わいました。」

「そう。良かった。」

「はい、本当にありがとうございました。」

お辞儀をして席に戻った。

きっと今日また呼ばれるだろう。
ちょっとくらいのお手伝いがあるだろう。

次々に出勤してくる人に挨拶をして、自分の仕事をする。
その中には生井君もいた。
声が聞こえて顔をあげて、他の人の挨拶に紛れて私も返した。
それでもちょっとだけ目が合いそうになって、急いで・・・・をゆっくりにして視線を逸らした。


やっぱりあんまり表情がない。
私だけが悩んでる気分。
心が落ち着かないんですけど。


返事をするまでこんな状態だとしたら、疲れる。
返事をして・・・・・・・どうなる?


考えるのはやめて、目の前の文章を読み上げるように唱えるように集中する。
ちょっとブツブツと声に出たかもしれない。



誘われたランチでは当然誰にもバレなくて。
適当に楽しい女子話でランチが終わった。
だいたいバレても誰も信じないんじゃない?
ただの同僚だって、そう思うよね?



午後、部長に呼ばれることもなく。
そうなると午前中の頑張りで、時間が空いた。

財布を持って社食に行ったら、いた!! 


「三木君、お疲れ様。」

「筒井さん、お疲れ。」

さすがに生井君もまだ三木君には言ってないよね。
特に探られることもなく、週末何をしたか聞き合った。
私は特別に披露することもないけど、お母さんとお父さんの話をした。
例の『貧血の奥様登場』の話だ。

「すごい偶然というか、運命って思っちゃうね。だから今でも仲良しなんだね。」

「そう、仲良しなの。だから私とお母さんの内緒事も全部父さんにバレてると思う。」

「内緒事なんてあるの?」

「あるよ・・・・・・ない?」

「ないかも。」

「・・・・まあ、男の子だしね。」

「最近も何か内緒にしたい事あった?」

ん?

ちょっと見つめ合う三木君と私。
何か聞いてるの?もしかしてちょっとくらい聞いてるの?
相談するにはぴったりの人だって言った気がするけど・・・・・。


「・・・・ない。」

「そうか。」

あっさりと言われた。

「ねえ、三木君はいろんな相談を友達にする方?逆にされる方?」

「両方じゃない?相談って程じゃなくても意見を聞いたり、ちょっと話してみたり。相談って・・・何だろう?人の意見よりは自分でちゃんと決める方だから。相談に乗ることもあんまりないかな。」

「この間いつでも話を聞くよって言われたから、聞き上手なのかと思ったのに。」

「聞くだけならね。望まれる反応が出来るかは別だけど。」

「それはそうだよね。結局たいていのことは自分で決めるよね。相談する前に答えが出てる気もするし。」

「まあね。」

じゃあ、私の問題は今どうなってる?答えが出てるの?

・・・・それはまだわからない。

「じゃあ、そろそろ戻るね。三木君、本当にゆっくり休憩してるんだね。」

「うん。堂々とのんびりしてる。どうせ残業するしね。」

「そうなんだ。じゃあ、またね。」

「うん、またね。」


手を振って自分の席に戻った。
やっぱり話やすい。
そう思う。
まったくドキドキはないとしても、好きな同期の一人だ。

さっき休憩に行く時もついあっちを見てしまった。
今だってついつい見てしまう。

いつも見てた?
なんとなく見てた気がする。
自分だけ休憩してる気がするって思ってたからだよ・・・・そう思ってたし。

今日、初めて目が合った。


気配を感じるより先に目が合って。
瞬きを一つして、ゆっくり逸らした。
別に意味はないけど。

・・・ないけど。

ちょっとドキドキしただけ、今日初めて、あれ以来初めて、だから心が焦ったから。



また三木君のところに逃避したくなったけど、頑張って椅子にお尻をくっつけて耐えた。
仕事をしよう。


結局部長から呼ばれることもなかった。
助かった。
だって二人で助け合って、なんて言われたら、困る。


一日目、二日目、そんな部長の悪意のない割り振りもなく、頼まれたちょっとした雑用は一人でこなしてるし、なんとなく慣れた。
同僚の存在を、前みたいに遠くに微かに感じることに慣れて、焦って心臓が足ふみすることもない。


目下の問題を忘れそうになるくらい、慣れた。

とは言ってもお母さんがさりげなく探るような視線をしてきて、無表情で答えるとがっかりした顔をする。
そんな夜だから一人で部屋にいるのに、それだと余計に思いだす、考え出す。

でも実際はちゃんと考えてるような、ないような。
ただ、ぼんやりと顔を思い出してずっと脳内に映してる。
愛想良く笑ってくれることもないし、喋ってくれることもない。

ただ普通にぼんやりと浮かぶくらい。
動画じゃなくて写真の様に。
動画だとしたらコアラかナマケモノかハシビロコウか。
全く動く気配がない表情。


そして時々メールを見直して現実だと確認する。
ただその後に新しく追加されるメールはないままだ。

どう思ってるだろう。


前みたいに休憩は休憩室で一人でコーヒーを飲んでる。
三木君を見ても思い出しそうだし、やっぱり少し位聞いてるかもと思うとちょっと居心地が悪いから。


そう思ったのに、珍しく三木君が休憩室に来た。

「お疲れ様、筒井さん。」

後姿に声をかけられた。
振り向くしかない。

「お疲れ様。珍しいね、こっちなの?」

「うん、今日は誰も来てくれなくて、寂しくて。」

笑いながらそう言う。

「ねえ、飲みに行かない?」

いきなりというほどの誘い。
社食の方へ、コーヒーを・・・と言う誘いじゃないよね。

「明日も仕事だからちょっとだけ。」

やっぱり違った。

別に・・・いいとも思う・・・。

「いいよ。本当に寂しいの?私でいいなら話を聞こうか?」

私も冗談のように言った。

「う~ん、お願いしたいかな・・・・・。」

まさかの返事で・・・・・。

これはどういう状態?
何か意味がある誘い?
わざわざこっちに来たのは偶然?
だって私が休憩をいつとるかなんてわからないよね。


どんな可能性も簡単に否定できる。
でもこれで二人で並んでお店に入るとこを見られたら、噂になるよね。
決定的!!って思われるよね。

おかしいよね。


でも一度いいと言ったから、今更やっぱりダメとは言えない。

「じゃあ仕事が終わったら連絡し合おうね。今日は残業無しにします。」

「分かった。」

「じゃあね。」

そう言ったら休憩もせずに戻って行った。

コーヒーは?



仕事に戻る。
やっぱり気になってそっちを見てしまったけど、目が合うこともないまま。

お互い仕事が終わったと連絡を取り玄関で待ち合わせた。
生井君は仕事が残ってる感じだった。

別に関係ないか・・・・・な。


一緒に店前のテーブル席についた。
駅までの通りからは一本外れるけど、知ってる人が見たら立ち止まられると思う。
そんな事も気にしないみたいに明るくお酒とタパスを頼んだ。

本当にちょっとだけにしようというようなお店のチョイスで安心する。
頼んだのは本当につまめるくらいの小さなもの数品。

乾杯をしてお疲れさまと言い合い、美味しそうにビールに口をつける三木君に相談事があるという雰囲気は全くない。

「三木君、もしもだけど、三木君の事を好きな子とか、三木君が好きな子がこの二人を見たら誤解されると思うけど、いいの?」

「あ・・・・・・。」

ええっ。冗談ぽい感じで返してくれると思ったのに、その可能性があるって事?
やっぱりそっち寄りの相談事でもあったの?

ヤバいと焦った感じの三木君に私が驚いてたら、笑われた。

「なんて、大丈夫です。全然心配はいりません。」

だよね・・・・・。

「あ、でも逆もあるよね。筒井さんの邪魔をしてるかも。どうしよう、誤解されることがあったら困るしね、中の席に替えてもらう?」

「・・・私も大丈夫。」

そう答えるでしょう。

「そうか・・・・・・。」

何か?


「ねえ、相談なんだけど、友達のことなんだ。」

そう言われて、少しだけ、思った・・・・もしかして?

「ごめんね。返事をして欲しいんだ。すごく後悔もしてるみたい。ちゃんと伝えられたか、あのタイミングじゃ早すぎたのかもって、いろいろ考えてるみたいで。待ってる、すごく。」



「それは・・・・いつ、聞いたの?」



「少し前から知ってたけど、一緒に飲みに行った日のこともその日に聞いた。」


なるほど。
相談したんだ、責められたんだろうか?
ハッキリして欲しいとは思ってるんだろう。
当たり前だ。全然本気で向き合ってないんだし。

「三木君は、どうしたらいいと思う?」

「もちろんおすすめするけど、友達とは違うしね。」



「この間相談する前に答えは出てるって言った時もうなずいてくれたから、大丈夫だと思ってたんだけど。なにか気になる?」

「だって三木君よりも話してない方だよ。仕事の連絡だけって感じだし。私は嫌われてるんだとも思ってたし。」

「そんなのは誤解だよ、他の人とは全く話してないだろうから、筒井さんとは喋ってるんだよ。」

「だって紀伊さんとは普通に笑顔で話をしてたじゃない。」

「あの時は僕と筒井さんが楽しそうなのが気になって、だから適当にうなずいてたって言ってたよ。」

そうは見えなかったけど。
そう思ったのも丸わかりらしく、顔を見て笑われた。

「そんなクレームも直接言ってみたら。必死に弁解するところが見たいなあ。見たことない顔で必死に否定する顔が見れるかもね。」

いい人らしい三木君。
友達のために平日の夜を使ってちょっと頑張ったみたい。


「ねえ、湯田君は知ってるの?」

「知ってるよ。」

じゃあ、二瓶さんも知ってるの?
あの日偶然隣に座っただけだったけど、もしかして頼まれてた?


「ああ、彼女には言ってないと思うよ。あ・・・でも、どうかな?分からない。」

「いい。」


お酒を飲んで、目の前の小ぶりのお皿を空っぽにして。
三木君の奢りでお礼を言って別れた。

これで断ったら・・・・・三木君ががっかりしそう。
返事をしようともしなかったら、私の常識を疑われそう。

どうしよう。電話がいいか、文字は・・・・・、じゃあ、時間をもらう約束をしてみよう。


『三木君と少しだけ話をして奢ってもらいました。金曜日、仕事が終わったら食事をしませんか?』


二度だけ読み直して、さっさと送信した。
読み直すほどの長さでもないのに。
だいたい誘った体裁だけど拒否権はないぞと、そう思う。
また奢ってもらってもいいよねとも思う。
まさか待たせたお詫びとか言わせたい?奢らせたい?

そんな事はないだろう。


次の日の朝、お母さんには言った。

「金曜日ちょっとだけ食事をすることになったから。夕飯いらない。」

振り向いたお母さんに手を止められてじっと見られた。

「・・・・昨日は急に誘われたから。」

「分かった。美味しい食事を食べれたらいいわよね。」

毎回そんな言葉をもらうけど、いつもよりは熱がこもった視線が外れてホッとしたくらいだった。

お母さんに嘘をつける自信がない。
お父さんに隠して欲しいようなこともすぐにバレそう。

・・・・・それが何かは考えないようにした。

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