2 / 22
2 改めて初心貫徹を誓い過ごす週末。
しおりを挟む
とぼとぼと駅から家に向かう。
楽しみだった飲み会は無事に終わった。
本当に何事もなく終わった。
結果名刺一枚、連絡先一人分も手の中にはない。
ただ、飲んで食べた、先週と違うのは相手に知らない男性がいただけ、そんな現実だった。
みんながみんなそうだったら別にいい。
なのに友達の一人はなんとなく最初からロックオンされ、数合わせの先輩も途中から邪魔できない雰囲気を漂わせていた。
肝心の私はというと・・・・その他大勢の中で最後まで変わらず楽しく過ごしましたとさ、めでたしめでたし。
トホホな結果だった。何もなくて静かな結果。
どんどん現実は私に厳しくなる。
なんでだろう。
要相談。
相手はやはり幹事だった友達。
だいたい一番前のめりに参加したのに。
そうは言っても実際の数時間は普通だったと思う。
鼻息も荒くなく、笑顔も自然で、目立つほどじゃない『普通』という個性。
『夢ちゃん、手ぶらで帰っちゃった。』
『お疲れ様。楽しそうだったね。』
『楽しかった。でも何もなかった。』
『いろんな人と話してたのに?』
『話しただけだった。』
しばらく返事がなかった。
『何でだろうね?』
そこを聞きたい!
『まあ、今回はぴったり君がいなかったと言うことかな?』
気を遣ってくれただろう夢ちゃん。
『残念だけどまた頑張る。』
また機会があればの話。
そんなチャンスが目の前に来ればの話。
それから考えた。
結論は『初心貫徹。』
だって平凡でもいいと思ったのに、そんな平凡にも見向きもされない現実に、またあの夢見がちな日々に戻ってもいいのでは?
あの頃よりは環境も変わった。
同級生や先輩、通りすがりの人、そんな枠が広がった。
今度は同期、先輩、その内後輩、通りすがりは一緒だとしても、それでも行動エリアも広がり、出会う人も増えている。
学生だった頃より明らかに増えてるよね。
じゃあ、良くない?いっそ非凡、脱普通、まるでドラマのような!!を目指してみても良くない?
そんな結論に行きついたのだった。
「里穂、いい加減に起きなさい。お昼になるわよ!」
階段の下からお母さんの声がする。
この声は隣にも響く。
一郎君によく言われた。
『おばさんの声がすると俺もビクッとなる。』
『怒られ過ぎだよ。何でそんなに怒られネタがあるのか分からない。』
呆れられてよく言われてた。
今は一郎君はいないけど、静かになった隣の家には余計に聞こえてるかもしれない。
「は~い。」
返事をして黙らせる。
ただ母親という生き物はお腹の中にいる頃から子供の事を観察してるから私より私を知ってる。私が一度で言うことを聞くとはまったく思ってない、返事が聞こえたからと言ってあきらめないのだから。
「里穂、いい加減に起きないとあっという間におばあちゃんになるわよ。」
どんな理屈?
寝坊からのおばあちゃんって、どうしてそうなるの?
とりあえず、えいっと声をかけて、自分に気合を入れて起き上がった。
途端にバラバラバラッと音がした。
そうそう、決意通り、とりあえずは古いマンガでいろんな研究を再開していたのだ。
時代を超えてもあの頃のドキドキと同じような感動に包まれる、非常に素直で清らかな心の私。結局あの頃から少しも変わりがないと分かった私のピュアさ、もしくは精神年齢。
ついつい何冊も読み過ぎて、時間も遅くなって・・・・寝たのは朝だったのだ。
だから寝坊というか、睡眠時間がシフトしただけだ。
起き上がり、ベットの下に落ちた数冊を机の上に乗せる。
枕の周りにも何冊もある。
私のバイブル、私には高尚な論文くらいの価値があるとも言える研究の書。
そこに通じてる恋愛の定理は理解不能な難しい何とかの定理よりも崇高なものなのだ・・・すくなくとも恋する女子一般にとっては・・・恋したい女子にとっては。
今日はもっともっと、ブランクを埋めるべく研究の書を集めに行く予定だ。
それが今日の私のするべき事。
「里穂~、お昼よ。いい加減にしなさい!!」
「起きたよ。大丈夫だよ。」
ドアを開けて返事した。
文句は言えない、きっと朝ご飯を飛ばしてのお昼ご飯を作ってもらってるんだから。
楽な服に着替えて、下に降りて顔を洗う。
適当適当、特に本屋に行くだけだし。
あ・・・・そこで思わぬ何かがあるかもしれない・・・・・・。
まあ、とりあえず後でいいや。
「おなか空いた~。」
挨拶より先に正直な今の気持ちが出た。
テーブルにはおいしそうな湯気といい香りが。
シンプルだけど飽きのこない週末の定番、麺。
今日はうどんだった。
「まったく手伝いなんて少しもしないし、ぐうたらして、遅くまで何してたの?」
「いろいろとやる事あるの。」
「漫画本に囲まれてジタバタしてたみたいだけど、週末なのに何のお誘いもないなんて。」
朝私の部屋をのぞきこんだらしい。
「いいじゃない。金曜日楽しく過ごしたんだから、週末はゆっくりなの。」
「楽しかったという割には落ちこんだ顔で帰って来た気がしたけど。」
もう、なんでそんなに観察してるのよ。
ずるずるとうどんに集中する。
「美味しいね、お父さん。」
「ああ、母さんが作ると何でもおいしいからな。」
褒め上手なお父さん。眼鏡をくもらせてうどんを食べている。
前に二人の馴れ初めなる古い出来事を聞いたことがある。
それはそれはレアに運命的な出会いだったらしい。
まずお母さんが貧血をおこした奥様を助けたらしい。
一緒に涼んで、飲み物を買って来て、落ち着いた後に荷物を持って自宅まで付き添ったらしい。
その時にお礼を言われて、玄関で上がって欲しいと言われたのを辞退してるところに、その家の息子さんが帰って来て。
何とそれがお父さんで。
やはり挨拶だけでそのままその家を離れたらしいけど、その後日、会社近くで再会して声をかけられたらしい。
お互いが隣のビルにお勤めだと分かって、名刺を交換し合い、一度お礼の食事をと請われて・・・・・とんとんとん。
当然反対されるでもなく、とんとんとん。
めでたく私が生まれたと言うハッピーな話だった。
そんな事例は私の研究書にも載ってなかった。
まさかこんなに身近にミラクルを体現して結論付けた二人がいたなんて。
いついかなる場合でも『情けは人の為ならず』に化けるかもしれないと、その時は思った。
ただ貧血の奥様なんてその辺に落ちてないのだ。
よく考えたらその当時、今私のお祖母ちゃんである奥様はお母さんと同じくらいの年ということだろう。
うどんをすすっているお母さんはスーパー元気だ。
その日のおばあちゃんがよっぽど体調を崩してたんだろう。
今はそんな片鱗はない、想像できないほど元気なお祖母ちゃんだ。
おじいちゃんも元気だし、二人とも行動的で問題ない。
そうなるとお母さんお父さんにとっても本当にレア現象だったと分かる。
うどんを食べ終わり後片付けを押し付けられてしぶしぶ手伝い、その後ちょっとだけ小ぎれいに身支度して本屋に出かけた。
ドキドキ必死の数冊を買い込んで戻って来た。
よく考えたら本屋で買うより読み放題のサイトに登録した方が良かったのでは・・・・・、通勤中も研究できる。隙があれば研究に没頭できる。
気がつくのが遅かった。
そしてせっかく楽な恰好よりはきちんとして出かけたのに、本当に何も起こらずに無事に家に帰ってこれた。
やっぱり何かが足りないんだと思う。
運命的なラッキーが。
どこにあるんだろう、私がハッピーになれるようなラッキーな事、もしくはミラクル。
DNAに刷り込まれてもいいのに、そこは全く必要な遺伝情報じゃないらしい。
そこは『親譲り』のモノが欲しかったのに。
残念。
ひたすら残りの週末を吹き出しと画でジタバタとして過ごした。
いつの日か、大変に有意義だったと振り返りたい。
楽しみだった飲み会は無事に終わった。
本当に何事もなく終わった。
結果名刺一枚、連絡先一人分も手の中にはない。
ただ、飲んで食べた、先週と違うのは相手に知らない男性がいただけ、そんな現実だった。
みんながみんなそうだったら別にいい。
なのに友達の一人はなんとなく最初からロックオンされ、数合わせの先輩も途中から邪魔できない雰囲気を漂わせていた。
肝心の私はというと・・・・その他大勢の中で最後まで変わらず楽しく過ごしましたとさ、めでたしめでたし。
トホホな結果だった。何もなくて静かな結果。
どんどん現実は私に厳しくなる。
なんでだろう。
要相談。
相手はやはり幹事だった友達。
だいたい一番前のめりに参加したのに。
そうは言っても実際の数時間は普通だったと思う。
鼻息も荒くなく、笑顔も自然で、目立つほどじゃない『普通』という個性。
『夢ちゃん、手ぶらで帰っちゃった。』
『お疲れ様。楽しそうだったね。』
『楽しかった。でも何もなかった。』
『いろんな人と話してたのに?』
『話しただけだった。』
しばらく返事がなかった。
『何でだろうね?』
そこを聞きたい!
『まあ、今回はぴったり君がいなかったと言うことかな?』
気を遣ってくれただろう夢ちゃん。
『残念だけどまた頑張る。』
また機会があればの話。
そんなチャンスが目の前に来ればの話。
それから考えた。
結論は『初心貫徹。』
だって平凡でもいいと思ったのに、そんな平凡にも見向きもされない現実に、またあの夢見がちな日々に戻ってもいいのでは?
あの頃よりは環境も変わった。
同級生や先輩、通りすがりの人、そんな枠が広がった。
今度は同期、先輩、その内後輩、通りすがりは一緒だとしても、それでも行動エリアも広がり、出会う人も増えている。
学生だった頃より明らかに増えてるよね。
じゃあ、良くない?いっそ非凡、脱普通、まるでドラマのような!!を目指してみても良くない?
そんな結論に行きついたのだった。
「里穂、いい加減に起きなさい。お昼になるわよ!」
階段の下からお母さんの声がする。
この声は隣にも響く。
一郎君によく言われた。
『おばさんの声がすると俺もビクッとなる。』
『怒られ過ぎだよ。何でそんなに怒られネタがあるのか分からない。』
呆れられてよく言われてた。
今は一郎君はいないけど、静かになった隣の家には余計に聞こえてるかもしれない。
「は~い。」
返事をして黙らせる。
ただ母親という生き物はお腹の中にいる頃から子供の事を観察してるから私より私を知ってる。私が一度で言うことを聞くとはまったく思ってない、返事が聞こえたからと言ってあきらめないのだから。
「里穂、いい加減に起きないとあっという間におばあちゃんになるわよ。」
どんな理屈?
寝坊からのおばあちゃんって、どうしてそうなるの?
とりあえず、えいっと声をかけて、自分に気合を入れて起き上がった。
途端にバラバラバラッと音がした。
そうそう、決意通り、とりあえずは古いマンガでいろんな研究を再開していたのだ。
時代を超えてもあの頃のドキドキと同じような感動に包まれる、非常に素直で清らかな心の私。結局あの頃から少しも変わりがないと分かった私のピュアさ、もしくは精神年齢。
ついつい何冊も読み過ぎて、時間も遅くなって・・・・寝たのは朝だったのだ。
だから寝坊というか、睡眠時間がシフトしただけだ。
起き上がり、ベットの下に落ちた数冊を机の上に乗せる。
枕の周りにも何冊もある。
私のバイブル、私には高尚な論文くらいの価値があるとも言える研究の書。
そこに通じてる恋愛の定理は理解不能な難しい何とかの定理よりも崇高なものなのだ・・・すくなくとも恋する女子一般にとっては・・・恋したい女子にとっては。
今日はもっともっと、ブランクを埋めるべく研究の書を集めに行く予定だ。
それが今日の私のするべき事。
「里穂~、お昼よ。いい加減にしなさい!!」
「起きたよ。大丈夫だよ。」
ドアを開けて返事した。
文句は言えない、きっと朝ご飯を飛ばしてのお昼ご飯を作ってもらってるんだから。
楽な服に着替えて、下に降りて顔を洗う。
適当適当、特に本屋に行くだけだし。
あ・・・・そこで思わぬ何かがあるかもしれない・・・・・・。
まあ、とりあえず後でいいや。
「おなか空いた~。」
挨拶より先に正直な今の気持ちが出た。
テーブルにはおいしそうな湯気といい香りが。
シンプルだけど飽きのこない週末の定番、麺。
今日はうどんだった。
「まったく手伝いなんて少しもしないし、ぐうたらして、遅くまで何してたの?」
「いろいろとやる事あるの。」
「漫画本に囲まれてジタバタしてたみたいだけど、週末なのに何のお誘いもないなんて。」
朝私の部屋をのぞきこんだらしい。
「いいじゃない。金曜日楽しく過ごしたんだから、週末はゆっくりなの。」
「楽しかったという割には落ちこんだ顔で帰って来た気がしたけど。」
もう、なんでそんなに観察してるのよ。
ずるずるとうどんに集中する。
「美味しいね、お父さん。」
「ああ、母さんが作ると何でもおいしいからな。」
褒め上手なお父さん。眼鏡をくもらせてうどんを食べている。
前に二人の馴れ初めなる古い出来事を聞いたことがある。
それはそれはレアに運命的な出会いだったらしい。
まずお母さんが貧血をおこした奥様を助けたらしい。
一緒に涼んで、飲み物を買って来て、落ち着いた後に荷物を持って自宅まで付き添ったらしい。
その時にお礼を言われて、玄関で上がって欲しいと言われたのを辞退してるところに、その家の息子さんが帰って来て。
何とそれがお父さんで。
やはり挨拶だけでそのままその家を離れたらしいけど、その後日、会社近くで再会して声をかけられたらしい。
お互いが隣のビルにお勤めだと分かって、名刺を交換し合い、一度お礼の食事をと請われて・・・・・とんとんとん。
当然反対されるでもなく、とんとんとん。
めでたく私が生まれたと言うハッピーな話だった。
そんな事例は私の研究書にも載ってなかった。
まさかこんなに身近にミラクルを体現して結論付けた二人がいたなんて。
いついかなる場合でも『情けは人の為ならず』に化けるかもしれないと、その時は思った。
ただ貧血の奥様なんてその辺に落ちてないのだ。
よく考えたらその当時、今私のお祖母ちゃんである奥様はお母さんと同じくらいの年ということだろう。
うどんをすすっているお母さんはスーパー元気だ。
その日のおばあちゃんがよっぽど体調を崩してたんだろう。
今はそんな片鱗はない、想像できないほど元気なお祖母ちゃんだ。
おじいちゃんも元気だし、二人とも行動的で問題ない。
そうなるとお母さんお父さんにとっても本当にレア現象だったと分かる。
うどんを食べ終わり後片付けを押し付けられてしぶしぶ手伝い、その後ちょっとだけ小ぎれいに身支度して本屋に出かけた。
ドキドキ必死の数冊を買い込んで戻って来た。
よく考えたら本屋で買うより読み放題のサイトに登録した方が良かったのでは・・・・・、通勤中も研究できる。隙があれば研究に没頭できる。
気がつくのが遅かった。
そしてせっかく楽な恰好よりはきちんとして出かけたのに、本当に何も起こらずに無事に家に帰ってこれた。
やっぱり何かが足りないんだと思う。
運命的なラッキーが。
どこにあるんだろう、私がハッピーになれるようなラッキーな事、もしくはミラクル。
DNAに刷り込まれてもいいのに、そこは全く必要な遺伝情報じゃないらしい。
そこは『親譲り』のモノが欲しかったのに。
残念。
ひたすら残りの週末を吹き出しと画でジタバタとして過ごした。
いつの日か、大変に有意義だったと振り返りたい。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

内緒ですが、最初のきっかけは昔の彼の記憶でした。(仮)
羽月☆
恋愛
不器用な会社員のまま半年が過ぎて、いまだに友達もいない私、如月舞。
仕事は黙々と一人でこなしてる。
パソコンに向かっているのだから無駄な愛想も笑顔もいらない。
自分らしく仕事ができるのはその席にいる時だけ。
本当は友達も欲しいし、先輩達とも仲良くしたいし、もっともっと・・・正直に言えば彼氏だって欲しい。
大人って難しい。
なかなか友達が出来るきっかけをつかめず、一人で過ごす日々。
優しい人はいるもので、そんな私に話かけてくれて、同期の飲み会に誘ってくれた浅井さん。
すっごくうれしい気持ちが笑顔に出てたかもしれない。
金曜日、やっと同期の仲間デビュー。
なかなか一気に知り合いは増えないけど、それでも数少ない人と少しづつ打ち解けて。
そんな舞と大人友達の日常。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる