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7 勘違いは正したいと思います。
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日曜日、土曜日の夜の反動でなんとも静かな休日に思える。
ゆっくり起きてでかけた。
ただ何も買うことなく早めに帰ってきた。
ぼんやりと昨日のライブハウスのスケジュールを見る。
月に一回くらいなら。
もっとちゃんと聞いてても良かった。
もしかしたらおすすめのバンドとかあったかもしれない。
聞いてもいいけど。
でも文字だとわかりにくくて、偶然でも会えたら。
それでも今までほとんど会うこともなかった。
情報管理部。
まさかふらりと会いにはいけなくて。
そのまま金曜日になった。
浅井さんと情報管理部の先輩二人との約束の日。
玄関で待ち合わせて行くことになった。
皆、特に先輩たち、残業は良かったんだろうか?
四人揃って、浅井さんと筒井さんのちょっとしたやり取りが終わった頃、エレベーターから石神君が降りてきた。
浅井さんに断り石神君に駆け寄る。
「石神君、お疲れ様。ねえ、来月のライブも本当に誘っていい?」
「うん、・・・大丈夫だよ。」
視線が軽く三人の方へ向く。
「ありがとう。じゃあ、行ってくるね。週末連絡していい?」
ちょっとびっくりした顔をされたけど、やっぱり優しい笑顔になってくれた。
「うん、いってらっしゃい。」
手を振って三人のところに戻る。
「すみませんでした、お待たせしました。」
「石神と仲いいの?」
筒井さんに聞かれた。
石神君の方を向くとこっちを見ててくれた。
笑顔になって視線を筒井さんに戻した。
「はい、友達です。」
「何だろうこの敗北感。」
筒井さんがつぶやく。
「いいお寺を探しておきますよ。」
浅井さんが言う。
歩き出しながら早速帰ったら行きたい日を絞ろうと思った。
今日はベトナム料理。アジアが続く。
誰が好きなんだろう?
あんまり食べたことがないかも。
それでも素材をいちいち言い合いながら楽しくて。
お酒も進んで結構いっぱいの種類を食べた。
浅井さんが席を立つ。ちょっとずれて須田さんが。
当然筒井さんと2人になった。
チャンス到来。
今日の目的、絶対。
「ねえ、石神とは出かけたりするの?」
「はい。先週初めて出かけました。今週末にも連絡していいと言われました。」
はっきり言う。うれしい気持ちはある。
だって楽しみなライブの打ち合わせ。
「なんだか楽しそうだね。」
「はい。すごく大切な友達です。」
「僕は?」
息を吸い、ゆっくりと吐く。
「筒井さん、私をダシにしてませんか?浅井さんと一緒に喋ってるときが一番楽しそうです。役に立つならダシでもなんでもいいですが、でもやっぱりストレートに言ってもいいんじゃないですか?私はあんな楽しい掛け合いできませんよ。それに私が彼女になったら、きっと今みたいに浅井さんとは近づいて欲しくないって思います。それくらい自然です。」
「僕は振られたの?」
「いいえ。応援してるんです。」
顔を近づけてみた。
「浅井さんの笑顔とってもきれいです。ちゃんと見えてますよね?」
「・・・・・やっぱり振られたんだね。」
「・・・・・本当に、・・・・もしかして、違いました?」
「うん、多分。」
そんな・・・・。
「そう言っても考えてくれない?」
「・・・・すみません。違うと思います。私じゃないです。」
筒井さんの横にいるのは私じゃない。
「そうか。」
私は間違ったんだろうか?
でも考えて欲しいのに。勝手にそう思のも失礼かもしれないけど。
思った風の展開じゃなくてちょっとがっかりした。
「じゃあ、石神は?」
「え?石神君は友達です。」
しばらく見つめ合う。
「そう。」
軽く笑われた。
しばらくして須田さんが帰って来た。
浅井さんが遅い。
気分悪い感じはなかったけど・・・・。
「あの、浅井さんが遅くて、心配なので一応見てきます。」
そう言って席を立った。
背後に視線を感じる。
トイレに行く途中にも出会わなかった。
トイレの鏡の前にいた。
「浅井さん?気分悪い?」
「ううん、ちょっと気を利かせたんだけど。」
そうだと思った。
「もう話は終わってるよ。須田さんも帰って来てるし。気分悪いのかと心配になった。良かった。」
「ねえ、石神君と何話してたの?」
「来月も一緒にライブに行って欲しいってお願いしたの。先週すごく楽しかった。すっかり石神君のおすすめの場所がお気に入りになったの。それで週末にその日について連絡したいってお願いしてきたの。」
「もしかして筒井さんにも同じこと聞かれた?」
「うん。」
「同じように答えたの?」
「うん。」
「あ~、本当にお寺探すパターン?」
「どうだろう・・・・。はっきりとはわからないけど、私はもう誘われないと思う。ごめんね。みんなと一緒だと楽しいんだけど。」
「わあ、それじゃあ、お寺パターンで決まりじゃん。」
浅井さんががっかりしてる。ちょっと観察している私。
浅井さんも・・・なし?
「だめかな、やっぱり。」
「うん、横に並んでしっくりくるのは私じゃないよ。だったら浅井さんの方がいいコンビ。」
「私も楽なの。先輩なのに普通に落としても平気だし。」
「うん、本当に息ぴったりだよ。羨ましいくらい。」
「そう?」
「うん。」
「先に戻るね。」
そう言って浅井さんが出て行った。
トイレを済ませて戻る。
やり取りは変わることなく。本当に仲がいいと思う。
食べるより喋る方が多い二人。それを傍観してる二人。
結局また飲もうねと言われて頷いた。
楽しいのは本当だから。
じゃあ、石神君も来ればいいのに。言えないけどそう思った。
早速来月のライブスケジュールを見て、また土曜日の候補をあげた。
トランペットとピアノとサックスは外せない、そう思ってるけど。
そこまでして寝た。
ちょっと飲み過ぎた。
どうなるんだろう。お似合いなのに・・・・。
ゆっくり起きてでかけた。
ただ何も買うことなく早めに帰ってきた。
ぼんやりと昨日のライブハウスのスケジュールを見る。
月に一回くらいなら。
もっとちゃんと聞いてても良かった。
もしかしたらおすすめのバンドとかあったかもしれない。
聞いてもいいけど。
でも文字だとわかりにくくて、偶然でも会えたら。
それでも今までほとんど会うこともなかった。
情報管理部。
まさかふらりと会いにはいけなくて。
そのまま金曜日になった。
浅井さんと情報管理部の先輩二人との約束の日。
玄関で待ち合わせて行くことになった。
皆、特に先輩たち、残業は良かったんだろうか?
四人揃って、浅井さんと筒井さんのちょっとしたやり取りが終わった頃、エレベーターから石神君が降りてきた。
浅井さんに断り石神君に駆け寄る。
「石神君、お疲れ様。ねえ、来月のライブも本当に誘っていい?」
「うん、・・・大丈夫だよ。」
視線が軽く三人の方へ向く。
「ありがとう。じゃあ、行ってくるね。週末連絡していい?」
ちょっとびっくりした顔をされたけど、やっぱり優しい笑顔になってくれた。
「うん、いってらっしゃい。」
手を振って三人のところに戻る。
「すみませんでした、お待たせしました。」
「石神と仲いいの?」
筒井さんに聞かれた。
石神君の方を向くとこっちを見ててくれた。
笑顔になって視線を筒井さんに戻した。
「はい、友達です。」
「何だろうこの敗北感。」
筒井さんがつぶやく。
「いいお寺を探しておきますよ。」
浅井さんが言う。
歩き出しながら早速帰ったら行きたい日を絞ろうと思った。
今日はベトナム料理。アジアが続く。
誰が好きなんだろう?
あんまり食べたことがないかも。
それでも素材をいちいち言い合いながら楽しくて。
お酒も進んで結構いっぱいの種類を食べた。
浅井さんが席を立つ。ちょっとずれて須田さんが。
当然筒井さんと2人になった。
チャンス到来。
今日の目的、絶対。
「ねえ、石神とは出かけたりするの?」
「はい。先週初めて出かけました。今週末にも連絡していいと言われました。」
はっきり言う。うれしい気持ちはある。
だって楽しみなライブの打ち合わせ。
「なんだか楽しそうだね。」
「はい。すごく大切な友達です。」
「僕は?」
息を吸い、ゆっくりと吐く。
「筒井さん、私をダシにしてませんか?浅井さんと一緒に喋ってるときが一番楽しそうです。役に立つならダシでもなんでもいいですが、でもやっぱりストレートに言ってもいいんじゃないですか?私はあんな楽しい掛け合いできませんよ。それに私が彼女になったら、きっと今みたいに浅井さんとは近づいて欲しくないって思います。それくらい自然です。」
「僕は振られたの?」
「いいえ。応援してるんです。」
顔を近づけてみた。
「浅井さんの笑顔とってもきれいです。ちゃんと見えてますよね?」
「・・・・・やっぱり振られたんだね。」
「・・・・・本当に、・・・・もしかして、違いました?」
「うん、多分。」
そんな・・・・。
「そう言っても考えてくれない?」
「・・・・すみません。違うと思います。私じゃないです。」
筒井さんの横にいるのは私じゃない。
「そうか。」
私は間違ったんだろうか?
でも考えて欲しいのに。勝手にそう思のも失礼かもしれないけど。
思った風の展開じゃなくてちょっとがっかりした。
「じゃあ、石神は?」
「え?石神君は友達です。」
しばらく見つめ合う。
「そう。」
軽く笑われた。
しばらくして須田さんが帰って来た。
浅井さんが遅い。
気分悪い感じはなかったけど・・・・。
「あの、浅井さんが遅くて、心配なので一応見てきます。」
そう言って席を立った。
背後に視線を感じる。
トイレに行く途中にも出会わなかった。
トイレの鏡の前にいた。
「浅井さん?気分悪い?」
「ううん、ちょっと気を利かせたんだけど。」
そうだと思った。
「もう話は終わってるよ。須田さんも帰って来てるし。気分悪いのかと心配になった。良かった。」
「ねえ、石神君と何話してたの?」
「来月も一緒にライブに行って欲しいってお願いしたの。先週すごく楽しかった。すっかり石神君のおすすめの場所がお気に入りになったの。それで週末にその日について連絡したいってお願いしてきたの。」
「もしかして筒井さんにも同じこと聞かれた?」
「うん。」
「同じように答えたの?」
「うん。」
「あ~、本当にお寺探すパターン?」
「どうだろう・・・・。はっきりとはわからないけど、私はもう誘われないと思う。ごめんね。みんなと一緒だと楽しいんだけど。」
「わあ、それじゃあ、お寺パターンで決まりじゃん。」
浅井さんががっかりしてる。ちょっと観察している私。
浅井さんも・・・なし?
「だめかな、やっぱり。」
「うん、横に並んでしっくりくるのは私じゃないよ。だったら浅井さんの方がいいコンビ。」
「私も楽なの。先輩なのに普通に落としても平気だし。」
「うん、本当に息ぴったりだよ。羨ましいくらい。」
「そう?」
「うん。」
「先に戻るね。」
そう言って浅井さんが出て行った。
トイレを済ませて戻る。
やり取りは変わることなく。本当に仲がいいと思う。
食べるより喋る方が多い二人。それを傍観してる二人。
結局また飲もうねと言われて頷いた。
楽しいのは本当だから。
じゃあ、石神君も来ればいいのに。言えないけどそう思った。
早速来月のライブスケジュールを見て、また土曜日の候補をあげた。
トランペットとピアノとサックスは外せない、そう思ってるけど。
そこまでして寝た。
ちょっと飲み過ぎた。
どうなるんだろう。お似合いなのに・・・・。
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