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16 過去から今に時間が流れたと思った時
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「なんだかうれしそうだね。」
外来の廊下を歩いてるときに急に声かけられた。
ビックリした。油断もしていた。
院内で声かけられたのも初めてだった。
振り向いた顔はびっくりのままだと思う。
「なんだか最近きれいになったし。今もすごくいい顔してる。前と違う。」
「そんな、全然会うこともなかったじゃないですか?」
冗談のように明るくふるまう。声を潜めたりしたら興味をひきそうだから。
「時々見かけたよ。」
知らない。
「でもいい事あったんだよね?」
姿勢を正して思いっきりの笑顔で答えた。
「はい、素敵な出会いがありました。」
「そう。良かった、本当に。」真面目な顔で言われた。
「はい、いろいろお世話になりました。本当に迷惑かけてすみませんでした。申し訳ない思いでいっぱいです。」
「うん、こちらこそ。申し訳なかったです。」
「大丈夫です。じゃあ。」
くるりと向きを変えてうれしい気持ちで先を行く。
何だか思いっきり吹っ切れた気分。
本当に自分の中にまったく未練もない事が確認できてうれしくもあって。
イチ。ありがとう。
心でつぶやいた。
水曜日の仕事が終わった。割とすんなりと。
家に帰りダッシュで準備する。
連絡は来てないからまだ仕事は終わってないみたい。
『今から駅に向かって電車に乗ります。後でね。』
そう送った。
電車に乗って確認すると1時間以内に駅に着くだろうということだった。
思ったより早い。
イチの最寄り駅について駅中を見てみる。充実してる。
電車の中だろうと思ってメッセージを入れてみる。
『外で食べる?何か作る?買う?』
『時短。買う。』
ふ~ん。何が食べたいかなあ。
あんまり食欲はないけど食べないと本当に痩せてきた。
お肉お肉たんぱく質。焼き鳥丼なんてひかれるなあ。鶏肉食べたい。
美味しそうな鶏肉の色に、あ、食欲出てきた。
改札の前に移動して待つ。
めちゃくちゃ急いでますという風に出てきたイチ。
手を振りながら走ってくるイチ。犬・・・・・。
「お疲れ様。」
「ただいま。」
挨拶も途中、手をつながれて歩く。結構急ぎ足。
「何買う?」
「焼き鳥丼食べたい。」さっき見てた店を指さす。
そこに向かって選んだものとイチが適当に選んだ照り焼き重。
鶏肉でよかったの?
お味噌汁もついていた。
受け取って支払って回れ右。
またも急ぎ足で駅を後にして。まっすぐに進んだ。
早足で歩かされてキョロキョロできない。
急いで7分くらい。ゆっくり歩いて10分かからないくらいか。
マンションに着いて部屋に入る。
いきなりキスをされる。ハグとほぼ同時。
「会いたかった。」
「私も。」
玄関でご飯を床に放りだして・・・・。
お味噌汁がインスタントでよかった。
何度か繰り返して落ち着いたのか顔を離された。
「会いたかったよ。」
「私もすごく会いたかった。」
さっきも聞いたし答えたけど。繰り返す。
「ご飯にしよう。お湯沸かすね。」
お湯を沸かしてもらう間テーブルにご飯をセットしてお味噌汁をカップに開けて待つ。
部屋を見回すと何とキーボードがあった。
楽譜もあるし、ギターもある。
聞きたい。でも夜はダメかな?
・・・時間もない?
カップを持ってキッチンへ行く。
お湯を注いでもらいゆっくり運ぶ。
ソファにもたれて並ぶ。
「いただきます。」
「お腹空いた。」
「夜にハルヒちゃんが来たよ。」
「みたいだね。聞いたよ。」
「ハルヒがメッセージのやり取り見せたんでしょう。もう恥ずかしいなあ。」
「あ、見た・・・・。ハルヒちゃんもよく付き合ってくれたね、あんなやり取りに。」
「『奈央さんが照れて可愛かった。』って。」
「だって・・・もう、何やり取りしてるのよ。」
「うれしくて。へへへ。」
全部ばらしてって怒りたいけどそんな顔すると怒れないじゃない。
「実はギイチにも同じようなメッセージ送ってたんだ。」
やはりうれしそうに言う。
「・・・・・なんて言ってた?」
「やっぱり『エロ馬鹿、自分だけ。・・・非テツの癖に』って。」
非テツ。名前は十分鉄入りなのに。
「でも良かったなって。いい奴なんだよ。ギイチ。」
「イチにかかるとみんないい人になりそう。」
そんなことないけどって言う。
お味噌汁まで飲んで、久しぶりにご飯を食べた気がする。
「お腹が重い。苦しい。」
「ねえ、ちゃんと食べてる?」
「うん?あんまり食欲ないかな?忙しいからもともとゆっくり食べてないし。」
「ダメだよ。貧血起こしたらどうするの?すぐ呼んでね、看病に行くから。」
「・・・何?待ってるの?」
「まさか。でもちょっと良くない?看護師さんを看病する優しい彼。」
「良くないよ。大丈夫だし。」
「うん、心配だからさ。お胸のお肉も落ちたら悲しいし。肉食べてね。」
「だから食べたじゃない。鶏肉。」
シャツを引っ張られてのぞかれた胸を急いで隠す。
食べよう。本当に痩せてきてるし。
胸の事じゃない、体力が落ちたら仕事が・・・・。
私は明日はゆっくりの出勤の日、でもイチは普通に仕事。
今日の残り時間はやっぱり短い。
そう思ってたのは2人とも同じで。
食べたあと交代でシャワーを浴びてソファにもたれて寄り添う。
器用に体の側面の線ををくっつけて手をつなぐ。
大好きな時間。
「何で?」
いきなり聞かれた?
「・・・何?」
思わずびっくりして聞き返す。
「大好きな時間って言ったから。」
くっついていた体の側面が離れたかわりにこっちに体ごと向けて寄ってくる。
聞こえたの?思っただけなのに。
恥ずかしいじゃない。
「好きなの。こうしてただ横にいる時間が。落ち着くの、すごく。」
「・・・そうなんだ。」
さっきより抱えられるように手を回されて密着してくる。
肩に顎を乗せて言う。
「・・・・そう。」
つぶやく。
軽く頭を倒して頭同士がくっつく。
「髪の毛がくすぐったい。」
息を吹きかけられた。
今度はこっちの首がくすぐったくて首を動かす。
「僕も大好きだよ、こうしてる時間。」
耳元で聞こえた声。
目を閉じてのんびり過ごす時間。
でもやっぱり残りの夜は短くて。
腰を抱き寄せられて首元からキスをされる。
キス?鼻を寄せて匂いをかがれてるような。
「髪の毛結んで仕事するもんね。」
「うん、そうね。」
「じゃあダメだよね。ここに印付けちゃ。」
ちょっと離れようとするけど意外に乗せられた顎?顔?の力が強くて。
「ダメ、・・・・見えないところに・・・。」
「うん、わかった。」
「ね、僕はやっぱりベッドの中がいいなあ。落ち着かなくても、叫ばれても、嫌嫌って言われても。」
分かってる。揶揄われてるのと誘われてるのは。
それでも無言でいるとちゃんと誘われることも。
「ね、行こう。」
立ち上がり電気を消して手をつながれてついて行く。
初めて入るけど、暗くてよくわからない。
結局キーボード弾いてってお願いできなかった。
又、来るよね?
寝室は小さい明かりがついていた。
ベッドのわきで抱き合ってキスをする。
さっきまで横にいるだけで満足って思ってたのは本当。
でもせっかちにお互いの服をはぎ取り裸になると、もうゆっくりなんてできなくて。
首に縋りついて胸をぺったりとくっつける。
腰を支えられるようにして、感じる、固くて熱いイチの高ぶりを。
思わず声を漏らしてしまう。
「無理だって・・・・だってずっと抱きたかったんだから。」
「私も、会いたくて抱きしめられて、こうしてくっついて、・・・・・抱かれたかった。」
「早く・・・・。」
手をつないですぐ横のベッドに入る。
体がくっつくと手は離れてお互いを探り合う。
会えなかったたった数日の間に変わったところはないか。
お互いの体にお互いを思い出してほしくて、絡み合うように巻き付いた足。
「早く・・・・。」
今度は私がせかす。
お互いに息を荒くしてもつれ合う。
あっという間に音を立て始める私に容赦なくポイントをついて攻め立てる。
腰をしっかりとつかまれてるのに快感の波にさらわれて動く。
「あぁあぁ、イチ、い、やあぁ、・・・・いち・・・・。」
「奈央、嫌じゃないって・・・・・すごく気持ちいいよね、いいでしょう?」
「はぁあぁぁあ、ぁぁぁ、 い、いい・・・いち・・・・すごく、いいの、気持ちいい・・・・・」
「良かった・・・・。」
「お願い・・・いち・・・・。」
「いいよ。嫌って言っちゃだめだよ。」
指が勢いよくそこをこすりあげると快感の波が高く高く私を持ち上げる。
「あぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・いぃぃぃぃぃぃぃいい、、いく、・・・いく。」
自分の中がうごめくのを感じる。
快感の波に押し上げられるに任せて声をあげて浮き上がったままいった。
「いち・・・・・抱いて・・・・・・。」
息が切れて喉も痛い。
波が引いて途端に寂しくなる。
ジンジンと感じる余韻はさっきとは比べ物にならないくらい静かで。
足りない熱がまた欲しくなる。
何度繰り返してもまだまだ足りない。
満たされたと思った瞬間、ゆっくり波の引いた心がまたすぐに求め始める。
ただ抱きしめてもらうだけでもいいから。
「奈央、愛してる。」
言葉がゆっくりと心にしみこむ。
「いってつ、愛してる、大好き。一番に愛して。」
汗にまみれた体を寄せ合いくっつく。
「奈央が一番。誰よりも愛してるから。」
私はうなずいて。
ちょっとだけ素直になれる気がした。ズルくもなく、計算高くもなく。
ただ愛したいと思って愛されてると感じて。
それだけで、いい気がした。
外来の廊下を歩いてるときに急に声かけられた。
ビックリした。油断もしていた。
院内で声かけられたのも初めてだった。
振り向いた顔はびっくりのままだと思う。
「なんだか最近きれいになったし。今もすごくいい顔してる。前と違う。」
「そんな、全然会うこともなかったじゃないですか?」
冗談のように明るくふるまう。声を潜めたりしたら興味をひきそうだから。
「時々見かけたよ。」
知らない。
「でもいい事あったんだよね?」
姿勢を正して思いっきりの笑顔で答えた。
「はい、素敵な出会いがありました。」
「そう。良かった、本当に。」真面目な顔で言われた。
「はい、いろいろお世話になりました。本当に迷惑かけてすみませんでした。申し訳ない思いでいっぱいです。」
「うん、こちらこそ。申し訳なかったです。」
「大丈夫です。じゃあ。」
くるりと向きを変えてうれしい気持ちで先を行く。
何だか思いっきり吹っ切れた気分。
本当に自分の中にまったく未練もない事が確認できてうれしくもあって。
イチ。ありがとう。
心でつぶやいた。
水曜日の仕事が終わった。割とすんなりと。
家に帰りダッシュで準備する。
連絡は来てないからまだ仕事は終わってないみたい。
『今から駅に向かって電車に乗ります。後でね。』
そう送った。
電車に乗って確認すると1時間以内に駅に着くだろうということだった。
思ったより早い。
イチの最寄り駅について駅中を見てみる。充実してる。
電車の中だろうと思ってメッセージを入れてみる。
『外で食べる?何か作る?買う?』
『時短。買う。』
ふ~ん。何が食べたいかなあ。
あんまり食欲はないけど食べないと本当に痩せてきた。
お肉お肉たんぱく質。焼き鳥丼なんてひかれるなあ。鶏肉食べたい。
美味しそうな鶏肉の色に、あ、食欲出てきた。
改札の前に移動して待つ。
めちゃくちゃ急いでますという風に出てきたイチ。
手を振りながら走ってくるイチ。犬・・・・・。
「お疲れ様。」
「ただいま。」
挨拶も途中、手をつながれて歩く。結構急ぎ足。
「何買う?」
「焼き鳥丼食べたい。」さっき見てた店を指さす。
そこに向かって選んだものとイチが適当に選んだ照り焼き重。
鶏肉でよかったの?
お味噌汁もついていた。
受け取って支払って回れ右。
またも急ぎ足で駅を後にして。まっすぐに進んだ。
早足で歩かされてキョロキョロできない。
急いで7分くらい。ゆっくり歩いて10分かからないくらいか。
マンションに着いて部屋に入る。
いきなりキスをされる。ハグとほぼ同時。
「会いたかった。」
「私も。」
玄関でご飯を床に放りだして・・・・。
お味噌汁がインスタントでよかった。
何度か繰り返して落ち着いたのか顔を離された。
「会いたかったよ。」
「私もすごく会いたかった。」
さっきも聞いたし答えたけど。繰り返す。
「ご飯にしよう。お湯沸かすね。」
お湯を沸かしてもらう間テーブルにご飯をセットしてお味噌汁をカップに開けて待つ。
部屋を見回すと何とキーボードがあった。
楽譜もあるし、ギターもある。
聞きたい。でも夜はダメかな?
・・・時間もない?
カップを持ってキッチンへ行く。
お湯を注いでもらいゆっくり運ぶ。
ソファにもたれて並ぶ。
「いただきます。」
「お腹空いた。」
「夜にハルヒちゃんが来たよ。」
「みたいだね。聞いたよ。」
「ハルヒがメッセージのやり取り見せたんでしょう。もう恥ずかしいなあ。」
「あ、見た・・・・。ハルヒちゃんもよく付き合ってくれたね、あんなやり取りに。」
「『奈央さんが照れて可愛かった。』って。」
「だって・・・もう、何やり取りしてるのよ。」
「うれしくて。へへへ。」
全部ばらしてって怒りたいけどそんな顔すると怒れないじゃない。
「実はギイチにも同じようなメッセージ送ってたんだ。」
やはりうれしそうに言う。
「・・・・・なんて言ってた?」
「やっぱり『エロ馬鹿、自分だけ。・・・非テツの癖に』って。」
非テツ。名前は十分鉄入りなのに。
「でも良かったなって。いい奴なんだよ。ギイチ。」
「イチにかかるとみんないい人になりそう。」
そんなことないけどって言う。
お味噌汁まで飲んで、久しぶりにご飯を食べた気がする。
「お腹が重い。苦しい。」
「ねえ、ちゃんと食べてる?」
「うん?あんまり食欲ないかな?忙しいからもともとゆっくり食べてないし。」
「ダメだよ。貧血起こしたらどうするの?すぐ呼んでね、看病に行くから。」
「・・・何?待ってるの?」
「まさか。でもちょっと良くない?看護師さんを看病する優しい彼。」
「良くないよ。大丈夫だし。」
「うん、心配だからさ。お胸のお肉も落ちたら悲しいし。肉食べてね。」
「だから食べたじゃない。鶏肉。」
シャツを引っ張られてのぞかれた胸を急いで隠す。
食べよう。本当に痩せてきてるし。
胸の事じゃない、体力が落ちたら仕事が・・・・。
私は明日はゆっくりの出勤の日、でもイチは普通に仕事。
今日の残り時間はやっぱり短い。
そう思ってたのは2人とも同じで。
食べたあと交代でシャワーを浴びてソファにもたれて寄り添う。
器用に体の側面の線ををくっつけて手をつなぐ。
大好きな時間。
「何で?」
いきなり聞かれた?
「・・・何?」
思わずびっくりして聞き返す。
「大好きな時間って言ったから。」
くっついていた体の側面が離れたかわりにこっちに体ごと向けて寄ってくる。
聞こえたの?思っただけなのに。
恥ずかしいじゃない。
「好きなの。こうしてただ横にいる時間が。落ち着くの、すごく。」
「・・・そうなんだ。」
さっきより抱えられるように手を回されて密着してくる。
肩に顎を乗せて言う。
「・・・・そう。」
つぶやく。
軽く頭を倒して頭同士がくっつく。
「髪の毛がくすぐったい。」
息を吹きかけられた。
今度はこっちの首がくすぐったくて首を動かす。
「僕も大好きだよ、こうしてる時間。」
耳元で聞こえた声。
目を閉じてのんびり過ごす時間。
でもやっぱり残りの夜は短くて。
腰を抱き寄せられて首元からキスをされる。
キス?鼻を寄せて匂いをかがれてるような。
「髪の毛結んで仕事するもんね。」
「うん、そうね。」
「じゃあダメだよね。ここに印付けちゃ。」
ちょっと離れようとするけど意外に乗せられた顎?顔?の力が強くて。
「ダメ、・・・・見えないところに・・・。」
「うん、わかった。」
「ね、僕はやっぱりベッドの中がいいなあ。落ち着かなくても、叫ばれても、嫌嫌って言われても。」
分かってる。揶揄われてるのと誘われてるのは。
それでも無言でいるとちゃんと誘われることも。
「ね、行こう。」
立ち上がり電気を消して手をつながれてついて行く。
初めて入るけど、暗くてよくわからない。
結局キーボード弾いてってお願いできなかった。
又、来るよね?
寝室は小さい明かりがついていた。
ベッドのわきで抱き合ってキスをする。
さっきまで横にいるだけで満足って思ってたのは本当。
でもせっかちにお互いの服をはぎ取り裸になると、もうゆっくりなんてできなくて。
首に縋りついて胸をぺったりとくっつける。
腰を支えられるようにして、感じる、固くて熱いイチの高ぶりを。
思わず声を漏らしてしまう。
「無理だって・・・・だってずっと抱きたかったんだから。」
「私も、会いたくて抱きしめられて、こうしてくっついて、・・・・・抱かれたかった。」
「早く・・・・。」
手をつないですぐ横のベッドに入る。
体がくっつくと手は離れてお互いを探り合う。
会えなかったたった数日の間に変わったところはないか。
お互いの体にお互いを思い出してほしくて、絡み合うように巻き付いた足。
「早く・・・・。」
今度は私がせかす。
お互いに息を荒くしてもつれ合う。
あっという間に音を立て始める私に容赦なくポイントをついて攻め立てる。
腰をしっかりとつかまれてるのに快感の波にさらわれて動く。
「あぁあぁ、イチ、い、やあぁ、・・・・いち・・・・。」
「奈央、嫌じゃないって・・・・・すごく気持ちいいよね、いいでしょう?」
「はぁあぁぁあ、ぁぁぁ、 い、いい・・・いち・・・・すごく、いいの、気持ちいい・・・・・」
「良かった・・・・。」
「お願い・・・いち・・・・。」
「いいよ。嫌って言っちゃだめだよ。」
指が勢いよくそこをこすりあげると快感の波が高く高く私を持ち上げる。
「あぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・いぃぃぃぃぃぃぃいい、、いく、・・・いく。」
自分の中がうごめくのを感じる。
快感の波に押し上げられるに任せて声をあげて浮き上がったままいった。
「いち・・・・・抱いて・・・・・・。」
息が切れて喉も痛い。
波が引いて途端に寂しくなる。
ジンジンと感じる余韻はさっきとは比べ物にならないくらい静かで。
足りない熱がまた欲しくなる。
何度繰り返してもまだまだ足りない。
満たされたと思った瞬間、ゆっくり波の引いた心がまたすぐに求め始める。
ただ抱きしめてもらうだけでもいいから。
「奈央、愛してる。」
言葉がゆっくりと心にしみこむ。
「いってつ、愛してる、大好き。一番に愛して。」
汗にまみれた体を寄せ合いくっつく。
「奈央が一番。誰よりも愛してるから。」
私はうなずいて。
ちょっとだけ素直になれる気がした。ズルくもなく、計算高くもなく。
ただ愛したいと思って愛されてると感じて。
それだけで、いい気がした。
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