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6 寝てしまった後輩

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翌週水曜日はオフィスの忘年会の日。
この日は早めに仕事を終了させて皆で予約のお店に行く。
今回は和食のお店で小さい座敷を一つ借りていた。
最初は大人しく皆が食べ、飲み。そのうちあちこちと人の移動が始まる。
若い子は若い子で集まったグループが隣にあった。
とても楽しそうに話すのをぼんやり見ていると明君の同期の女の子が話し出した話題が。

「ねえ、明君聞いたわよ~、玉の輿アプローチ。」

酔っ払っていて声も大きい。その声に周りが反応する。

「何々?」

「この間から本社の専務のお嬢様にアプローチされてるって。」

「どこで出会ったんだよ、そんなお嬢。」

「この間のイベントだって。明君が祥子さんと参加したじゃない。」

ああ、あれ、あれはそういう厄介筋の娘だったの?
なるほど~。

「ちゃんと断ったよ。」と言った明君にもったいない!と一同の声。

「その話も聞いたけど全然諦めてないらしいじゃない。」

「へえ、かわいいの?いくつ?」

知らないとそっけなく言う明君をよそに他の女の子が盛り上がり始めた。
ふ~んと思ってぼんやりしてたら明君がこっちを見ていて目が合った。
完全に横を向いていた顔を戻し手にした箸で料理をつつく。
反対側ではいつの間にか芸能人の話題になっていてそっちにぼんやり意識を向ける。
今日もお昼が軽くて空腹だったからかお酒が胃にしみること。
いつもはこんなにぼんやりもしないけど。
時々会話に加わりながらも何かが気になってしょうがないような。

お局様詣というように新人が一人づつ挨拶に来る。
一年目でもオフィス配属はまだ半年くらいで教育中。
この時期には教育レポートなる仕事も私はしなくてはいけず、さりげなく観察したり周囲の話を耳にしながら評価をしている。
特に問題のない子たちで助かる。
平均的に普通。一言で言うとそんな新人たちだった。
型どおりともいえる挨拶を受けながらも時々意見をしたあと、ちゃんと褒めて終わらせる。
やはりモチベーションは大切。
新人には男性はいなかった。
結婚までの仕事って思ってるかもしれないけど好きになってほしいとは思う。
3人一巡りすると恒例行事も終わる。
ホッとしてまた会話に戻ろうと思ったらすっかりの私の周りのメンバーが変わっていた。

いつの間に。

隣で明君が一人で飲んでいた。
彼がもといた席はというと先輩男性社員。若い女子社員相手に談笑中。
渡辺 慎一。ちなみに同期だ。
なんで奴じゃなくて私がオフィスリーダーなんて面倒なものになったのか。
押し付けてしまいたい。
さっきより楽しそうに盛り上がる奴を見て思う。
その当時は本当にまだまだ男性社員は少なかった。
それでも奴ら男性陣の何らかの成績が評価されて今の男性社員増員という流れに至っているのだろう。
女性ならではの共感や気遣いとは違うフォロー能力があり、違う視点で見えてるのかもしれない。


明君はさっきの玉の輿話から避難してきたのか、まさか奴に追い出されたとか?
ビールに手を添えてグラスに視線をやっていて。
何か考え事をしている横顔は笑顔とは違う真面目さが見える。
どちらかというと甘い表情が多く、そんな表情も新鮮だったりするけど。

「明君、あいつに席を追い出されたの?」

グラスを持った指を立てて奴を指すと視線を追った彼がこちらに向き直っていつもの表情になる。

「祥子さんの隣が空いたので来ました。皆動いてるしいいですよね?なべさんも楽しそうです。」

「・・・そうね、奴は少なくともうれしいでしょう。」

視線を一度あいつに向けて戻す。

「祥子さん、そういえばこの間の浜中さんにメールしたんですが、年下って今まで考えたこともないって言ってました。そうなんですかね?」

「あれだけのキャリアを積み上げたんだもの上昇志向もあっただろうし、その為の努力もしたでしょうし。常に上を見て目指してきた人じゃないかしら。どちらかというと尊敬して恋愛に発展するタイプだとしたら、視界に入るのは年上の人になるわよね。」

「でも考えたらずいぶん楽に付き合えそうでいいかもって。仕事以外ではリラックスしたいしって。」

「そうなのよね。あの年齢・・・といっては何だけど、もう自分の立ち位置もしっかりしてるし考えれば考えるほどそのほうがいいと思うわね。本人の希望に沿うようならだけどね。」

「そうですね。僕も同じ意見で返事しました。良かったです。」

仕事の話をまじめにする明君、育てた甲斐があるって言うものよ。

「ちなみに祥子さんは年下って考えたことありますか?」

いきなりの質問?口にしようとしたグラスも止まるわよ。

「どうかしら、あんまり気にしてないつもりだけど。」

でも実際今まで一度もない。

「明君は?年上はどうなの?あんなに可愛い銀座の子といい感じだったけど。」

「え、僕は年上でも好きになるときはなります。それにあのイベントで会った彼女は祥子さんも駄目でしょう?」

「そんな、あたしは母親でも姉でもないのよ。あたしの意見はいらないでしょう?」

しばらく見つめられた・・・姉?まさか母親って思ってる、とか?
さすがにそれは辛い。

「僕はこの仕事をするようになって自分がどう見えるのか考えるようになりました。だって信頼されることが大切で、一緒に考えることも大切だって最初の頃教えてくれましたよね。この間のイベントで祥子さんと同期の丘野さんに聞いたんです。祥子さんはあんまり詳しくは指導してくれなかったからあの頃はまったく分からなかったって言ったら、それはそれぞれで考えることだからだって。もともと基本的なフォロー能力が十分だと分かったら祥子さんはその後は自分で自分らしいやり方ができるようになるのを待つって。そう評価されたからじゃないかって。」

そんなことをいつ話したのか。カコの奴勝手に。

「そんなに明君が戸惑ってたなんて思いもしなかったわ。最初の基礎研修で叩き込まれたことが自然にできるなら後は経験だと思うし。スタッフも人それぞれ、会員さんもそれぞれだから。」

「だって祥子さんは何気なくやってるのに、僕だけがわからないって連発してたら恥ずかしいと思って必死にがんばりましたよ。あと、誰かが自分に言う言葉は気をつけて聞くようにしてます。印象から、言葉の受け取られ方から。あのイベントの日話しかけてきた彼女の言葉の中にも、本当に改めて気づかさせられる事があったんです。そこだけは彼女に感謝です。」

「そう。」私こそ色々と今教えられたわよ。なるほどねえ。

「他人の意見で受け入れたくないときはどうするの?」聞いてみた。

「それは、よく考えて確かにって思ったら相手に対する態度や気持ちを変えるか、絶対出さないように腹グロ部分として上手に隠しておくか。でもたいてい間違ったことは言われない気がします。たまには認めたくないこともありますけど。」

「明君の腹グロは想像できないわね。隠し事できなさそうじゃない?」

「そうですか、最近は全然隠してるつもりもいないのに伝わらないことがあって・・・・悩んでます。」

「何々?」

「聞きたいですか?」

「聞きたいわよ~。」

先輩として任せなさいと私も気分が落ち着かなくて軽く返事をした。

「じゃあ、改めて今度時間をもらえますか?」

「いいわよ、声かけて。」

「じゃあ、祥子さん、考えておいてもらえますか?僕が伝えたいのに伝わってないことが何か。」

何だ?今度は疑問の出発点が分からない。

「祥子さん、今は飲みましょう。今更ですが、僕は丘野さんが言ったように祥子さんに評価されたと思っててもいいんですか?」

「もちろんよ。私もそう深くは考えてなかったけど今でもそう思ってるわよ。優秀な生徒を教えた気分よ。」

お互いのグラスを合わせて乾杯する。
その後は一切仕事の話はせずにプライベートの話をした。
さほど隠すようなこともない、平凡な一人のOL話。そんなの楽しいかしら?
だんだん明君が揺れてるのは分かったけど、今までそんなに酔っ払ったって話も聞かなかったし、つい楽しかったからお互いにお酒もお代わりして。・・・・。

最後には寝てしまった明君。

「明君、お~い。大丈夫~?」

そこに渡辺君がやってきた。

「どうしよう、彼お酒弱かったはずないわよね。」

「祥子、お前後輩つぶしてどうするんだよ。責任とって送れよ。」

「家知らないわよ。」

「お~い、誰か明の家知ってるか?」

誰もいないらしい。

「荷物の中になんかあるだろう。」勝手に明君のバッグをあさりだす。

「あった、あった、タクシー呼ぶよ。」

お店に頼んでタクシーを一台呼んでもらう。
私はとりあえずその場から動けず。タクシーを待つ間に他のメンバーはさっさと二次会へ。

誰かいないの、付き合ってくれる人?
渡辺が一人残ってくれた。

「部屋まで送ってベッドに放り込め、そのうち目が覚めるだろう。目の前にこれ置いとけば勝手に飲むさ。責任感じて気になるなら目が覚めるまで部屋の隅にでもいればいいんじゃねえか?」

へらへらと笑い何か楽しんでない?

「ちょっと本当に一緒に行ってくれないの?」

「俺は忙しいの、お前どうせ明日も暇だろう?泊まってけばいいじゃん。」

うううう・・・・牙があったら首に噛み付いて思い知らせたいくらい、憎たらしいことを。
人の週末を勝手に決め付けて。ただ間違ってないのです、じっさい暇なんですが。
タクシーが来て私を先に、そのあと押しやられるように明君が。当然まだ寝てる。
奴はタクシーの運転手さんに心づけを渡し部屋まで手伝ってくれるようにお願いしてる。
本当に本当に私に押し付けるつもりらしい。

「じゃあよろしくお願いします。」運転手さんに言い。

「じゃあな、いい夜に。」手をふり車から離れる。

タクシーが出発した。

「明君・・・起きて・・・・・・。」

最初は耳元で優しく、そのうち体をゆすり徐々に声をおおきくし。

「明君、仕事中に何寝てるの!!」

会社で叱るように行ってみたけど相変わらず平和な顔で。
ため息をついて前を向くとバックミラー越しに運転手さんと目が合う。

「すみません、騒がしくて。」

もうあきらめた。こんなに寝てるし起こすのもかわいそうだし、きっと運転手さん手伝ってくれるわよね。
しばらくタクシーの後部座席でもたれて寝ている明君の重みを感じてちょっとだけ役得なんて思ったり。
男女逆だったら絶対抱きしめてるシチュエーション。
でもそんな経験さすがにないわよ。
暗がりの中で明君の住む小ぶりのマンションを探してくれた運転手さん。
最後にもう一度声をかけて大きく揺さぶってみる。

「う~ん。」

「起きた?明君。」期待したのに再び寝息。

運転手さんが開いたドアの外で待っていてくれている。

「すみません。手をお借りします。」

細身の男の子で助かった。
何とか二人で支えて部屋の前へ。鍵を開けて中へ明君を押し込む。
すっかり二人とも疲れている。
明りをつけるとさすがにさほど広くもなくベッドも見える。
運転手さん、明りの下で見るとそこそこのお年です。

「ありがとうございます。布団をかけてしばらく様子を見ます。」

申し訳なく思い手を借りるのはそこまでにした。
ドアを閉めて一仕事を終えた運転手さんが暗がりに消えた。

「は~ あんまり勝手に見るのもどうかと思うけど。今はしょうがないわよね。」

部屋の中は綺麗に片付けられている。
ベッドから布団を取って彼にかけてやる。
クッションフロアは少し冷たいかもしれないけど、一人ではもう運べない。
せめて頭だけでも、目に付いたブランケットを持ってきて顔の下に敷いてやる。
こんなもんでしょう。
窮屈そうなネクタイを緩め、シャツのボタンを一つはずしと。でも、さすがにベルトは手付かずで。
今、酔って帰ってきた父親の世話をする母親の姿が自分の姿にかぶった。
玄関でベルトも緩められジャケットもががっと剥がされた父親の姿。
よく玄関で朝方までいびきをかいて寝ていた。
それに比べれば可愛いでしょう。寝息も。

ついつい髪の毛を流して顔がよく見えるようにしてあげる・・・え、誰のために?
それでももう一度髪を流しながらさりげなくフェイスラインを触ってしまう。
やわらかい寝息をたて無防備に眠る姿が可愛くて、絶対的胸キュンシーン。
まじまじと顔を見る。仕事のときとは違う油断した素の顔。
新人の頃もよく見ていたはずなのに、今もとてもかわいらしくて。

「いけない、ちょっと危ない扉が開かれそうよ。」

一人靴を脱ぎ部屋に上がる。
あ、忘れてた靴脱がそう。明君の靴を脱がす。
キッチンの明りをつけて勝手にコーヒーを入れる。
インスタントコーヒーとマグカップ、冷蔵庫に牛乳は・・・・ない、残念。
自分で作ったコーヒーを持ち部屋の暖房をつけ彼の眠る玄関近くの壁にもたれる。
寒い。
ベッドから自分用に毛布を持ってくる。

「明君寒い?」

眠ると体温が下がるし、アルコール入ったらなおさら。
照明を小さくして明君と壁の狭い隙間に入り座り込む。
毛布を膝と彼の体にもかけてマグカップを両手に持ちゆっくり飲む。
起きる気配ゼロの明君の顔を薄明かりの中で見つめながらぼんやりする。
可愛いわよね。素直で。頑張り屋で。本当にいい子よね。
誰にでも可愛がられて。
今日話をして改めて思った。
この仕事は今まで女性に向いてるって思ってたけどそんなことはないのかもしれない。
こんなにがんばってる子がこの後も出てくれば。
新人指導をした私としてはとても誇らしい。自慢の後輩。

コーヒーを飲んでも人の寝息を聞きながら暗がりで寝ないでいるって難しい。
窮屈に曲げた膝に頭を乗せると毛布からは知らない匂いがする。
明君の匂いかな?
いつの間にか眠ってしまったらしい。
自分の足にドンと何かが当たる刺激で目が覚めた。
明君が大きく寝返りを打ち私の足へ手をぶつけたらしい。
毛布をめくるとその手が足の間に落ちてびっくり。
ちょっとこれは変な感じよ。スカートの中に手を入れられてるみたい・・・って考えすぎ。
急いで立ち上がってその場所から動こうとしたとき

「う~ん。」 え、今?

明君が目をこすりながらゆっくりと、ぼんやりした顔で目覚めた。
立ち上がりかけの私と目が合う。
しばし休止の二人。

「祥子さん!!」がばっと起き上がった明君の体から布団が落ちる。

明君が布団をめくり自分の格好を確認する。
これもよくドラマで見るシーン、たいていは女性が軽く服を脱がされてるパターンだけど。

「あ、僕、どうしたんでしょうか?」

「明君、すっかり寝ちゃったのよ。ごめんね、飲ませすぎたのかしら?タクシーの運転手さんに手伝ってもらってここまで運んでもらったの。運転手さんも若くなかったから、ベッドまでは行けなくてごめんね。体痛くない?布団は適当に持ってきたの。」焦って次々と説明してしまう。

「お、お世話かけました。でもどうして祥子さんが?」

そりゃあ当たり前の疑問です。

「渡辺がみんなを二次会に追いやって私には酔わせた責任だからって。運転手さんの心づけとそのペットボトルはあいつからよ。お礼は不要よ。飲んだほうがいいわ。」

転がったペットボトルを指差して明君が開けて口にするのを見ている。
相当喉が渇いていたようで喉を鳴らしながら飲んでいる。
伸ばされた喉にはさっきまでの無防備な感じは影を潜めて男らしさが出てくる。

「あ、勝手にコーヒーいれて飲んだの、ごめんなさいね。」

「いえ、本当にご迷惑をかけました。」

「私こそ、いつも結構飲んでるのに大丈夫だったわよね。体調悪かった?疲れてた?」

「いえ、前の日ちょっと・・・睡眠不足で。」

「そう、なら良かったわ。」

「ソロソロ電車が動き出しそうね。私は帰るからおやすみなさい。」

カップを手渡して玄関へ行く。
いきなり後ろから手をつかまれた。

「祥子さん待ってください。」

振り返るとやっぱり男らしい表情のままの明君がこっちを向いて真剣な目をしていた。

「・・・・・どうしたの?」ちょっとドキドキがとまりません。

「あの、本当に時間を作ってもらえますか?仕事の後に、休みの日でも構いません。僕のために時間を作ってもらえませんか?」

更にドキドキは早くなる。

「明君、あの、とりあえず今度目が覚めてるときにね。」

今も起きてるでしょうが。
つかまれた手をゆっくり離してもらい部屋を出る。

背中に痛いほどの視線を感じた、『じゃあ』なんて振り返ることもできなかった。
手には明君の手の感触が、毛布をかけていた服からは明君の匂いがしそうで。
寒い朝に無駄に手足を動かしながら駅に向かった。
知らない道なのにちゃんと駅にたどり着いた。すばらしい自分。
動き始めた電車に乗り自分の最寄り駅に向かう。
とても疲れた。お風呂に入って寝たい。



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