静かな部屋で想いはゆっくりと届けられました。

羽月☆

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6 宣言通り行動できたのに、やっぱり寂しい男。

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珍しく迫田から連絡が来て、久しぶりに食事をすることになった。
金曜日でも週末でもない平日。
迫田の方が忙しい仕事で、それに予定を合わせるとなると毎回そうなる。
それでも久しぶりだった。


自分の会社の駅で待ち合わせをした。
そのままいつもの店に行った。

この間彼女とも行ったあの店だ。
もともと迫田の知り合いが働いていたからということで連れてこられて、自分も時々利用してる。
自分の会社の近くだというのはうれしい偶然だった。




やはり平日の早い時間で問題なく席があった。

もう迫田の知り合いはいないけど、オーナーは覚えてくれてるだろう。

ただ、この間の事は気がついてなければいいけど、忘れてほしい、言わないでほしい。


「最近どう?」

「別に、変わりないなあ。そっちは?」

「ああ・・・・ちょっと前に別れたんだ。」


そう言われてびっくりした。
その別れた相手は大学の頃から知り合いで、自分も何度か顔を見たことがある。

てっきりそのまま・・・・と思ってたのに。

びっくりした顔の自分を見て、さすがにそういう風に思ったのもバレたんだろう。

「俺だって・・・・なんだかなあってびっくりだよ。あんまり時間をかけ過ぎたのかな?お互いにピークがズレたんだろうなあ。俺がそろそろって思う頃には彼女のピークは過ぎていて・・・・。まあ、こんなのも相性のうちなのかな?とりあえず離れて考えようってなって、そのままなしにしようと連絡があったんだ。」



そんな事ってあるだろうか?

結婚したいピークって、そんな一瞬なわけないのに。
何度か繰り返すんじゃないだろうか?
それがすっかりゼロというか、マイナスにまでなるなんて。


「そんな顔するなよ。まだ焦らなくてもいい年だし、別の出会いを期待したいと思ってるし。」


「ああ・・・・まあな。」


「それより安西は?好きな子いるのかよ?」

そう言われて・・・・いないとすぐに返答しなかった自分に、今度は迫田が驚いた顔を向けてきた。

「できた?」



「わからない。」



「何が?まさか自分の気持ちとか言うなよ、即答で否定しなかったってことはそうなんだろう?」


じっくりと一人で考えたこともあった。
接点のなかった三年間、その中ではぼんやりとしていた気持ちだったけど、まさかの幸運で近くにいる存在にはなれた今。


「春に、異動があって、ちょっとだけ気になる子が自分の下に来たんだ。同期だけどほぼ初めましてって感じで。」


「ふんふん、それで?」


「慣れたところで楽しく仕事してたのに突然の異動で、すっかり落ち込んで仕事してる感じで。」


「まあ、慣れればそんなの、何とかなるだろう。難しいのか?」


「多分、前のところ辺りに好きな人がいたんだと思うんだよ。それが異動とともに距離もできたし、飲みに行く回数も減っただろうし。」

自分が邪魔していたからだとはさすがに友達にも教えたくない。


「好きなら、別に仕事で一緒じゃなくても、何とかしようとするんじゃないか?」


「そこはよく分からない。ダメだったっぽい感じでも言ってた、詳しくは分からない。」



「そうか。」


「うん。」



お互いに静かになる。

「ここで一度だけ飲んだんだ。」



「その子と?二人で?」



「ああ。すごく元気なさそうに仕事してたから、愚痴でも聞こうかなと思って。」


「それで?」


「泣かれた。」


「省き過ぎだよ。もっと詳しく。」


「前のところに戻りたいんだよねって、そんな話をしたら、泣かれた。」


「あああ・・・・泣かしたのか。」

それはしょうがない。まさかの反応だったんだ。
そこは反省はしたけど予測はできなかったんだから。


「仕事以外でがっかりすることがあったって、スッキリしたからってお礼を言われた。誘ったからご馳走するって言ったら、またの機会にはご馳走しますからって言われて。」


「で?」


「飲みたい時には声をかけてくださいって言われたまま、二度目はないまま。」


「じゃあ、誘ってみれば?」


そんなに簡単じゃない。


「軽くでいいんだよ。疲れたねって、時間のある時にお酒でも飲まない?って軽く誘えばいいし。同期なら変じゃないと思うけど。それ前に何度か休憩を一緒に取ったりして、話をしてみればいいし。」


彼女は水筒を持ってきてる。
トイレ以外、あんまり席を立ってないと思う。
それでもそのタイミングは時計を見てる感じで、大体わかる。


「そうしてみる。」


「おう。頑張れ!」

確かにあれから全く何もない。忘れられてるかもしれない。
それでも誘ったら思い出してくれるだろう。

別にお金の事じゃない、一度二人で飲んだ夜があったことを。



「あ、それと・・・・。」


「何?」


「この間全然知らない子にいきなり告白された。」


「あっ?何それ。ビッグニュースだろう!!どんな子?どうした?」


「いきなり廊下でそう言われて、全く知らない相手だしびっくりして、今はそんなつもりがないからっていう風に答えたと思う。どんな子かは覚えてない。すれ違っても気づかないくらい普通の子だった、多分年下かな?」


「その時にちらりとでもさっきの話の子の事を思ったとか?」



「・・・わからない。」


「しかし廊下でとは、勇気あるなあ。」


「何かの罰ゲームかも。」


「そんな仕打ちをされる覚えがあるのかよ。」


「ない。多分、ない。」

「何て名前の子?」

「だから知らないって。」

「そっちじゃなくて、最初の子。ここに連れてきた子。」


「菊池七瀬さん。」

「七瀬さんか、いいじゃん。頑張れ。うれしい報告が聞きたい。」


「俺もしたい。」

小声だったけどそう言った。
本当の気持ちだ。


迫田の方は別れてからは時間が経ってるらしくて、最近は飲みに誘われてたくさんの出会いをしてるらしい。
そのうちそっちのほうが嬉しい報告をしてくるんじゃないかと思った。
勝つ気はしない。

一つ年下なのにな。

久しぶりにまた深く息ができた気がした。
何でだろうか、迫田といると何となく息ができる気がする。
安心する、とも違うような、よく分からないけど透明なアクリル板の存在を意識せずにいられる。そんな感じだ。


そして迫田に宣言してからも、なんとなくチャンスをうかがうようにしてたのに、なかなかそんなラッキーなタイミングも計れずにいた。

そんなタイミングをつかめたのはそれから二週間がたつ頃だった。


偶然駅までの帰りの道。ゆっくり歩いてる彼女を見つけた。


急ぎ足で追いついて、後ろから声をかけた。
びっくりして立ち止まり振り向いてくれた。

「お疲れ様。」

「お疲れ様です。」

ゆっくり笑顔になったけど、やっぱり距離があるとわかる。


「今日は寄り道なしで帰る予定?」

「特に予定はないです。安西さんは?」


そう聞いてもらえて、思い切って誘ってみた。

「なんだかお酒飲みたいなあって思って。もし疲れてなければ、一緒に、どうかな?」


そう言うだけでかなり緊張してしまった。
とても軽く誘うなんて感じじゃなかったと思う。

すぐに返事が来るより、びっくりした顔をされた。
本当に忘れてて、思い出してももらえないだろうか?
それともあれは社交辞令で誘いは想定外だっただろうか?

「じゃあ、私が奢ります。その約束でしたよね。」

そう言われたから、思い出してくれたらしい。
笑顔でそう言われて、自分の緊張が少しだけほぐれた。


「じゃあ、菊池さんのおすすめのお店でどう?」

「私のおすすめですか?あんまり・・・女性だけのお店で一人で食べれるところが多いので。一緒に選んでください。」


「じゃあ、そうしようか?」

お店はたくさんある。

駅の中を通りながら探して歩き、反対の出口まで来てみた。


「さっきの所でもいいみたいだけど、どう?」

「そうですね。賛成です。」


少しにぎやかなお店だったけど、黒板のメニューとお酒が美味しそうだったのだ。
お肉をもりもりと野菜も大胆に、そんなメニューの写真だった。


二人分の席を確保して落ち着いた。


オリジナルのカクテルを頼んで、乾杯する。

不思議と二人で向かい合うと距離が縮んだ気がするんだ。


「安西さん、最近私は残業が少ないんですが、大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ。」


そう思ってるような気配は時々感じてたし、聞かれたりもした。
嫌がらせをやめたんだ。
本当に今なら謝りたい。
自分が操作して金曜日の残業を作ってました、と。

言葉にはしないけど視線でそう伝えた。

じっと見つめてたから、何だろうと思ったかもしれない。
スッと視線をそらされた。

あ・・・やばい。

ゆっくり瞬きをして自分も横を向いた。


「この間、ずいぶん前だけど、ハンカチとお礼、ありがとう。逆に悪かったよね。」


「いいえ・・・・。」


ああ・・・思い出させただろうか、またまた反省すべきだった。


「この間久しぶりに大学の時からの友達と飲んだんだ。そいつが・・・・。」


あ・・・出した話題は全くふさわしい話題じゃなかったのに。
そう気がついて途中で止めてしまった。


「・・・どうしたんですか?」


急に話をやめて、それは気になるだろう。



「ああ、前に休学した話をしたよね。一つ下なんだけど、同級生になって、一番仲良くなったんだ。いろいろと愚痴を言い合って、励まし合って。あの頃と変わりないなあって思ってたんだ。四年もたってるのにね。」


少し話の方向は誤魔化せたと思う。
何を励まされたか、それは言えない。

「そう・・・ですね。安西さんが愚痴を言うのは想像できませんが。今も、何かありますか?」

「ない・・・かな?あるかな?そう言う菊池さんは?」

「私にだけ言わせようとしてますか?」


「あるなら聞きます。」


「ないです。」




「良かった。」

つい、本音が出た。
あれから時間が経っていろんなことが落ち着いたんだといいんだけど。

前よりは表情も明るくなってる気がしないでもないし。
それは残業が少ないせいかもしれないけど。

「お酒が入っても止まらなくなるくらいの愚痴がないんだったら、私たちはラッキーです。」

「そうだね。本当に。菊池さんと出会えたこともそうだしね。」

わざと本音を漏らした。それは本当にわざと。
軽く誘う、のついでのような軽口。意外にすんなり出たのは本心だったから。

「そうですか、そうだったらうれしいです。私も安西さんと出会えましたよ。」


知らない人が聞いたら付き合ってると思われるくらいの言葉のやり取りだけど、冗談だから、軽口だから。

ちょっとだけびっくりして止まった彼女もそう思ったんだろう、同じように返してくれた言葉だけど、うれしいし、満足したい、今は・・・今夜は。


「安西さん、休みの日は何をしてるんですか?」


「別に・・・・・適当に食事に行ったり買い物したり。映画にはたまに行くかな。」

「ジムとか、習い事とか、趣味で続けてることってありますか?」


「特にないよ。何かしてるの?」


「いいえ、私も全然です。何か始めようかと思って本屋さんに行ったんですが逆に多すぎて。一人でもできる趣味ってたくさんあるんだけど、多すぎて何を手にしていいのか分からないです。もともと自慢できるものもないんです。」


「そうだね、運動も嫌いじゃないけど、今はやってないし。自分でも何って言われると何もないなあ。」


「なんだか時間が無駄に過ぎていくようで、焦ってしまう気持ちもあって。」


「分かる気はするけど。僕もおすすめできるものはないし。」


「映画はどんなものを見ますか?」

「話題になりそうなのは何でもいい感じかな。恋愛物と実話以外だけどね。明らかに創作ってわかる方が単純に楽しめるんだ。」


「そうですね。やっぱりハッピーエンドがいいです。」


「よかったら誘って。さっき言ったもの以外は拘りないんだけど、一人で行くのに飽きたら声かけてくれたら、喜んで付き合うんだけど。」


さっきほど軽めの誘いって感じじゃないかもしれない。
明らかに週末特別な誘いだとわかるだろう。

誘われた彼女も何でだろうって思ってるかも。
『暇だから』だけの理由じゃおかしいよな。

お酒も飲み終わってる、料理も食べたし。


「少し外を歩かない?」

誘ってみた。

気まずくなるとこの後の仕事がやりにくくなるけど。
その時は忘れてもらおう。
気にしなくていいよって笑って言おう。

ちゃんと迫田に宣言したくらいは頑張ってみたいと思った。
あれからチャンスをうかがってたんだから。
やり遂げたいって思いが強い。


ゆっくり席を立ち、伝票を持って会計する。

奢りますって言った約束もすっかり忘れるくらい混乱させてるのだろうか。


会計が終わって後ろを見たら視線が合った。

ゆっくり前を向いてお店から出た。


駅から離れるように。
たくさんのビルの中、綺麗なビルが多くて、作られた緑は照明を浴びてこじんまりとしたスペースを作ってる。


ビルの合間でも静かな場所に出た。

通りも、ビルの玄関も逆に向いていて、知らないと誰も来ないかもしれない。
偶然だったけど、ここでいいかなって思って振り向いた。


唇を湿らせて、向き合った。


「さっき言ったことは本当の事なんだ。入社した春に菊池さんに出会えて、それが一番うれしかった。出会えたと言うかそこに一緒にいただけで話かけることもなかったけどね。菊池さんが異動してこなかったらきっと伝えることもできないままだったと思う。だから四月の人事異動に喜んだのは僕だけだったかもしれないね。」


こっちを見てる顔が本当にびっくりしてる表情だった。


「金曜日になると残業を頼まれることが多くて、本当は嫌がらせかなと思わなかった?」

首を振る彼女。

「ごめん、本当にごめんね。嫌がらせじゃなかったけど・・・・なんとか話をしたくてわざときっけを作りたくて、だからお願いしてたんだ。本当に謝りたい。あの夜には言えなかったけど、本当に申し訳なかったと反省したんだ。もうあきらめようとも思って・・・・。」

「ごめんね。」


顔は上げてもらえなかった。
ただ首を振られた。
どんな感情だろう?表情だろう?
怒ってるわけじゃないと思うけど。


「友達に会って、そんな話をして・・・・情けない愚痴だけど、励まされたのは本当。伝えるって宣言したんだ、だからここ最近チャンスがあったら誘おうって思ってた。でも迷惑だったら、忘れて。今まで通りでいい。今まで通りで、普通にしてもらいたい。」


首が揺れた。縦に・・・・分かったと・・・・そう言う返事だった。

そう判断して、ゆっくり息を吐いた。


「聞いてくれてありがとう。」

もっとちゃんと返事が欲しいと言うべきか。
でも顔も上がってない。
やっぱりそうそう上手くはいかない。


「明日も仕事だし、帰ろうか。」

平静なふりでそう言った。

そのままゆっくり彼女の横を過ぎて、歩き出した。


結局何も言われてない。
謝って伝えて・・・・逆に距離が開いたのかもしれない。


それは残念だったけど、しょうがない。


自分の気持ちは絶対無駄じゃない。
自分にとっては全く無駄じゃないし、伝えられたことも良かったと思ってる。

映画は一人で見に行っても楽しめるからいい。



ゆっくり前後で歩き、改札で別れた。
最後はその表情を見れた。

ただ、ちょっと距離があって、時間も短くて、特に何も伝わらなかった。


一人で電車に乗って携帯を出す。

『伝えられたけど、返事はなかった。しょうがない。ちょっとだけスッキリしたかもしれない。』


『普通返事はするよ。いきなりだったからだろう。そのうちあるかも。もう一度くらい伝えてもいいんじゃないか?はっきり断られるまでは可能性はあると思いたいけど。』


『そうだといいな。』

ただ、考えても、考えなくてもダメだった場合は改めては言わないだろう。
さすがに期待するよ。
友達からで・・・・、映画仲間からで・・・・、そんな返事でも満足するのに。

冗談のようにでも出会えたことがうれしかったと伝えられたことに満足しようと思ったのに。
それ以上を伝えたら返事が聞きたいと思ってしまう。
もし友達からと言われても、その時は喜んでもすぐにもっと違う関係をって欲を出すだろう。

三年も大人しくしてたのにな。

息を吐く。

自分と彼女の間にはどんな壁があるんだろう。
ちょっとだけ低くなったり、ひょいと飛び越えたり、でもやっぱりそこにはあると思う。
明日からそれが明らかに目に見えて厚く高くなってることがないように、そう願う。



次の日、普通に声をかけた。
表情を探らないように、笑顔で、いつもと同じように。


その表情を見るに、それほど彼女を悩ませることにはならなかったらしい。
それはちょっと残念だった。


休憩も今度は重ならないように、彼女が帰ってきてしばらくして自分が立つ、先週までのパターンとはあえて逆を行っていた。


そのうち慣れるだろう、お互いに。




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