精一杯背伸びしたら視界に入りますか?

羽月☆

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38 遊び心はほどほどに

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頭を撫でられながら眠っていたようだ、ぐっすりと。
珍しく自然と目が覚めて、目覚めもいい。
本当にここはよく眠れる。
ベッドがいいのか、隣にいる体に包まれている感じがいいのか、あるいは・・・疲れているか。

腰におかれた手は力なく伸ばされている。
まだ目が覚めてないみたい。

規則的な息が頭の上に聞こえる。
そろそろと胸に手を伸ばし鼓動を確かめる。
パジャマの上からは分からない。
あんまり動きたくはないけど、耳を寄せる様に顔をくっつけて私も手を腰においた。
寝息に合わせて動く胸。
白衣を着てる姿ばかり見てたから、こんなに暖かいなんて思ってもなかった。
昨日からすっかり馴染んだ自分の場所。
すっぽりと小さい私が収まる居心地のいい空間。
二つほど開けられたボタンから見えそうな肌。
暗いからよく分からないけど記憶を呼び起こす。
大人で色っぽかった。
少し体を上げてキスをする。

「ん、う・・・ん。」

少し気がついたようで腰に回ってた手に少し力が入った。
しばらく様子を見ても、また規則的な寝息に戻り起きた様子はない。
パジャマの下に手を入れて少しだけ、布地一枚分肌に近くなる。

小さく首筋や顎にキスをする。ばれないように小さく、軽く。
胸から手を動かして腰に移動する。
Tシャツの下の肌の温度を感じながら、何度も触れ合った大人の男性らしい体を思い出す。
パジャマの下の冒険を終えて腰からお尻へ。
足の指先を少しくっつけて触れ合いながら、手は明らかに女性の物とは違うお尻の感触を指先で軽く触れながら楽しんだ。

二日目の朝にして、早速近藤さんの体で遊べる余裕が持てた自分に満足していた。
しばらく目を閉じて胸にもたれてたら、頭の上で声がした。

「もう終わり?」

ビックリして余裕は吹き飛び、体を離して顔を上げてしまう。

なっ・・・!

「起きてたんですか?」

いつから?

「そりゃあ起きるって。茜ほど寝坊癖ないし、寝起きはいいし、何よりも敏感だから。キスされたり、さわさわと触
られて誘われて目を覚まさなきゃ、大好きな彼女にに失礼でしょう?」

「最初から起きてたんですか?」

「最初がどこだか分からないから、多分途中。」

見下ろされて見つめ合っていたのにいきなり体の上に乗せられて。ラッコ状態。
腰においた手が私のお尻に来る。丸く円を描くように撫でられる。

「茜、お尻好きなんだ?知らなかった。茜のお尻も可愛いし、気持ちいい。」

ゆっくり両手でお尻を撫でられる。
私はそんな触り方してないし。
ズボンのゴムを少し開けられて手が入り込んできた。
薄い下着の上から大きな手で撫でられる感触にゾワゾワとする。
ゆっくりと太ももを触られて時々内側にも指が触れる。
胸の上でうつ伏せで、されるがままで固まる私。
足の指先でズボンのすそを引っ張られてる気がする。
指が太腿の内側をさする度に何かを期待させられて。

手を首に巻き付ける様にして声を出す。

「ぁっ。」

吐息がもう我慢できない自分の期待を乗せて甘くなる。

ゆっくりズボンを下ろされると少し腰を浮かして自分から協力する。
最後はやっぱり近藤さんの足の指で下ろされた。

パジャマの上とキャミソールも一気に脱がされた。近藤さんもパジャマの下を脱ぐ。
腰の位置をずらして下着越しにもぴったりと合わされて軽くゆすられて声が出る。

「あぁっ、あぁぁっ。はぁ。」

ゆっくり動きを合わせて快感を深める。

「茜・・・・・。」

「近藤さん、あぁぁ、いい・・・・いい・・・・やぁ。」

「起きて、茜。」

体を起こしてぐっとくっついた場所を深める。

「はぁっ。」

強くゆすられてひときわ大きく声が出た。

「近藤さん・・・・気持ちいい・・・・。」

「俺も、動いて、茜。」

大きく前後に動く。自分の胸が揺れるのが分かる。

「はっ、はっ、はぁっ。」

腰をがっしりと掴まれてただ気持ちいい様に自分から動いて跳ねる様な動きになって一人でのぼりつめた。
近藤さんの胸に倒れ込んだらくるりと体を入れ替えられて下になる。

「・・・・近藤さん、脱いで。」

パジャマとTシャツを脱いでもらう。

「もっと。お願い。」

近藤さんが下着を取り、私も腰を上げて脱がしてもらった。
体を隙間なくくっつけて重なる瞬間がとても好きで。
首に手を回してぴったりと胸をくっつけた。

「茜、触れないよ。」

体をずらしながら胸に手が来る。

今何時なのか分からないけど、一日の始まりの時間帯。
キスをしながらお互いの体を遠慮なく触る。
暑くて布団をのけると冷えた汗に一瞬体が震える。
自分の中から一気に聞こえてきた水音に煽られるように、手の中で大きくそそり立ったものが欲しくなる。

「近藤さん」

自分の腰を寄せてくっつける様にすると気がついてくれたようで。

「待ってて。」

手慣れたように準備して私の足の間に入ってくる。

「はやく、はやく。」

足を巻き付ける様に腰に回す。

「茜、可愛いいよ。」

グッと腰を沈められた刺激にはまだまだ息が詰まる。
圧迫感に慣れると、じんわりと奥から快感が波打つように広がっていく。
自分で動いていた。

「はやく。」

自分でも恥ずかしさを通り越して呆れるくらい。欲しくて。

「近藤さん、好きなの。愛してる。」

「茜、好きだよ。俺も愛してる。」

そう言いながらも動いてくれなくて。もうめちゃくちゃに動いて一人で水音を鳴らした。

「何で・・・・・。」

涙出てきた。

動きを止めると自分の息遣いだけが聞こえてくる。

「何で?」

どうして動いてくれないの?
目を開けて目の前にある目に聞いた。

「気持ちいい。茜、最高だよ。今度は俺が動くから。」

ゆっくり動き始めてまた快感の波を感じ始めた。

「あっぁあっ、ぁあぁっ。」

それでもすぐに勢いがついて、近藤さんが起き上がりグッと太ももを持ち上げて激しい動きに変わった。強く深く。自分じゃできない動きに声が波打つ。
涙を流しながら首を振り声を出し続けた。

「もう、いい、いい、いきたい・・・・。」

「いいよ、いっていいいよ、・・・。」

声を上げながら目の前に来た大きな波に乗って持ち上がったような気がした。

「あぁぁぁっ。」

大きく声を上げて気持ちいい空間に放り出された。
震えが体を走った後、脱力してただただゆっくりと落ちて行った。
自分の中で近藤さんが震えるのを感じて、うれしくて目を閉じた。

すこしして目を開けるといつものように隣に近藤さんがいてこっちを見ていた。
恥ずかしくて胸に顔を伏せる。いつもと同じように髪を撫でられる。

「茜、気持ちいい。」耳元で言われる。

「すごく色っぽくなって来たね。一人でできるようになったし。」

首を振って恥ずかしいからやめてとアピールしたつもりなのに。

「凄かったよ。」

その一言すら聞きたくない。
耳を塞いで背中を向けて拒否。
後ろからゆるりと抱きしめられて。

自分でもよく分からないのに。欲しくて欲しくて。
寝起きにちょっと遊んだのがよくなかったのか。
もう思い返したくもないのに。
そのまましばらく沈黙して背中を向けていたけど、やっぱり向きを変えていつもの位置に滑り込んだ。

「どこか行こうか?天気いいらしいし。」

「デート?」

そう聞いたら一瞬びっくりしたけどそうだよと答えてくれた。
笑顔につられて嬉しそうに聞いた。

「どこに?」

「どこでもいいよ。行きたいところは?」

えっと・・・・いろいろと若菜ちゃんに惚気られて毎週デートの報告を聞いてたじゃない。
今こそ思い出すとき。でも・・・・。

「もう、若菜ちゃんにいろいろ聞いてたのに全然思い出せない・・・。」

「今まだ8時すぎだから。たっぷり夕方まで時間あるしな。」

のんびりとベッドの上え考えて・・・・・。

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