配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第6章239話:カウント

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ステージの上で倒れ、動かないルミ。

すぐさま審判がステージに上がって、ルミのそばに立つ。

「カウントを取ります!」

審判が告げた。

「10、9、8、」

10のカウントダウン。

数字が減っていく。

観客たちは、祈りを捧げた。

「頼む、チサトン!」

「勝ってくれ!!」

観客たちも、理解していた。

もうチサトンに戦う余力は残っていない。

ルミが起き上がってきたら、終わりだと。

だから祈る。

このまま、チサトンの勝利で終わってほしいと。

「7、6、5……」

カウントが減っていく。

あと5秒。

「4、3、2……」

想いがあった。

強さがあった。

激しいぶつかり合い。

この試合で、チサトンも、ルミも、自分の中の何かが、変わってしまうほどの衝撃だっただろう。

そんな素晴らしい戦い。

名勝負。

泣いても笑っても、あと2秒で、決着がつく。

「1……」

カウントが、最後の数字を刻む。

そのときだった。

「……!!」

ルミが、上体を起こした。

審判が、カウントを辞める。

チサトンは、受け入れたように、哀しげな微笑みを浮かべた。

「ルミ選手、まだ戦えますか?」

審判が尋ねる。

「はい。戦えます」

と、ルミは答えた。

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