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第6章215話:打開策
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……【絶花】が、ルミの放つ斬撃に押し負けた。
チサトンの胸に絶望がよぎる。
(もう絶花すら通用せんのか!?)
ルミの正真正銘の本気モード。
――――試合序盤、ルミがいまいち本気になれていないことにチサトンは気づいていたし、本気を引き出した上で倒したいとも思っていた。
だが……
まさか、ここまでとは思っていなかった。
現在のルミは、極まっていた。
次元が違いすぎる。
もはや、どうあがいても勝てる気がしない。
(攻める糸口が見当たらん。どうしたらいいんや?)
さらに何度か、ルミと打ち合う。
そのたびにチサトンは吹っ飛ばされ……体力を奪われる。
このままではジリ貧なのは、誰の目にも明らかだった。
(勝てる可能性があるとしたら……)
チサトンは、考える。
この劣勢をくつがえせるカードがあるとしたら。
一つだけ、心当たりがあった。
(無我の境地……)
剣士におけるゾーン状態。
無我の境地。
それならルミに迫れるか……?
(いや、アカン。それでも足らん)
無我の境地は、たしかに強い。
人間の眠っている力を引き出し、己の120%を発揮させてくれる理想状態。
しかし。
たとえ120%ですら、ルミには及ばないと思える。
無我の境地では、力不足だ。
「……」
一瞬、浮かんだ考えがあった。
【夢想剣】である。
無我の境地の、さらに奥にある到達点。
人間のリミットを外し、200%以上の力を無理やり引き出す状態。
夢想剣の境地に入れば、まるで夢を見ているかのように、剣士として望んだことが全て叶う。
その状態になれれば、この劣勢すら吹き飛ばせるかもしれない。
チサトンの胸に絶望がよぎる。
(もう絶花すら通用せんのか!?)
ルミの正真正銘の本気モード。
――――試合序盤、ルミがいまいち本気になれていないことにチサトンは気づいていたし、本気を引き出した上で倒したいとも思っていた。
だが……
まさか、ここまでとは思っていなかった。
現在のルミは、極まっていた。
次元が違いすぎる。
もはや、どうあがいても勝てる気がしない。
(攻める糸口が見当たらん。どうしたらいいんや?)
さらに何度か、ルミと打ち合う。
そのたびにチサトンは吹っ飛ばされ……体力を奪われる。
このままではジリ貧なのは、誰の目にも明らかだった。
(勝てる可能性があるとしたら……)
チサトンは、考える。
この劣勢をくつがえせるカードがあるとしたら。
一つだけ、心当たりがあった。
(無我の境地……)
剣士におけるゾーン状態。
無我の境地。
それならルミに迫れるか……?
(いや、アカン。それでも足らん)
無我の境地は、たしかに強い。
人間の眠っている力を引き出し、己の120%を発揮させてくれる理想状態。
しかし。
たとえ120%ですら、ルミには及ばないと思える。
無我の境地では、力不足だ。
「……」
一瞬、浮かんだ考えがあった。
【夢想剣】である。
無我の境地の、さらに奥にある到達点。
人間のリミットを外し、200%以上の力を無理やり引き出す状態。
夢想剣の境地に入れば、まるで夢を見ているかのように、剣士として望んだことが全て叶う。
その状態になれれば、この劣勢すら吹き飛ばせるかもしれない。
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