配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第6章205話:必殺技

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「ハァアアアアアアッ!!」

「くっ!!」

チサトンが3回転しながら放った斬撃。

回転によって乗せられた遠心力が炸裂し、ルミがズザザッと大きく後退させられる。

「ウチの本気、そろそろ見せたるで!」

「!!」

チサトンがその場に仁王立ちとなり。

刀を、天へと掲げた。

「習得に7年もかかった奥義や。受けてみぃ!」

チサトンの雰囲気が変わる。

不敵な笑み。

鬼気迫ききせまるようなオーラ。

かつてない最強の斬撃が繰り出されることが予想できた。

ルミは身構える。

「いくで!! 必殺剣ひっさつけん―――絶花ぜっか!」

次の瞬間。

チサトンの姿がかき消える。

しかし、ルミには、かすかに見えていた。

まるで雷が飛んでくるような――――

超エネルギーの激流が、ルミに向かって迫ってくることを。

ルミは慌てて防御に入る。

だが。

「あがあぁっ!!!?」

ズバアアァンッ!!

と、強烈な音とともに、

ルミは吹っ飛ばされた。

防御は間に合った。

しかし、防御ごと総身そうしんを打ち抜かれるような激しい衝撃。

もんどり打ち、地面をめちゃくちゃに転がる。

脳震盪のうしんとうを起こしたか、頭がぐわんぐわんと揺れた。

全身に突き抜けるような痛みと衝撃が走っている。



大歓声が巻き起こる。




「うおおおおおおおおおおおおおおお!」

「おおおおおおおおおおおおおお!!!」

「決まったああああああああああ!!!」

「チサトン、チサトン!!!」

「チサトンの勝利だ!!」

「すげええええええええええ!!!」

「必殺剣だ!」

「勝ったあああああああああああああああああ!!!」

「わああああああああああああああああ!!!」



まだチサトンは勝ってない。

まだルミは負けてない。

しかし、会場はもう勝ったような空気。

そう判断されても仕方ないような、とてつもない一撃であった。

ルミにも相当のダメージが入っていた。

ステージの床に寝転がったルミ。

倒れた敵に追撃を浴びせるのはルール違反なので、チサトンは攻撃をしてこない。

ルミは、

ゆっくりと、起き上がる。


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