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第5章183話:チサトン視点

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ルミは拍手喝采を浴びながら、控え室に戻る。

現在は午前。

午後にもう1試合あるので、しばらく待機だ。




<チサトン視点>

チサトンこと、千里は、控え室の椅子に座っていた。

モニター画面には2回戦・第2試合の映像が流れている。

しかし、それには目もくれず、千里は携帯に目を落としていた。

千里が見ているのは、ルミちゃんねるの配信である。

「なるほどなぁ……」

ぽつりとつぶやく。

携帯画面に映るのは、上級ダンジョンにて竜人王と激戦を繰り広げるルミの姿。

千里は、大阪大会が始まる前は、ルミのことはノーマークだった。

やたらと大会運営がプッシュしていることは知っていた。

しかし、ルミのチャンネル登録数は中堅レベルであるし、何より無名の選手。

アイドル的に運営が売り出そうとしているだけかと思っていた。

だが……違う。

ルミは、まさしくスーパールーキー。

ダンジョン配信界の超新星だ。

これほどの強者が、今の今まで無名だったことに驚きを感じる。

(いや、無名ではないんかな?)

ルミの正体は不明だ。

仮面をかぶっているので、顔がわからない。

名前も、ペンネームだろう。

もしかしたら無名と思っているだけで、実は中身はとんでもない有名人だったりするかもしれない。
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