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第5章168話:対戦カード
しおりを挟む貴誌村さんに映像が戻る。
彼女は言った。
「それでは、これより対戦カードを決めるくじ引きを行います。選手のみなさんは、順番にスタッフの方からくじを引き、中身を読み上げてください」
くじ引き箱を持ったスタッフが複数現れる。
ルミたち選手は、エントリーナンバー順に並んで、くじ引きをひいていくことになった。
引いたら、それは読み上げられて、リアルタイムで電光掲示板に反映される。
ちなみに。
――――メイは第1試合。
――――チサトンは第32試合(つまり大トリ)。
といったように、この二人だけは特別に、くじを引くまえから試合順が決まっている。
(私の対戦相手は……)
ルミは、くじを引く。
くじは丸められた紙であり、開くと、試合番号が書かれている。
ルミのくじには……
『第1試合』
と書かれていた。
スタッフが尋ねてくる。
「なんと書かれていましたか??」
「え、えっと……第1試合と」
ルミが答える。
スタッフが「ご愁傷様」と言いたげな顔をした。
電光掲示板に、デカデカと第1試合の対戦カードが表示される。
『第1試合 篠山メイvsルミ』
……と。
観客席から歓声があがった。
「おおーーーーーー!!」
「ついにメイの対戦相手が決まったか」
「ルミって誰や?」
「あれじゃね? 大会運営がやたらプッシュしてたやつだろ」
「強いの?」
「知らね」
「お前らルミちゃんねる知らねーのかよ! あいつめっちゃヤバイで!?」
歓声は観客だけではない。
ネットでもすぐさま情報が駆け巡る。
メイの対戦相手が確定したという、ただそれだけのことで。
SNSのあちこちでバズが発生した。
かくして。
ルミの1回戦の相手は、
篠山メイに決定したのだった。
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