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第5章164話:開会のあいさつ

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全員がステージに昇り終えると、開会の挨拶が始まった。

スクリーンに一人の女性の姿が映し出される。

初老の女性であった。


貴誌村『初めまして。大会運営の貴誌村きしむらと申します。本日は、大阪大会を無事に開催できて、喜ばしく思います』


貴誌村……

聞き覚えのある名前だ。

ああ、そういえば!

大会参加のメールを送ってきた運営の人が、そんな名前だった。



貴誌村『さっそく、大会ルールを説明します。大阪大会は、本日を含めた土・日・祝日の三日間にわたって行われます』

貴誌村『形式は、全64名の選手によるトーナメント形式』

貴誌村『1回戦は32試合、2回戦が16試合、3回戦が8試合、準々決勝が4試合、準決勝が2試合、決勝が1試合というスケジュールでございます』

貴誌村『1試合あたりの制限時間は10分とします。次の試合までのインターバルは5分』



つまり15分ごとに1試合を消化していくことになるわけだ。




貴誌村『なお、シードなどの制度はありません。全員が平等に1回戦から戦います』




シード権がないのか。

じゃあ、1回戦からいきなり強敵と当たることもあるんだね。


貴誌村『大会の対戦カードは、公平を期すため、このあとくじ引きによって決めていただきます。ですが、その前に―――――」

そこで、貴誌村は一拍置いた。

貴誌村『前大会優勝者・篠山メイ選手と、今大会の特別ゲスト・チサトン選手に、開会にあたっての挨拶をしていただきます。会場入り口をご覧ください』

その宣言があった後。

二人の選手が、会場入り口から入場してくる。

堂々たる風格をなびかせる着物姿の二人。


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