配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第5章155話:旅館

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「綺麗ですね」

ふと、窓際に立って、琵琶湖を眺める。

夕焼けに、夜のとばりが下り始めた時刻。

琵琶湖の湖面は、夕陽と夜の色に染まり、宝石を溶かしたような色をたたえている。

ルミは、自転車に乗って一日中走ったことで、多少汗をかいていた。

なので、食事の前にお風呂に入ることにした。

個室にお風呂がついているタイプの宿である。

さっそく入り、汗を流し、身体を洗う。

さっぱりした状態でお風呂を出る。





「あ、そうだ……!」

ルミは携帯を取り出した。

窓から眺められる琵琶湖を、パシャッと写真で撮る。

それをメッセンジャーアプリで、コトリに送った。

『琵琶湖に着きました』というメッセージつきで。

すると、すぐにメッセージが返ってきた。



コトリ『琵琶湖いいなぁ……! めちゃくちゃ綺麗じゃん!!』

コトリ『こっちはまだ鞘坂で待機中だよぉ……』



実はルミは、コトリに、一緒に大阪へ行かないかと誘っていた。

しかしコトリは「ルミちゃんの邪魔になるかもしれないから」といって、誘いを断っていた。

大会に出るルミの集中を妨げまいと、心配してくれたのだ。

まあ実際は、ルミは集中するどころか、こうして自転車旅行を満喫しているわけだから、一緒に行動してもよかったのではないかと思うのだが……。



ルミ『大阪についたら、一緒に大阪観光しましょう』

コトリ『おお、いいね!』

コトリ『でも、観光するなら大会が終わった後のほうがいいかな? そのほうが満喫できるよね!』

ルミ『まあ、そうですね』



ルミとしてはどっちでも良かったが、これもコトリの気遣いだろう。

素直に賛成することにした。


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