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第4章139話:他者視点

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<坊主頭&角刈り視点>

――――鞘坂ダンジョン。

洞窟のようなダンジョンであり、その名の通り、鞘坂にあるダンジョンだが、このダンジョンには特徴がある。

ダンジョンは普通、ダンジョンボスを討伐すると消滅する。

しかし鞘坂ダンジョンは、ボスを倒しても消えない【非消滅ダンジョン】であると知られている。

ボスは存在するが、討伐しても、1日経てばリポップするのだ。

さらに、鞘坂ダンジョンは難易度別に複数のダンジョンが存在する。

【鞘坂第一ダンジョン】は初心者向け。

【鞘坂第二ダンジョン】は中級者向け。

【鞘坂第三ダンジョン】は上級者向け。

……である。

坊主頭の男と、角刈りの男である。

以下、「坊主頭」「角刈り」と称することにする。

彼らは、鞘坂第三ダンジョンにやってきていた。

鞘坂第三ダンジョンは【鞘坂第一ダンジョン】【鞘坂第二ダンジョン】を踏破し、探索にこなれてきた上級者やベテランがチャレンジするダンジョンだ。

難易度は高め。

このあたりから、ダンジョンを攻略する探索者の数はめっきり減り始める。

年に5~10名ほどが、ほんの数回チャレンジするだけだ。

坊主頭と角刈りは、そんな第三ダンジョンの数少ない探索者ペアであった。

彼らは、第三ダンジョンの2Fを歩いていた。

歯ごたえのある敵を斬り殺して、素材をゲットする。

このダンジョンの敵ならば、ほんの10匹狩るだけでも1ヶ月は生活できる収入が手に入る。

そろそろ二人のアイテムバッグも一杯になってきたころだった。

潮時だ。

「おい、そろそろバッグも限界だ。帰り支度をするぞ」

坊主頭が言った。

しかし角刈りはあさっての方向を見ている。

角刈りは言った。

「なあ、あそこ、部屋じゃないか? 岩に隠れてて見えにくいけどさ」

「ん? どれどれ……ああ、ほんとだ。部屋があるな」

坊主頭が肯定する。

角刈りの言う通り、岩陰に隠れて見えにくいが、確かに部屋の入り口があった。
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