配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第3章82話:素材

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来花がそのとき、補足するように言った。

「あ……うちの配信ではね、そういう話もすごく参考になるのよ。あたしは恥ずかしながら、天才じゃなくて、努力の人で……コツコツ強くなっていくところをリスナーに見せる、というコンセプトで配信をやってるから」

「なるほど……」

素晴らしいコンセプトだ。

「ええ。だから、いろいろ話を聞かせてもらえると嬉しいわ。うちのリスナーさんたちの参考にもなるから」

「そういうことなら、喜んで。私に話せることでしたら、お話しますよ」

「ありがとう。じゃあ――――」

そこから来花がいろいろと聞いてくる。

会話が弾む。

ルミはそれほど人と話すのが得意ではない。

しかし来花は聞き上手であり、間断なく質問を投げて、会話を弾ませた。

小気味よいトークであり、リスナーだけでなく、ルミまでも楽しい気分になってくる。

と、そのとき。

魔物―――インプが出てきた。

「邪魔ですね」

そうつぶやいたルミは、一瞬で近づいて殴り殺す。

瞬殺されたインプ。

来花が驚く。

次いで、苦笑した。

「なんというか……本当に瞬殺なのね」

「え? ええ、まあ」

言いつつ、倒したインプの横を通り過ぎようとする。

「素材は拾わないの?」

「えっと、まあ、ここに来るまでに素材は拾ってきましたから」

ルミも初回の配信から反省をした。

今では、素材を全無視するなどという暴挙には出ていない。

良いと思った素材は積極的に拾っていくことにしている。

とはいっても、素材の価値などわからないので、レアっぽい素材を直感で拾っているだけだが。


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