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第1章21話:大部屋制圧

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さて、大量のドラゴンウルフにエンカウントするという、常人なら発狂するような状況であるが――――

ルミは余裕の微笑みを浮かべていた。

「まあ、邪魔になるなら叩くまでですね」

次の瞬間、彼女は一番近くにいたドラゴンウルフを殴り飛ばした。

さらに続けざまに二匹目を蹴り殺す。

楽々とドラゴンウルフを蹴散らしながら、敵中深くまで入り込んでいくルミ。

「グルルルルウッ!!」

そのときドラゴンウルフたちがブレスを吐こうとした。

ルミは告げる。

「ブレス攻撃? いいんですか? 味方に当たってしまいますよ?」

これだけ密集した状態で、ドラゴンブレスを吐いたら、他のドラゴンウルフに当たってしまうのは確実だ。

ルミの言葉を理解したのか、あるいは自身で思い至ったか、ドラゴンウルフたちは苛立ちを含んだ様子でブレスを諦めた。

そこからはもう、乱戦である。

いや、これを戦闘と呼んでいいのだろうか?

ほとんどルミが一方的に、ドラゴンウルフを蹂躙しているだけだ。

ドラゴンウルフにとっては悪夢のような光景だっただろう。

たった一人の敵を止められない。

それどころか、圧倒され、次々と仲間がやられていく。

知性のない獣ですら、自分の置かれた立場というものを理解しただろう。

半分ぐらい死んだあたりで、戦場から逃亡するドラゴンウルフも出始めた。



同接60万にさしかかろうとしていたリスナーたちも、大盛り上がりである。



『ルミやべえwwww』

『とんでもない配信だな』

『ドラゴンウルフ湧きすぎやろwwww』

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

『かつて存在したことがない光景w』

『ドラゴンウルフを相手に大乱闘wwwwwww』

『最後の最後で祭りやんけwwwwwww』

『こんな状況、普通なら絶望するのに……』

『雑魚がどれだけいても、ルミの敵にはならんwwww』

『ドラゴンウルフの群れを圧倒!?wwwww』

『蹂躙してて草』

『ここ大部屋だったっけ? なんか地形変わってない?』

『剣使えよw』

『素手で殴り殺すという手加減wwwww』

『この配信主、やりたい放題やなw』

『いけええええええええええええ! ぶっ潰せえええええええええええええwww』



まるでお祭りのような時間が過ぎ去っていく。




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