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第8章570話:王都の騒乱63
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『ジルガーンを召喚したのはイリスフォルテ。アレックスの暴走を画策したのもイリスフォルテよ』
「なっ―――――」
私は衝撃を受ける。
シエラ様の発言が本当ならば、王都で起こっている騒動の元凶は、イリスフォルテということになる。
『いくらなんでも、今回のイリスフォルテの介入は行き過ぎている。だからバランスを取るために、あたしも現世に介入することにしたわ』
なるほど……
しかし、僥倖だ。
精霊であるシエラ様が動いてくれるなら、きっとなんとかなる。
そんな確信が持てた。
『だから、あなたはあなたの成すべきことに集中なさい。王都のほうで暴れている魔物は、私がなんとかするわ』
「承知いたしました。よろしくお願いいたします」
シエラ様の気配が消えていく。
私は錬金術に集中する。
「がっ―――――!?」
そのときミジェラ女王の苦悶の声が聞こえてくる。
アレックスに蹴り飛ばされたミジェラ女王が、膝をつく。
「どうしたのですか母上? さっきまでの威勢が感じられないようですが」
とアレックスはせせら笑う。
ミジェラ女王が立ち上がりながら、アレックスを睨みつける。
「舐めるな。まだ勝負はついていない」
「くくく。もうフラフラではないですか。さっさとラクにしてさしあげますよ」
アレックスは言いながら、ミジェラ女王に高速で接近する。
ミジェラ女王は防御の構えを取るが、アレックスはお構いなしに攻撃を放つ。
「ぐっ!!」
アレックスの攻撃は重い。
右腕に持ったブレード一本で、両手で槍を構えるミジェラ女王を押している。
防御の上からでも圧力が伝わり、ミジェラ女王が苦悶に顔をゆがめる。
「なっ―――――」
私は衝撃を受ける。
シエラ様の発言が本当ならば、王都で起こっている騒動の元凶は、イリスフォルテということになる。
『いくらなんでも、今回のイリスフォルテの介入は行き過ぎている。だからバランスを取るために、あたしも現世に介入することにしたわ』
なるほど……
しかし、僥倖だ。
精霊であるシエラ様が動いてくれるなら、きっとなんとかなる。
そんな確信が持てた。
『だから、あなたはあなたの成すべきことに集中なさい。王都のほうで暴れている魔物は、私がなんとかするわ』
「承知いたしました。よろしくお願いいたします」
シエラ様の気配が消えていく。
私は錬金術に集中する。
「がっ―――――!?」
そのときミジェラ女王の苦悶の声が聞こえてくる。
アレックスに蹴り飛ばされたミジェラ女王が、膝をつく。
「どうしたのですか母上? さっきまでの威勢が感じられないようですが」
とアレックスはせせら笑う。
ミジェラ女王が立ち上がりながら、アレックスを睨みつける。
「舐めるな。まだ勝負はついていない」
「くくく。もうフラフラではないですか。さっさとラクにしてさしあげますよ」
アレックスは言いながら、ミジェラ女王に高速で接近する。
ミジェラ女王は防御の構えを取るが、アレックスはお構いなしに攻撃を放つ。
「ぐっ!!」
アレックスの攻撃は重い。
右腕に持ったブレード一本で、両手で槍を構えるミジェラ女王を押している。
防御の上からでも圧力が伝わり、ミジェラ女王が苦悶に顔をゆがめる。
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