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第8章548話:王都の騒乱41

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私は一人、街路を駆けていく。

中央広場が近づいてきた。

瓦礫がれき残骸ざんがい、砕けた石畳いしだたみなど、無残な光景が広がっている。

魔物がいた。

1匹のオークである。

オークは私を発見するなり、素早く近づいてきた。

オークとは思えない滑らかな移動。

しかし私は、その動きに完璧に合わせて、カウンターの斬撃を放つ。

斬撃はオークの首をとらえ、ね飛ばす。

血を払ったあと、私はまた走り出す。

それから少し進んだところに、倒れた人影を発見した。

リファリネスである。

「リファリネス!!」

私は声をあげながら近づく。

リファリネスは倒れていた。

一瞬、死んでいるのかと思ってゾッとしたが……息遣いきづかいがある。

どうやら気を失っているだけのようだ。

しかし全身がボロボロだ。

よほどアレックスとの戦いが激しかったのだろうと想像できる。

(リファリネスがやられるなんて……)

やはりアレックスは、相当強くなっているようだ。

気を引き締めて勝負を挑まなければならない。

ただ……その前に、リファリネスを安全な場所へと移動させなければ。

どうしようかと思っていると、声を掛けてくる者がいた。

「ルチル?」

振り返る。

立っていたのはルビーロッドである。

背後に兵隊を連れている。

「ルビーロッド……あなた、いったい何をして?」

「それはこちらのセリフじゃ。こんなところに一人で何をしておる?」

「わたくしは、アレックスのもとへ向かっているのですわ。彼がわたくしとの一騎打ちを望んでいると、【浸透声】でお聞きになったでしょう?」

「……そういえば、そんなことを言っておったな。あのバカ王子は」

とルビーロッドは、心底アレックスを嫌悪するような声で、つぶやいた。
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