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第8章537話:王都の騒乱30

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あと一匹。

「ハァアアアッ!!」

とラクティアが声をあげて魔法を発動する。

聖属性魔法せいぞくせいまほう連弾れんだんが炸裂し、フランカと戦っていた闇兵士長に飛来した。

「!?」

闇兵士長は攻撃をなんとか回避しようとする。

魔法弾の一つ、二つは回避できたが、三つ目が足に直撃した。

闇兵士長が膝をつく。

そこにフランカがバトルアックスを振り上げ――――

えいッ!!!」

と喝破の声をあげて、振り下ろす。

バトルアックスがまるでギロチンのごとく、闇兵士長の首をスパッとね飛ばした。

もちろん絶命である。

これで2体の闇兵士長を処理することはできた。

「ありがとうございます。助かりました!」

とフランカが告げた。

「ルチル様たちも、ジルガーンを討伐なされたんですね」

とエドゥアルトが言ってくる。

「ええ。手強てごわい相手でしたが、なんとか倒しきることができましたわ。……おっと。ジルガーンの遺体は回収しておきましょうか」

私は倒れたジルガーンの遺体をアイテムバッグへと収納した。

さらに私はレオンたちを振り返って告げる。

「あとで遺体は国へと献上します。その際、レオンとラクティアの活躍についても報告いたしますわ。褒賞ほうしょうを期待しておきなさい」

するとレオンとラクティアが微妙な顔をして答えた。

「……俺たちよりも、あんたが一番活躍しただろう? 正直ジルガーンを倒したのは、自分の手柄だとは思えねえ」

「私も実感がありません……」

「何を言ってるんですの? あなたたちの力がなければ、ジルガーンをあんなに早く討伐することはできなかったはずですわよ」

ジルガーン第二形態の凄まじさを味わう前に、倒しきることができたのは、聖剣士・聖巫女の助力があってのことだ。

国へ報告する際には、レオンたちの貢献をきちんと伝えておかなければいけない。
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