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第8章513話:王都の騒乱6
しおりを挟む学園へと向かう。
途中に現れた闇兵士や闇騎士、魔獣などは、討伐していく。
やがて、学園まであと少しといったところまで来たとき。
ラクティアの姿があった。
街路で、倒れた人の手当てをしているようだ。
手当てが終わったところを見計らって、私は声をかけた。
「ラクティアさん」
「はい? あ、ルチル様!」
「あなたに用がありましたの」
「御用、ですか」
とラクティアが首をかしげた。
「いま、王都が大変になっておりますわよね。この現象は、大魔将ジルガーンという魔物によって引き起こされたものですわ」
「ジルガーン……」
「あとはまあ、わたくしの婚約者・アレックスも暴れているようですが……」
アレックスのことに触れると、ラクティアが尋ねてきた。
「さきほど私にも、アレックス様の声が聞こえました。いったい何があったのでしょうか?」
「わたくしにもわかりかねますわ。しかし【浸透声】を使っているところからすると、あの声はアレックス本人ではない可能性があります。アレックスは浸透声を使うことができませんもの」
「アレックス様のなりますし、ということでしょうか」
「はい。……ただ、なりすましではなかった場合、アレックスが暴走状態になったという可能性もありますわ」
通常、人間は魔力暴走を引き起こすことはない。
しかし、スヴァルコアと呼ばれるアイテムを用いることで、例外的に魔力を覚醒させることができる。
アレックスがもし、スヴァルコアによって魔力を暴走してしまったのだとしたら……
浸透声などのような上級魔法を、アレックスが使えたとしても不思議ではない。
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