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第8章509話:王都の騒乱2
しおりを挟む「ひっ!!」
貴婦人は立ち止まった。
「いけない!!」
私はすぐさま駆け出した。
アイテムバッグから剣を取り出す。
横から闇騎士を攻撃する。
「グォオオオオオオ!!?」
闇騎士が悲鳴を上げて倒れる。
なんとか一撃で仕留めることができたようだ。
「大丈夫ですかしら?」
と私は貴婦人に声をかける。
「は、はい。ありがとうございます……!」
「早く安全な場所にお逃げになりなさい。王城へ向かうのがいいと思いますわ」
「はい……!」
と貴婦人がうなずき、駆けていく。
エドゥアルトたちが近づいてきた。
フランカが疑問を口にする。
「今の……召喚魔法陣でしたよね? 誰かが、あの魔物たちを召喚したということですか!?」
闇色の騎士は召喚魔法陣から現れた。
他の闇兵士たちも、同じく召喚陣から出現したのだろう。
「しかし……術者の気配はありませんね」
とリファリネスが周囲を見回しながら、つぶやく。
「……」
私は、険しい表情を浮かべた。
なぜなら、この魔物兵士たちには見覚えがあったからだ。
(これは、まさか……ラスボスの軍団兵じゃ……?)
ゲームにおけるラスボス。
名前は『大魔将ジルガーン』。
ラスボスなので非常に強いボスだが、厄介なのは、手下となって動く魔物を召喚することができるところだ。
兵士、騎士、魔獣などを召喚し、暴れさせることができる。
そして、ジルガーンの操っていた闇色の兵士や騎士と、眼前の魔物兵士たちのビジュアルがそっくりなのだ。
『ルチル』
と、声をかけてきた存在があった。
シエラ様である。
「シエラ様!?」
『伝えておかなきゃいけないことがあるわ。王都の外……そこに、魔物がいる』
「魔物、ですか」
『とんでもない魔物よ。すさまじい魔力を保有しているわ』
それはまさか……
大魔将ジルガーン!?
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