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第8章508話:王都の騒乱
しおりを挟む<ルチル視点>
突如、王都全域に広がったアレックスの演説。
王都の貴族街にあるカフェで、お茶をしていた私は、驚愕していた。
慌ててカフェを出る。
「さあ出て来い! まだ私の覚悟が伝わらないか? ならば――――――こうだ!!」
アレックスの声。
すると遠くで、2つのハリケーンが発生しているのが見えた。
貴族街は少し高い位置に存在するので、城下町の様子がよく見えるのだ。
王都の中に2つの竜巻が荒れ狂っている。
「竜巻魔法!? まさかアレックスが……!?」
信じられない想いで、私はハリケーンを見つめた。
「ルチル様……これはいったい……」
とエドゥアルトも呆然としている。
フランカも絶句し、リファリネスも困惑の色を浮かべていた。
そのとき。
「うわああああああああああ!!?」
「きゃあああああ!?」
「へ、兵士か!!?」
「いえ、兵士じゃなくて魔物よ! 魔物が貴族街に!」
と悲鳴が聞こえてきた。
すぐさま視線を向けると、どういうわけか闇色の鎧に身を包んだ兵士たちが、人々を襲っているところだった。
兵士たちは兜を身につけているが、兜の下にうかがえる顔は、確かに人間のものではない。
魔物である。
「なっ!? いったい何が!?」
とフランカが驚きの声を上げる。
「とにかく魔物を倒しますわよ!」
「は、はい!」
「了解です」
とエドゥアルトたちが返事をした。
私たちは闇色の兵士たちを殲滅する。
そこそこ戦闘能力の高い魔物兵士のようだが、私たちの敵ではなかった。
と、そのとき。
――――1人の婦人がいた。
貴族の女性である。
その貴婦人は逃げていたのだが、彼女の逃げる先に、突如として魔法陣が出現する。
召喚魔法陣だ。
その魔法陣の中から、闇色の鎧を来た3メートルの騎士が現れる。
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