グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第8章497話:アレックス視点2

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アレックスは牢に戻った。

ベッドのふちに座り込む。

ほどなくして食事が運び込まれた。

質素な食事だ。

ライ麦パン。

スープ。

干し肉。

サラダ。

身体を壊さないように、栄養バランスだけは最低限、考えられている。

とはいえ味のほうは全く期待できないし、王宮の食事に比べれば、ゴミみたいなものである。

こんな食事を最低でも、あと半年も食べなければいけないと思ったら、発狂したくなる気分だった。

(チクショウッ!!)

叫びたくなるような思いで、歯ぎしりする。

そして、ルチルへの憎しみが増幅する。

アレックスは、牢屋生活でストレスを感じるたびに、ルチルへの憎しみが増していった。

なぜなら自分をこんな境遇に追い込んだのはルチルだと思っているからだ。

そのため、元々嫌いだったルチルのことが、かつてないレベルで嫌悪するようになっていた。

(ルチルさえ……ルチルさえいなければ……)

ルチルさえいなければ、こんな目に遭っていない。

ルチルさえいなければ。

ルチルめ。

ルチルめ。

ルチルめ。

絶対に殺す。

殺す。殺す。殺す……!!

許しはしない。

牢屋を出たら、どんな手を使っても、復讐してやる。

(ルチル……ッ!!!)

アレックスが狂犬のように怒りの表情を浮かべた……そのとき。

「アレックス様!」

と女の声がした。

アレックスは顔を上げる。

檻の向こうに、アレックスの愛する女性―――――ゼリスの姿があった。
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