グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第8章487話:ルビーロッド

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「では、私は失礼する」

クラウス殿下との話が終わる。

殿下が去っていく。

私も立ち去ろうとした。

しかし。

「……!」

視界の端に、こちらを見つめる女がいた。

ルビーロッドである。

彼女は私に近づいてきた。

「久しぶりじゃな」

と声を掛けてくる。

なんだか今日は、いろいろな人とよく会うな……と私は思いつつ、尋ねた。

「……何か用ですの?」

ルビーロッドが答える。

「戦争で活躍したらしいではないか。ゆえに祝辞を述べに来てやったのじゃ」

「それはどうも」

と私は答えた。

ルビーロッドは面白くなさそうに告げる。

「おぬしが英雄と呼ばれるようになってから、学園はおぬしの話で持ちきりじゃった。おぬしに突っかかってきたわらわなんぞは、肩身かたみの狭い思いをしておるわ」

「ふふ、自業自得ですわね? 今後わたくしのことは、神のごとく崇めることですわ」

と得意げな顔をしてやった。

するとルビーロッドは、心底イヤそうな顔をした。

「おぬしを崇めるぐらいなら、首を釣って死んでやろう。……しかし、崇めるつもりはないが、仲良くするつもりはある」

「!?」

私は驚いた。

ルビーロッドが……私と、仲良くしたい?

口が裂けてもそんなことは言わなさそうなのに。

いったいどういう心境の変化か?

ルビーロッドが説明する。

「父上に言われたのじゃ。ミアストーン家とは仲良くしておけとな」

「あ、ああ……」

なるほど。

実家の意向ということか。

「じゃからまあ、大変不服ではあるが……今後、よろしく頼む」

とルビーロッドが本当に不服そうな顔で言ってきた。

私は苦笑してしまう。

するとルビーロッドがにらんできた。

「何を笑っておる?」

「いいえ。別に」

と私は応じる。
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