グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第8章486話:殿下3

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「もしかすると、女王陛下はアレックスを次期国王じきこくおうとしてお認めにならないかもしれませんわ」

と私は推測を述べた。

たとえ、かんこうれいいていても、人の口に戸は立てられない。

前科者の第一王子……というステータスは、永遠について回る。

それがわかっていて、女王が監獄かんごくおくりをもうわたしたということは……アレックスへの王位継承を考えていないのかもしれない。

「クラウス殿下からすれば、ある意味、たなぼたですわね。わたくしもアレックスより、殿下のほうが国王に向いていると思いますもの」

「……私は、王になどなるつもりはないのだが」

クラウス殿下は、本当にうんざりしてそうな顔である。

私は苦笑しながら言った。

「少なくとも、アレックスが王となっても混乱がもたらされるだけでしょう。……ですから、お覚悟はなさっておいたほうがよろしいのではなくて?」

クラウス殿下はため息をついていた。

そして話を切り替えるように告げた。

「しかし……それだけアレックスに手厳しい意見を述べるぐらいだから、君がアレックスに婚約破棄を突きつけたというのは、事実のようだな」

「はい、事実ですわ。アレックス本人に直接伝えたわけではなく、ミジェラ女王に具申ぐしんした形ですが」

「そうか。まあ、婚約破棄は当然だろう。私も、君の決断を支持しよう」

「……ありがとうございます」

と私は礼を述べた。

婚約破棄に関しては、良くも悪くも、政治の勢力図が変わる。

今回の婚約破棄をって、私やミアストーン家と敵対する勢力もいるだろう。

だから支持してくれる味方は多いほうがいい。

特にクラウス殿下のような、まさに王家の中の人間とは、仲良くしておきたいところである。
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