グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第8章476話:聖巫女

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翌日。

引き続き、屋敷に訪問者が現れる。

今度は聖女さまだ。

神殿で出会って以来、一度も会っていなかった聖女ユリール。

私が王都に帰ってきたのを見計みはからい、会いにきたようである。

しかし、驚いたことがあった。

それはユリールが一人ではなかったことだ。

なんとラクティアを連れていたのである。

――――以前に聖女ユリールに会ったとき、ラクティアの存在については伝えておいた。

あれからユリールはラクティアを神殿に招き、薫陶くんとうを授けたようであった。

「本日はまさに、このラクティアの件でご報告に参りました」

とユリールは告げた。

「ルチル様がお教えくださったように、このラクティアには、聖魔導師としてのたぐいまれなる才能がありました。既に【聖巫女せいみこ】として覚醒し、なおも成長を続けております」

「え!? もう聖女になったんですか!?」

「はい」

聖巫女とは、聖女のことである。

一般に聖女と呼ばれている職業は、適性職てきせいしょくでいうと【聖巫女】のことである。

そして【聖巫女】は、適性職【聖魔導師せいまどうし】から進化することで成ることができる。

しかし誰でも進化できるわけではない。

恵まれた素質と研鑽けんさんが必要なのである。

そのため、たいていの者は一生【聖魔導師】のままで終わり、聖巫女になることはない。

だがラクティアは、とっくに聖巫女へと進化を遂げたという。

私がユリールにラクティアの存在を教えてから、ほんの数ヶ月のあいだに……

「ラクティアは私を越える勢いです。もう教えられることもなくなってきましたし、そろそろ代替だいがわりを考える時期かもしれません」

ユリールはそう告げる。

ラクティアは相当に優秀なようだ。

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