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第7章430話:領地11
しおりを挟む3日後。
私は、税金の減税プランをまとめた。
まず領民税の税率を40%に引き下げる。
そこから35%、30%、25%……と段階的に引き下げていくプランである。
税金は取りすぎてもいけないが。
下げすぎてもいけない。
どこまで税金を引き下げるか……そのちょうどいいポイントを、領地経営をしながら探っていくことになるだろう。
(ひとまず40%に引き下げることを、領民に発表しよう)
そう私は決心する。
ついでに、私がオーギュストに代わって、新たな統治者になったことも発表したい。
だから領民に、
『1週間後。領都の中央広場にて、新領主による重大発表アリ』
との告知を、方々へ出しておく。
あとは演説の台本を考えておくだけだ。
1週間後。
昼。
晴れ。
領都の中央広場にて。
たくさんの人だかりが、中央広場に集まっていた。
『新領主による重大発表』を聞きに訪れた者たちだ。
私は用意された講壇のうえにのぼる。
エドゥアルトとフランカは、壇の下に待機させる。
登壇した私。
【拡声の魔石】を手にもって、演説を開始する。
「領都のみなさん、はじめまして。本日はお集まりいただき、ありがとうございます」
私は告げる。
「わたくしは、新しい領主となったルチル・フォン・ミアストーンですわ。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、わたくしは、クランネル王国の貴族です。今後、前領主にして前大公・オーギュストに代わって、わたくしが、この領地を治めることになります。以後お見知りおきを」
ぱらぱらと、いくらかの拍手が起こった。
しかし、多くの民衆は曇った顔をしている。
クランネルからやってきた者が、新しい領主になるなんて、さぞ不安であろう。
私の演説の目的は、その不安を和らげることにある。
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