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第7章429話:領地10

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たとえば、領主が技術開発ぎじゅつかいはつのために税金をとうじる。

そうして開発できた技術を、職人に提供したとする。

職人が、その新しい技術を使って仕事をすれば、たくさん儲けることができ……

領主へ納める税金もアップする。

そして領主は、増えた税金を使って、また新たな技術を開発する。

そしてその技術を職人に提供し……

以後ループだ。





領主は技術開発のために税金を使えば、結果的に、大きな税収となって帰ってくる。

その税収を、また技術開発の為に使えば、また大きな税収となって帰ってくる。

このスパイラルによって、領主は、税金を投じれば投じるほど、豊かになっていくのだ。

これが理想的な領地経営である。





逆に、目先の利益を追い求めて、領民に重税をしたり……

大量に搾取した税収を、領主が自分のためだけに使ったりすると、領地は発展しないばかりか、どんどん貧しくなる。

最終的には農民や職人が逃げ出したり、働く気力を失って、税収が激減げきげん

領地の破綻はたんまねくことにもなりかねない。





だから、まずは税金を30%まで引き下げる。

可能であれば20%以下を目指して、領地経営をしていきたいところだ。

(でも、まあ、すぐに大幅減税おおはばげんぜいとはいかないから、段階的に減税していく感じになるだろうね)

私は頭の中で、税金の削減プランを考えていくのだった。
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