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第7章417話:将来について

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ベアール将軍が尋ねてくる。

「なぜでしょう?」

「……お忘れでしょうか。わたくしは、アレックスの婚約者ですわ。将来は王妃になる予定です」

「……ああ」

とベアール将軍は納得する。

「アレックス殿下……か」

ベアール将軍は露骨に顔をしかめた。

私は苦笑する。

「くすくす。わたくしの将来の夫は、あなたにずいぶんと嫌われてしまったようですわね」

「いえ……そういうわけではありません」

とベアール将軍は否定したが。

明らかに建前である。

アレックスがネキア中隊長にしたことを考えれば、ベアール将軍が彼を嫌うのは当然だろう。

私は告げた。

「まあわたくしも、今回のことで婚約を見直すかもしれませんけれど」

「……さようですか」

とベアール将軍は、さして驚いたふうもなかった。

私はさらに告げる。

「ちなみに、戦勝せんしょうパーティーのおりに、女王陛下がおっしゃっていたことですが……アレックスは、厳しい処罰を受けるそうですわ」

「厳しい処罰」

「ええ。内容はわかりかねますが、なさ容赦ようしゃのない処断しょだんくだることは、想像にかたくありませんわね。なにしろ陛下ですもの」

私の言葉に、ベアール将軍が微笑んだ。

「だとしたら、ネキアの気持ちも浮かばれますな。……いえ、あいつは優しいヤツですから、むしろ殿下を心配するかもしれませんが」

「そのときは、心配などする必要はない、とお伝えくださいませ。今回のことは、アレックスの自業自得じごうじとくですもの」

と私は微笑みながら告げた。
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