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第7章416話:葬儀
しおりを挟むさて、ジルフィンド地方へ着任する準備は整った。
しかし。
その前に。
クランネル王国で参加すべき行事があった。
葬儀だ。
王都のはずれ。
遠くに森と岩山を眺められる丘。
墓石が立ち並ぶ―――墓地。
この日、戦争において死んでいった戦死者たちの葬儀をおこなっていた。
「……」
葬儀に参列する者たちは、さまざまだ。
私、
エドゥアルトやフランカ、
シャルティアさん、ホーヴァンさん、
魔法銃撃隊、
ベアール将軍、
その他、戦争に参加した者たち。
さらには王族、軍人貴族など、さまざまな人々によって、長蛇の葬列ができている。
ミジェラ女王が数歩、前に出て、静かに告げる。
「皆々、黙祷せよ」
目を閉じ、各々が祈りを捧げる。
戦《いくさ》で果てていった者たちの追悼をおこなう。
戦没者の魂が安らかな眠りにつくように。
一陣の風が吹きぬけて。
丘の草木をやわらかく撫でた。
葬儀のあと。
丘の去り、王都の手前まで戻って来たところで。
「少しだけ、お時間をいただけないでしょうか」
とベアール将軍に話しかけられた。
喪服を着ているベアール将軍。
だが、やはり独特の威圧感がある。
私は言った。
「構いませんわ。……なんでしょうか?」
「あなたは将来、軍の道を進まれるのでしょうか?」
とベアール将軍が尋ねてきた。
彼女は、続ける
「ルチル様が将軍や司令官となるのであれば、この国の軍事は磐石になると考えます。是非、腹心をお聞かせ願いたい」
「いいえ、わたくしは軍職に就くつもりはありませんわ」
と私は即答した。
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