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第7章409話:聖堂2

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クランネル王国の聖女――――ユリール。

銀色の髪。

黄色い瞳。

160センチぐらいの身長。

神聖そうな法衣をまとっている。

遠目に見たことはあるが、こんなに近くで見るのははじめてだ。

もちろん会って話すのもはじめてである。

「聖女さま。ルチル様をお連れいたしました」

と大神官が声をかけた。

聖女さまは答えた。

「ようこそ、ルチル様。本日はご足労いただき―――――、ッッッッ!!」

あいさつの途中で、聖女さまは目を見開き、口をあんぐりとひらいた。

驚愕の目で、私のななよこの空間を見ている。

そこにいるのは――――シエラ様だ。

「な、なっ……!? あなたは、精霊……さま……!?」

聖女さまが驚嘆している。

シエラ様がつぶやく。

「あたしのことが見えているのね」

現在、シエラ様は他人には見えないように姿を隠している。

彼女を視認できるのは私だけのはずだ。

ところが聖女さまは、シエラ様の存在を認識した。

【聖女】という適性職であれば、精霊を視認することができるのかもしれない。

聖女さまの反応に、大神官が怪訝そうな顔をして尋ねた。

「聖女……さま? どうなされました?」

「そ、そちらに精霊様がいらっしゃるのです!」

「ええ!?」

と大神官が驚愕する。

「あ、あの……これは、どういうことなのでしょうか?」

と小声で私にエドゥアルトが尋ねてきた。

エドゥアルトも、突然のことに困惑している様子である。

私も、どう答えたものか悩んだ。

そのとき、

「はぁ……これは姿を見せるしかないわね」

シエラ様が、そう述べた。
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