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第7章392話:謁見
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王都を歩くクランネル軍は、そのまま王城の手前までやってきた。
下級兵士たちは、ここで解散。
将軍などの上級将官のみが、護衛を連れて、王城へと入場する。
謁見の間へと通された。
ミジェラ女王が、王座に座っている。
中央に敷かれたじゅうたん、その左右に大臣や上級貴族が居並んでいる。
私たちの入場に、お歴々たちが拍手をもって迎えてくれた。
ミジェラ女王の前まで歩き、私たちは膝をついた。
女王が告げる。
「大儀であった」
と、開口一番、祝辞を述べる女王。
「此度の戦、極めて劣勢な状況であるにもかかわらず、見事、大勝を治めてきてくれた。特にルチル」
「はっ!」
「お前の活躍についてはよく聞いている。その戦果について、私からも惜しみない賛美を送りたい」
「もったいなきお言葉です」
と私はひざまずきながら、答えた。
ミジェラ女王は言った。
「他の者も、よく頑張ってくれた。クランネル王国がこれから享受する平和は、全て、お前たちのおかげだ。私も含め、全てのクランネル国民が、お前たちの働きに感謝することだろう」
さらにミジェラ女王は続ける。
「戦争から帰ったばかりで、疲れているだろう――――堅苦しいあいさつはここまでとして、今日は存分に、労をねぎらってもらいたい。後日、戦勝パーティーをおこなう。お前たちには、主賓として出席してもらおう」
「そのような栄誉にあずかれるとは、恐悦至極にございます」
とルーガが応えた。
「うむ。では、一時解散としよう。パーティーの正確な日時については、追って伝える」
私たちは立ち上がり、謁見の間をあとにした。
下級兵士たちは、ここで解散。
将軍などの上級将官のみが、護衛を連れて、王城へと入場する。
謁見の間へと通された。
ミジェラ女王が、王座に座っている。
中央に敷かれたじゅうたん、その左右に大臣や上級貴族が居並んでいる。
私たちの入場に、お歴々たちが拍手をもって迎えてくれた。
ミジェラ女王の前まで歩き、私たちは膝をついた。
女王が告げる。
「大儀であった」
と、開口一番、祝辞を述べる女王。
「此度の戦、極めて劣勢な状況であるにもかかわらず、見事、大勝を治めてきてくれた。特にルチル」
「はっ!」
「お前の活躍についてはよく聞いている。その戦果について、私からも惜しみない賛美を送りたい」
「もったいなきお言葉です」
と私はひざまずきながら、答えた。
ミジェラ女王は言った。
「他の者も、よく頑張ってくれた。クランネル王国がこれから享受する平和は、全て、お前たちのおかげだ。私も含め、全てのクランネル国民が、お前たちの働きに感謝することだろう」
さらにミジェラ女王は続ける。
「戦争から帰ったばかりで、疲れているだろう――――堅苦しいあいさつはここまでとして、今日は存分に、労をねぎらってもらいたい。後日、戦勝パーティーをおこなう。お前たちには、主賓として出席してもらおう」
「そのような栄誉にあずかれるとは、恐悦至極にございます」
とルーガが応えた。
「うむ。では、一時解散としよう。パーティーの正確な日時については、追って伝える」
私たちは立ち上がり、謁見の間をあとにした。
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