390 / 593
第7章391話:凱旋
しおりを挟む
―――第7章―――
<三人称視点>
クランネル王国とジルフィンド公国の戦争。
3ヶ月に渡って続いた、この戦争は、クランネル王国の勝利に終わった。
ただの勝利ではなく。
数倍もの兵力差をくつがえす、圧倒的な大勝利だ。
その立役者は、ルーガ総司令官の娘であるルチル・ミアストーンであったと、王国では広く理解されていた。
フロヴィッツ砦の防衛戦において天才ナナバールを打ち破ったこと。
アーガルシュ砦に援軍として赴き、劣勢だったルーガ軍を救援。ガレッツ将軍を討ち取ったこと。
さらに奪われた諸都市の奪還から、ジルフィンド本国の砦の制圧まで……
極めて大きな活躍をした戦績は、クランネルの世論を騒がせた。
クランネル王国の英雄として、国中で祭り上げられることとなった。
<ルチル視点>
私が王都へと帰還した、凱旋の日。
王都は爆発的な熱気に包まれていた。
王都の大通り。
メインストリートである街路を、クランネル軍が闊歩する。
私とルーガが先頭を歩く。
私のそばにはエドゥアルトとフランカ。
後続には魔法銃撃隊と、ベアール将軍たちが続く。
街路の左右には、民衆たちが列をなして、クランネル軍の凱旋を眺めにきていた。
歓声がこだまする。
周囲のアパートメントの上階から、いろとりどりの花びらがばらまかれ、ひらひらと宙を舞っていた。
「おい、あれがルチル様じゃないか!?」
「えっと、どれ?」
「先頭を歩いている女性だよ。なんと可憐で凛々しいお方だ!」
「ナナバール将軍を倒したんだってね」
「ほんとにすごいな」
「ナナバール将軍だけじゃない、5人以上の将軍をルチル様だけで討ち取ったって話だぞ!」
「クランネル王国の新しい英雄だな」
民衆が口々に、賞賛する。
<三人称視点>
クランネル王国とジルフィンド公国の戦争。
3ヶ月に渡って続いた、この戦争は、クランネル王国の勝利に終わった。
ただの勝利ではなく。
数倍もの兵力差をくつがえす、圧倒的な大勝利だ。
その立役者は、ルーガ総司令官の娘であるルチル・ミアストーンであったと、王国では広く理解されていた。
フロヴィッツ砦の防衛戦において天才ナナバールを打ち破ったこと。
アーガルシュ砦に援軍として赴き、劣勢だったルーガ軍を救援。ガレッツ将軍を討ち取ったこと。
さらに奪われた諸都市の奪還から、ジルフィンド本国の砦の制圧まで……
極めて大きな活躍をした戦績は、クランネルの世論を騒がせた。
クランネル王国の英雄として、国中で祭り上げられることとなった。
<ルチル視点>
私が王都へと帰還した、凱旋の日。
王都は爆発的な熱気に包まれていた。
王都の大通り。
メインストリートである街路を、クランネル軍が闊歩する。
私とルーガが先頭を歩く。
私のそばにはエドゥアルトとフランカ。
後続には魔法銃撃隊と、ベアール将軍たちが続く。
街路の左右には、民衆たちが列をなして、クランネル軍の凱旋を眺めにきていた。
歓声がこだまする。
周囲のアパートメントの上階から、いろとりどりの花びらがばらまかれ、ひらひらと宙を舞っていた。
「おい、あれがルチル様じゃないか!?」
「えっと、どれ?」
「先頭を歩いている女性だよ。なんと可憐で凛々しいお方だ!」
「ナナバール将軍を倒したんだってね」
「ほんとにすごいな」
「ナナバール将軍だけじゃない、5人以上の将軍をルチル様だけで討ち取ったって話だぞ!」
「クランネル王国の新しい英雄だな」
民衆が口々に、賞賛する。
750
お気に入りに追加
3,366
あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの
つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。
隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる