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第6章360話:ガゼル4

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「【ダブルジャンプ】に、合わせやがった……だと?」

ダブルジャンプを使って攻撃を仕掛けてくるガゼルに、斬撃を当てるのは簡単ではない。

しかし、ゲーム知識と集中力があれば、できる。

――――勝てる!

「なるほどな……だったら取っておきを見せてやるよ」

ガゼルの雰囲気が変わる。

私は、その様子を見て、すぐに察した。

(【虚空打こくううち】が来る……!)

ゲーム史上、最も凶悪な攻撃の一つだ。

超速度ちょうそくどで突っ込んできて、当たれば即死。

私もゲームをやってたとき、何度も死んだっけ……

だけど、そのぶん練習した。

大丈夫。

虚空打こくううち】には特徴がある。

それは「起こり」があるのだ。

スキルを発動するときの、わずかな予備動作よびどうさ

それさえ見極めることができれば【虚空打ち】を攻略できる。

私は集中力を極限まで高めて、ガゼルを凝視ぎょうしする。

そして。

ガゼルの身体が、かき消える。

(ここ……ッ!!)

私は、横に回避しながら。

カウンターの剣を振るう。

「―――――――――」

目で追うことが不可能な、超加速ちょうかそくで突っ込んできたガゼル。

たか鉤爪かぎづめのような手で、掌底しょうていを放ってくる。

しかし。

「くく……まじかよ」

私の剣が、ガゼルをとらえ――――

ガゼルの右腕みぎうでを斬り飛ばしていた。

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