346 / 517
第6章347話:アレックス視点9
しおりを挟む そして安息日になりました。
今日は冒険者服を買いに行く予定だけど、午前中はまたバーボルド伯爵領の教会の治療施設に向かう事になりました。
今日は、イストワールさんだけでなくシャンティさんも慰問に同行する事になりました。
みんなで馬車に乗って、教会に向かいます。
パカパカパカ。
「今日も、沢山の人が街を歩いていますね。人だかりが凄いです!」
「それだけ、このバーボルド伯爵領が賑わっていてとても嬉しいですわ」
「市場も商店も本当に忙しそうにしていて、その分私達も頑張らないとっておもいますわよ」
シロちゃんをイストワールさん、ユキちゃんをシャンティさんが抱っこしているけど、何だか久々に誰も僕のところにいなくて手持ち無沙汰になっちゃった。
僕も馬車の窓から外を見るけど、安息日なのに本当に忙しく人が歩いていますね。
という事で、無事に馬車は教会に到着しました。
まずは挨拶をするので、教会の中に入ります。
「これはこれは皆さまお揃いで、ご足労をおかけいたします」
「こちらこそ、日々民のために色々と尽力頂き感謝申し上げます」
おおー、イストワールさんがニコリとしながら威厳を持って話をしたよ。
僕もシロちゃんもユキちゃんも、思わず拍手をしちゃった。
この後は、予定通りに治療施設に移動します。
「わあ、もう多くの人が入院しているんてますね」
「風邪の流行は落ち着いてきたのですが、怪我人が多く出ています。どうも、先ほど街道で多くの魔物が出たそうですよ」
シスターさんの言葉を聞いた瞬間、イストワールさんとシャンティさんはビックリした表情に変わりました。
そして、直ぐに護衛の兵に何かを指示していました。
「レオ君、もしかしたら怪我人が増えるかもしれないわ」
「あの、僕が戦わなくて良いんですか?」
「バーボルド伯爵領の兵はとても強いから大丈夫よ。万が一の時は、レオ君に助けて貰うわ」
ちょうどタイミング的に、さっき魔物が現れたのかもしれない。
となると、今は目の前の怪我人を頑張って治療しないと駄目だね。
よーし、頑張るぞ。
さっそく僕たちは、それぞれ別れて治療を始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、胸のつっかえは良くなったと思いますよ」
「あら、本当に良くなっているわ。流石は、黒髪の天使様ね」
今日はユキちゃんが一頭で動けているので、僕とシロちゃんも付きっ切りじゃなくてすみます。
なので、どんどんと入院患者の治療が進んでいきます。
「奥様、若奥様、黒髪の天使様は今日も物凄い勢いで治療していきますわ」
「まあ、レオ君ですから、このくらいはやりますわよ」
「そうですわね。今朝の訓練でも、気持ちよさそうに空を飛んでおりましたわ」
「はっ? 空を、飛んだ?」
あっ、シャンティさんが今朝の訓練で飛行魔法を使ったと言ったら、付き添いの年配のシスターさんがポカーンとしちゃった。
全員の治療が終わったら、飛行魔法を見せてあげないと。
こうしてみんなで分担したので、あっという間に治療施設に入院している人の治療が終わりました。
僕達は治療施設の前にある、ちょっとした芝生のあるスペースに移動します。
ここで、僕とシロちゃんが使う飛行魔法を見せてあげる事にしました。
「クゥーン……」
「ユキちゃんも、頑張れば飛行魔法を覚えられるよ」
「キューン……」
ユキちゃんはまだ魔法を覚えて直ぐなので、もっと頑張って訓練をしないと飛行魔法は使えないね。
ちょっとしゅんとしちゃったけど、これから頑張ればきっと大丈夫です。
という事で、さっそく飛行魔法を使います。
シュイン、ふわっ。
「あ、あわわわわ。黒髪の天使様が宙に浮きましたわ」
えっと、宙に浮いただけで、もうシスターさんが驚愕の表情に変わっちゃった。
だ、大丈夫かな?
僕とシロちゃんはそう思いながら、一分間だけ飛行魔法を使いました。
ヒュン、ヒュン!
「す、凄い。本当に空を飛んでおりますわ。飛行魔法は、失われた魔法と聞いておりました……」
そして、シスターさんは空を飛ぶ僕とシロちゃんを見て再びポカーンとしちゃいました。
飛行魔法は難しいだけで、失われた魔法じゃないんだけどね。
「ふう、こんな感じです。今日は近くで戦いが起きているって聞いたので、魔力を残すためにこのくらいにしました」
「さ、流石は黒髪の天使様。何事もなかったの様にしておりますわ」
あの、シスターさんが僕の方を向いて手を組んで祈り始めているのですが。
僕だけでなくイストワールさんとシャンティさんも、そんなシスターさんの姿を見て思わず苦笑しちゃいました。
すると、イストワールさんのところに兵がやってきました。
「報告します、魔物は全て撃退しました。倒したのは、オオカミの魔物となります。ただ、怪我人が複数出ております」
「そう、ありがとう。レオ君がいるから、怪我をした守備隊員を運んで頂戴」
「はっ」
無事に魔物退治が終わったんだね。
これから治療第二段を頑張らないと。
今日は冒険者服を買いに行く予定だけど、午前中はまたバーボルド伯爵領の教会の治療施設に向かう事になりました。
今日は、イストワールさんだけでなくシャンティさんも慰問に同行する事になりました。
みんなで馬車に乗って、教会に向かいます。
パカパカパカ。
「今日も、沢山の人が街を歩いていますね。人だかりが凄いです!」
「それだけ、このバーボルド伯爵領が賑わっていてとても嬉しいですわ」
「市場も商店も本当に忙しそうにしていて、その分私達も頑張らないとっておもいますわよ」
シロちゃんをイストワールさん、ユキちゃんをシャンティさんが抱っこしているけど、何だか久々に誰も僕のところにいなくて手持ち無沙汰になっちゃった。
僕も馬車の窓から外を見るけど、安息日なのに本当に忙しく人が歩いていますね。
という事で、無事に馬車は教会に到着しました。
まずは挨拶をするので、教会の中に入ります。
「これはこれは皆さまお揃いで、ご足労をおかけいたします」
「こちらこそ、日々民のために色々と尽力頂き感謝申し上げます」
おおー、イストワールさんがニコリとしながら威厳を持って話をしたよ。
僕もシロちゃんもユキちゃんも、思わず拍手をしちゃった。
この後は、予定通りに治療施設に移動します。
「わあ、もう多くの人が入院しているんてますね」
「風邪の流行は落ち着いてきたのですが、怪我人が多く出ています。どうも、先ほど街道で多くの魔物が出たそうですよ」
シスターさんの言葉を聞いた瞬間、イストワールさんとシャンティさんはビックリした表情に変わりました。
そして、直ぐに護衛の兵に何かを指示していました。
「レオ君、もしかしたら怪我人が増えるかもしれないわ」
「あの、僕が戦わなくて良いんですか?」
「バーボルド伯爵領の兵はとても強いから大丈夫よ。万が一の時は、レオ君に助けて貰うわ」
ちょうどタイミング的に、さっき魔物が現れたのかもしれない。
となると、今は目の前の怪我人を頑張って治療しないと駄目だね。
よーし、頑張るぞ。
さっそく僕たちは、それぞれ別れて治療を始めます。
シュイン、ぴかー。
「これで、胸のつっかえは良くなったと思いますよ」
「あら、本当に良くなっているわ。流石は、黒髪の天使様ね」
今日はユキちゃんが一頭で動けているので、僕とシロちゃんも付きっ切りじゃなくてすみます。
なので、どんどんと入院患者の治療が進んでいきます。
「奥様、若奥様、黒髪の天使様は今日も物凄い勢いで治療していきますわ」
「まあ、レオ君ですから、このくらいはやりますわよ」
「そうですわね。今朝の訓練でも、気持ちよさそうに空を飛んでおりましたわ」
「はっ? 空を、飛んだ?」
あっ、シャンティさんが今朝の訓練で飛行魔法を使ったと言ったら、付き添いの年配のシスターさんがポカーンとしちゃった。
全員の治療が終わったら、飛行魔法を見せてあげないと。
こうしてみんなで分担したので、あっという間に治療施設に入院している人の治療が終わりました。
僕達は治療施設の前にある、ちょっとした芝生のあるスペースに移動します。
ここで、僕とシロちゃんが使う飛行魔法を見せてあげる事にしました。
「クゥーン……」
「ユキちゃんも、頑張れば飛行魔法を覚えられるよ」
「キューン……」
ユキちゃんはまだ魔法を覚えて直ぐなので、もっと頑張って訓練をしないと飛行魔法は使えないね。
ちょっとしゅんとしちゃったけど、これから頑張ればきっと大丈夫です。
という事で、さっそく飛行魔法を使います。
シュイン、ふわっ。
「あ、あわわわわ。黒髪の天使様が宙に浮きましたわ」
えっと、宙に浮いただけで、もうシスターさんが驚愕の表情に変わっちゃった。
だ、大丈夫かな?
僕とシロちゃんはそう思いながら、一分間だけ飛行魔法を使いました。
ヒュン、ヒュン!
「す、凄い。本当に空を飛んでおりますわ。飛行魔法は、失われた魔法と聞いておりました……」
そして、シスターさんは空を飛ぶ僕とシロちゃんを見て再びポカーンとしちゃいました。
飛行魔法は難しいだけで、失われた魔法じゃないんだけどね。
「ふう、こんな感じです。今日は近くで戦いが起きているって聞いたので、魔力を残すためにこのくらいにしました」
「さ、流石は黒髪の天使様。何事もなかったの様にしておりますわ」
あの、シスターさんが僕の方を向いて手を組んで祈り始めているのですが。
僕だけでなくイストワールさんとシャンティさんも、そんなシスターさんの姿を見て思わず苦笑しちゃいました。
すると、イストワールさんのところに兵がやってきました。
「報告します、魔物は全て撃退しました。倒したのは、オオカミの魔物となります。ただ、怪我人が複数出ております」
「そう、ありがとう。レオ君がいるから、怪我をした守備隊員を運んで頂戴」
「はっ」
無事に魔物退治が終わったんだね。
これから治療第二段を頑張らないと。
200
お気に入りに追加
3,359
あなたにおすすめの小説
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!
――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。
「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」
すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。
最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2022/02/14 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2022/02/13 小説家になろう ハイファンタジー日間59位
※2022/02/12 完結
※2021/10/18 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2021/10/19 アルファポリス、HOT 4位
※2021/10/21 小説家になろう ハイファンタジー日間 17位

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる