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第6章333話:ジルフィンド兵の視点
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<ジルフィンド視点>
魔法銃による突然の強襲。
激しい銃撃を食らったジルフィンド兵たちは、すぐに混乱状態となった。
「な、なんだ!?」
「うああああああああ!?」
「敵襲! 敵襲だァ!」
「なんか飛んできてんぞ!?」
「あっちからよ!」
「ああああああああぁ!!? 足が、オレの足がああああ!!」
側面からの集中砲火。
ルチルが指揮する銃撃隊は40名しかいないものの……
1秒間に2~3発も連射できるため、またたきをする間に100発以上の弾が飛んでくる。
しかもミスリルに傷をつけるほどの威力。
一般兵士が身につけた防具なんて、紙同然だ。
盾で防ごうものなら、盾ごと吹っ飛ばされるような有様である。
「い、岩陰に隠れろ!」
と女隊長が叫んだ。
すると副官が言い返す。
「隠れるところがありません!」
「なんだと……!? くっ……!」
周囲には都合よく身を隠せる場所は存在しなかった。
逡巡しているあいだにも、銃弾が飛んできて、兵士たちの命を刈り取っていく。
「と、とにかく地面に伏せろ!!」
と女隊長がふたたび叫ぶ。
指示が聞こえた者たちは、慌てて地面に伏せた。
隊長自身も伏せる。
(これが……ルチルの魔法銃撃隊か!)
クランネル総大将であるルチル・ミアストーンが開発した新型武器――――魔法銃。
その存在を、軍のミーティングで知らされていたが……
まさかここまで凶悪な攻撃であるとは、想像できなかった。
伝聞で聞かされるのと、実際に体験するのでは、次元が違う。
(こんなの、反則だろうが! 立って逃げることも許されん。いったいどうすれば……)
立ち上がったら撃たれる。
這って逃げるしかないか?
しかし、逃げ切れるか?
女隊長は、だんだん追い詰められるような気分になっていく。
魔法銃による突然の強襲。
激しい銃撃を食らったジルフィンド兵たちは、すぐに混乱状態となった。
「な、なんだ!?」
「うああああああああ!?」
「敵襲! 敵襲だァ!」
「なんか飛んできてんぞ!?」
「あっちからよ!」
「ああああああああぁ!!? 足が、オレの足がああああ!!」
側面からの集中砲火。
ルチルが指揮する銃撃隊は40名しかいないものの……
1秒間に2~3発も連射できるため、またたきをする間に100発以上の弾が飛んでくる。
しかもミスリルに傷をつけるほどの威力。
一般兵士が身につけた防具なんて、紙同然だ。
盾で防ごうものなら、盾ごと吹っ飛ばされるような有様である。
「い、岩陰に隠れろ!」
と女隊長が叫んだ。
すると副官が言い返す。
「隠れるところがありません!」
「なんだと……!? くっ……!」
周囲には都合よく身を隠せる場所は存在しなかった。
逡巡しているあいだにも、銃弾が飛んできて、兵士たちの命を刈り取っていく。
「と、とにかく地面に伏せろ!!」
と女隊長がふたたび叫ぶ。
指示が聞こえた者たちは、慌てて地面に伏せた。
隊長自身も伏せる。
(これが……ルチルの魔法銃撃隊か!)
クランネル総大将であるルチル・ミアストーンが開発した新型武器――――魔法銃。
その存在を、軍のミーティングで知らされていたが……
まさかここまで凶悪な攻撃であるとは、想像できなかった。
伝聞で聞かされるのと、実際に体験するのでは、次元が違う。
(こんなの、反則だろうが! 立って逃げることも許されん。いったいどうすれば……)
立ち上がったら撃たれる。
這って逃げるしかないか?
しかし、逃げ切れるか?
女隊長は、だんだん追い詰められるような気分になっていく。
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