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第6章319話:アレックスの作戦
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翌日。
晴れ。
昼。
砦の最上階。
作戦会議室にて。
私たちは、次なる戦いに向けて、作戦会議をおこなっていたのだが……
「なるほど。これが次の戦場――――フロヴィッツ峡谷の地図か。ならば私が、最高の作戦を考えてやろう!」
と言い出したアレックス。
「ふむ、なるほどな。こういう戦場になっているのか。なら――――」
とアレックスが、いきなり作戦のプレゼンを始める。
アレックスによる突然のプレゼンテーションに、会議に参加していた一同は困惑した。
しかし。
相手は王族。
誰も止めることはできない。
唯一、プレゼンを止められる立場にあったのは私であり、会議の参加者たちも、ちらちらと私に視線を送って
『あの王子を止めてくれ!』
と懇願するような顔を向けてきたが。
私は無視した。
アレックスを止めなかった。
なぜか?
(アレックスのバカさを、証明するチャンスだもんね!!)
王国有数の戦士たちが集まる作戦会議。
アレックスに、作戦など提案できるわけがない。
もしもアレックスの作戦を採用しようものなら、次の戦で歴史的な大敗を喫したとしても、驚かない。
しかし。
『アレックスはバカなんで、みんなアレックスのことは無視してね!』
と私が言って回るのは、感じが悪いではないか。
私はみんなに嫌なヤツだと思われたくない。
なので、アレックスには自爆してもらうことにした。
私が何をしなくても、アレックス自身が、己のバカさ加減を証明すればよい。
実際、放っておいても、アレックスは愚かな作戦を語り続け、会議の参加者を辟易させている。
狙い通りである!
「――――というわけで、このように攻めと守りを固めれば、ジルフィンド軍を打ち破ることができる! 私の作戦は以上だ!」
とアレックスは満足げにプレゼンを終えた。
晴れ。
昼。
砦の最上階。
作戦会議室にて。
私たちは、次なる戦いに向けて、作戦会議をおこなっていたのだが……
「なるほど。これが次の戦場――――フロヴィッツ峡谷の地図か。ならば私が、最高の作戦を考えてやろう!」
と言い出したアレックス。
「ふむ、なるほどな。こういう戦場になっているのか。なら――――」
とアレックスが、いきなり作戦のプレゼンを始める。
アレックスによる突然のプレゼンテーションに、会議に参加していた一同は困惑した。
しかし。
相手は王族。
誰も止めることはできない。
唯一、プレゼンを止められる立場にあったのは私であり、会議の参加者たちも、ちらちらと私に視線を送って
『あの王子を止めてくれ!』
と懇願するような顔を向けてきたが。
私は無視した。
アレックスを止めなかった。
なぜか?
(アレックスのバカさを、証明するチャンスだもんね!!)
王国有数の戦士たちが集まる作戦会議。
アレックスに、作戦など提案できるわけがない。
もしもアレックスの作戦を採用しようものなら、次の戦で歴史的な大敗を喫したとしても、驚かない。
しかし。
『アレックスはバカなんで、みんなアレックスのことは無視してね!』
と私が言って回るのは、感じが悪いではないか。
私はみんなに嫌なヤツだと思われたくない。
なので、アレックスには自爆してもらうことにした。
私が何をしなくても、アレックス自身が、己のバカさ加減を証明すればよい。
実際、放っておいても、アレックスは愚かな作戦を語り続け、会議の参加者を辟易させている。
狙い通りである!
「――――というわけで、このように攻めと守りを固めれば、ジルフィンド軍を打ち破ることができる! 私の作戦は以上だ!」
とアレックスは満足げにプレゼンを終えた。
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