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第6章316話:部屋の用意
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私たちはフロヴィッツ砦に戻る。
砦の庭。
そこに一台の高級馬車が存在した。
ちょうどアレックスが高級馬車から降りてくるところだった。
アレックスは、私を見るなり、近づいてきた。
アレックスの背後には護衛らしき者たちが4名ほど控えている。
私の前で立ち止まるアレックス。
私は尋ねた。
「アレックス……どうしてここに?」
「ふン。お前が無様な戦いをしているだろうと思って、加勢に来てやったのだ」
「ええと……つまり、戦争に参加しにきたということですの?」
「その通りだ」
とアレックスが肯定する。
おおかた、女王陛下から『戦争経験を積んでこい』とでも命じられたのだろう。
で……アレックスがフロヴィッツ砦にやってきたわけだ。
アレックスは言う。
「私が参戦してやると言っているのだぞ? ありがたく思え」
いや、ありがたくねーよ。
私は盛大にため息をつきたくなった。
「はぁ……」
おっと、実際にため息をついてしまった。
私は慌てて呼吸をコントロールする。
アレックスは顔をしかめつつも、言った。
「私は疲れている。長く、馬車に乗っていたからな」
「そうですの」
「ああ。だから部屋を用意しろ。王族にふさわしい最高級の部屋をな!」
尊大な物言い。
砦の独房《どくぼう》にでもぶちこんでやろうか?
……と思ったが、まあ、王族を無碍に扱うわけにはいかない。
しょうがないな。
私の部屋の、次ぐらいに立派な個室を用意してやろう。
私は部下に指示して、アレックスの部屋を用意するのだった。
――――――――――――――――――――――――
おしらせ:
昨日、新作を投稿しました!
女主人公の異世界ファンタジーです。よろしければ、本作とあわせてお読みください!
↓
【異世界に転生すると、私のチートスキルはチョコレート魔法でした!】
砦の庭。
そこに一台の高級馬車が存在した。
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私は尋ねた。
「アレックス……どうしてここに?」
「ふン。お前が無様な戦いをしているだろうと思って、加勢に来てやったのだ」
「ええと……つまり、戦争に参加しにきたということですの?」
「その通りだ」
とアレックスが肯定する。
おおかた、女王陛下から『戦争経験を積んでこい』とでも命じられたのだろう。
で……アレックスがフロヴィッツ砦にやってきたわけだ。
アレックスは言う。
「私が参戦してやると言っているのだぞ? ありがたく思え」
いや、ありがたくねーよ。
私は盛大にため息をつきたくなった。
「はぁ……」
おっと、実際にため息をついてしまった。
私は慌てて呼吸をコントロールする。
アレックスは顔をしかめつつも、言った。
「私は疲れている。長く、馬車に乗っていたからな」
「そうですの」
「ああ。だから部屋を用意しろ。王族にふさわしい最高級の部屋をな!」
尊大な物言い。
砦の独房《どくぼう》にでもぶちこんでやろうか?
……と思ったが、まあ、王族を無碍に扱うわけにはいかない。
しょうがないな。
私の部屋の、次ぐらいに立派な個室を用意してやろう。
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