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第6章308話:全軍突撃
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(敵大将であるヒズナルも、バカみたいに突っ込んできてくれれば早いんだけどね)
ゲームにおいて、ヒズナルが突っ込んでくるという設定は無かった。
期待はできまい。
「ははは、頼もしい大将ですな」
とベアール将軍は笑った。
私は尋ねた。
「しかし、武勇を誇りたくて敵軍を突破してきたわけではありませんわ」
「ほう。では何故?」
「命令を伝えにきましたの」
「命令?」
ベアール将軍が首をかしげる。
私は言った。
「全軍を突撃させてください」
「!!」
ベアール将軍が目を見開く。
私は解説する。
「現在、クランネル第一軍、クランネル第二軍、ルチル隊の3者によって、ジルフィンド第二軍を取り囲んでおりますの。さながら三角形を描くように」
「……! なるほど」
「ジルフィンド第二軍を、完全に壊滅させるためには、あと一手が必要ですわ。その一手とは――――孤立させること」
現在、ジルフィンド第二軍はトライアングルを描く形で包囲されているものの。
まだジルフィンド第三軍や第四軍からの援護を受けられる位置にいる。
この援護ができないようにして、ジルフィンド第二軍を孤立させること―――――
そして孤立無援になったジルフィンド第二軍を、袋叩きにすること―――――
これが最後の一手である。
「そのための全軍突撃ですわ。できればジルフィンド第三軍の行動を邪魔するように、突撃させてもらえるとありがたいですわ」
――――ちなみに、私たちが敵軍を突破してくる途中、ジルフィンド第三軍には銃弾を浴びせまくった。
だから現在のジルフィンド第三軍は、既にかなりの混乱状態にある。
ここにクランネル軍の全軍突撃を食らわせれば、ジルフィンド第三軍は崩壊する可能性が高い。
「承知いたしました。ではそのように」
「はい。お願いいたしますわね」
用が済んだので、私は来た道を引き返す。
ひとまずルチル隊のもとへと向かうことにした。
―――――――――――――
あとがき:
ここで全軍突撃の命令を出した理由ですが、
ジルフィンド第二軍を完全に包囲するためには、ジルフィンド第三軍が邪魔になります。
なので、以下の図のように、ジルフィンド第三軍を集中的に攻撃し……
ジルフィンド第二軍を孤立させることが、全軍突撃の目的です。
ゲームにおいて、ヒズナルが突っ込んでくるという設定は無かった。
期待はできまい。
「ははは、頼もしい大将ですな」
とベアール将軍は笑った。
私は尋ねた。
「しかし、武勇を誇りたくて敵軍を突破してきたわけではありませんわ」
「ほう。では何故?」
「命令を伝えにきましたの」
「命令?」
ベアール将軍が首をかしげる。
私は言った。
「全軍を突撃させてください」
「!!」
ベアール将軍が目を見開く。
私は解説する。
「現在、クランネル第一軍、クランネル第二軍、ルチル隊の3者によって、ジルフィンド第二軍を取り囲んでおりますの。さながら三角形を描くように」
「……! なるほど」
「ジルフィンド第二軍を、完全に壊滅させるためには、あと一手が必要ですわ。その一手とは――――孤立させること」
現在、ジルフィンド第二軍はトライアングルを描く形で包囲されているものの。
まだジルフィンド第三軍や第四軍からの援護を受けられる位置にいる。
この援護ができないようにして、ジルフィンド第二軍を孤立させること―――――
そして孤立無援になったジルフィンド第二軍を、袋叩きにすること―――――
これが最後の一手である。
「そのための全軍突撃ですわ。できればジルフィンド第三軍の行動を邪魔するように、突撃させてもらえるとありがたいですわ」
――――ちなみに、私たちが敵軍を突破してくる途中、ジルフィンド第三軍には銃弾を浴びせまくった。
だから現在のジルフィンド第三軍は、既にかなりの混乱状態にある。
ここにクランネル軍の全軍突撃を食らわせれば、ジルフィンド第三軍は崩壊する可能性が高い。
「承知いたしました。ではそのように」
「はい。お願いいたしますわね」
用が済んだので、私は来た道を引き返す。
ひとまずルチル隊のもとへと向かうことにした。
―――――――――――――
あとがき:
ここで全軍突撃の命令を出した理由ですが、
ジルフィンド第二軍を完全に包囲するためには、ジルフィンド第三軍が邪魔になります。
なので、以下の図のように、ジルフィンド第三軍を集中的に攻撃し……
ジルフィンド第二軍を孤立させることが、全軍突撃の目的です。
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