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第6章300話:その後

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そのとき。

「ルチル様!」

エドゥアルトが戻ってきた。

彼は言う。

「さすがルチル様です! カラバーン将軍を倒したんですね?」

「はい。そちらも終わったようですわね?」

そう問いかけるとエドゥアルトがうなずいた。

「カラバーン将軍の護衛は全滅させました。ご覧の通りです」

エドゥアルトが示唆した先を見つめると、確かに、カラバーン将軍の部下たちが血に沈んでいた。

私は言った。

「よくやりました。さすがわたくしの専属騎士ですわね」

「いいえ、ルチル様のバフポーションのおかげです」

まあ、それは大きいだろう。

バフポーションを飲んだ状態のエドゥアルトは、屈指の戦闘能力を誇るはずだからだ。

私は命じた。

「では、ルチル隊の皆を呼んできてもらえますか?」

「承知いたしました」

エドゥアルトがルチル隊のもとへ走っていく。

ややあって、ルチル隊がやってきた。

シャルティアさんが言った。

「まさか……あのカラバーン将軍を、一騎打ちにて討伐なされるとは」

「ルチル様は、本当にすごいお方ですね」

とホーヴァンさんも、そう称賛してきた。

私は言った。

「ありがとうございます。ああ、そうそう。フランカ?」

「はい?」

「一つ、作業をお願いしたいのですが――――」

私はフランカにとある作業を命じる。

フランカが了解した。

「わかりました」

私の命令に応じて、フランカは旗などに使う槍を一本、アイテムバッグから取り出す。

さらにカラバーン将軍の首を拾い……

その槍の先端に、カラバーン将軍の首を突き刺した。

フランカが報告してくる。

「できました」

「ご苦労様ですわ」

と私はねぎらう。

カラバーン将軍の首級くびを突き刺した槍。

あとで、この首をジルフィンド軍に見せびらかすつもりだ。

剛獣ごうじゅう】とうたわれる第一将軍カラバーンの戦死は、ジルフィンド軍に多大な衝撃を与える。

そうしてジルフィンド軍の士気を引き下げるのが、私の狙いである。



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