グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第6章297話:将軍3

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私を先頭。

ななうし右脇みぎわきを固めるように、エドゥアルトが疾駆しっくする。

カラバーン将軍の姿がすぐ眼前まで迫る。

私は、視線は前方に向けながら、背後のエドゥアルトに指示を出す。

「わたくしがカラバーンを倒しますわ! エドゥアルトはうしろの手下どもを叩いてください」

「はっ!」

エドゥアルトが返事をする。

私はカラバーン将軍と15メートルの距離をあけて立ち止まる。

カラバーン将軍もまた、その場で立ち止まる。

私とカラバーン将軍の一騎打いっきうち。

エドゥアルトが私の横を駆け抜けていき、カラバーン将軍の手下たちと切りあいを始めた。

カラバーン将軍は、告げる。

「ふむ……まさか伏兵を指揮していたのはルチル・ミアストーンだったか! しかも、御身おんみがみずから我の前に出てくるとは、驚いたぞ!」

「あなたぐらいであれば、1対1でも叩けると思いましたのよ、カラバーン将軍?」

「それは慢心だな、ミアストーンの姫君。なにしろ我は強い」

カラバーン将軍が、もてあそぶように大剣を振るった。

演武えんぶのごとく滑らかな剣さばきだ。

「【剛獣ごうじゅう】とうたわれたけん貴殿きでんにお見せして進ぜよう」

ライオンのような赤髪。

ライオンのような容貌。

岩よりも重そうな大剣。

【剛獣】――――カラバーン将軍が、大地を蹴る。

鈍重そうな見た目なのに、驚くほど滑らかに、かつ、力強い踏み込みだ。

カラバーン将軍が、一瞬で15メートルもの間合いを潰し、接近してくる。

振るわれる大剣。

「……!」

私は、その大剣を避けることなく、剣の腹で受けた。

「なに!?」

まさか受け止められるとは思っていなかったのだろう、カラバーン将軍が驚愕きょうがくする。
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