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第6章290話:銃撃開始

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私は言った。

「森の向こう、草原を御覧ごらんなさい」

兵士たちが森の出口の向こうへと視線を向ける。

敵兵てきへいが見えますわね?」

……400メートルほど先。

小粒こつぶほどの大きさの敵兵が、ここから見える。

「今から、あの敵兵たちに向かって一斉射撃いっせいしゃげきをしていただきますわ。指揮はシャルティア副隊長、お願いできますか?」

「はっ!」

とシャルティア副隊長が返事をした。

彼女は言った。

「それでは、全員、構えッ!」

シャルティア副隊長の命令で、一斉に兵士たちが銃を構える。

銃撃については訓練で何度もおこなったため、兵士たちの構えはとてもサマになっていた。

数秒後。

シャルティア副隊長が命じた。

ェーーッ!!」

次の瞬間。

魔法銃撃隊まほうじゅうげきたい100名による、斉射せいしゃが開始された。

銃口が火を噴き、銃声がけたたましく響く。








<ジルフィンド第一軍・後方の兵士視点>

ジルフィンド第一軍・後方部隊。

そこに控える兵士たちは、弛緩しかんしていた。

「なんか、つまんねえよな」

と、一人の兵士が言った。

丸坊主の兵士である。

彼は続けた。

「どうせ前衛だけで楽勝だし。後方の俺らの出番なんてねえだろ」

「そう言うなよ。ラクに勝てるならいいことだろ」

と別の兵士が言う。

角刈りの兵士であった。

すると丸坊主の兵士が返す。

「だけどよ。活躍する気満々で、こんな他国までやって来たんだぜ? なのに後方で待機って……やっぱりつまんねえよ」

とダルそうに言ってから、丸坊主の兵士はさらに続ける。

「あー、なんか伏兵とか出てこねえかな? そしたら俺が、英雄ばりにカッコよく斬り殺してやるのによ!」

と丸坊主の兵士はヘラヘラ笑う。

そのときだった。

ズバン。

ズババババン!

と。

謎の音が、どこか遠くから鳴り響いた。

直後。

「あがッ!?」

兵士の悲鳴が上がる。

周囲の兵士の何人かが、その場に倒れる。
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