グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第6章289話:森の出口

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<ルチル視点>

静かに森を進む。

森には、やたら大きな岩石が転がる岩場いわばがあったり……。

崖のような岩壁がんぺきが存在した。

本来、このような地形を兵士が行軍するなんて不可能だが……

ルチル隊はアスレチック訓練でさんざん鍛えている。

悪路あくろの行軍など、朝飯前あさめしまえだ。

「ふう……」

崖を素手で昇りきる。

後ろからは、エドゥアルトやフランカが昇ってくる。

私はさっさと崖を降りて、森の出口まで進んだ。

ここが狙撃ポイントである。

(みんながやってくるまで、ここで待機だね)

と私は思った。

待機しているあいだに、私はアイテムバッグから双眼鏡を取り出す。

この双眼鏡は、今回の戦争にあたって製作しておいたものである。

双眼鏡をのぞいて、敵の状況を確認する。

(うん。いるね、目標の敵)

この位置から見えるジルフィンド軍は、第一軍。

その後方部隊である。

まず歩兵の集団がいる。

その近くに、ジルフィンド第一軍・魔法隊が控えていた。

私が最初に始末しておきたいと思っているのは、あの魔法隊まほうたいだ。

この位置からならば、容易に狙撃可能である。

――――やがて、5分後。

ルチル隊の兵士たちが全員、森の出口までやってくる。

私は告げた。

「狙撃ポイントに到着いたしましたので、魔法銃を配布いたしますわ」

私はシャルティアさんやホーヴァンさんに協力してもらい、魔法銃を兵士に渡していった。

魔法銃を渡された兵士から順次、森の出口に沿って横一列よこいちれつになってもらう。

……100人全員に銃を渡し終えた。
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