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第6章276話:状況説明
しおりを挟むそして居館。
居館は、石造りの無骨な城砦であり……
内部はほとんどが戦争のための設備である。
私はエドゥアルトやフランカとともに、居館・最上階の作戦会議室にいた。
真ん中に楕円形のテーブルがあり……。
地図や作戦指示書などが貼られた掲示板。
壁際に置かれた鎧。
壁に展示された戦斧。
垂れ下がるクランネル王国旗。
槍立てにはたくさんの槍が設置されている。
(同じ会議室でも、商会の会議室とは全然違うなぁ……)
と私は苦笑する。
さて。
現在、作戦会議室では、戦争の現状説明がおこなわれていた。
「伝令兵の情報によると、8万だったジルフィンド軍は現在、7万へと数を減らしたようです」
説明をするのは軍の大隊長、ティバルジャンである。
カールした赤髪。
黄色い瞳。
軍服を着ている。
大柄で、カイゼル髭を生やしたオッサンである。
「減った1万の内訳ですが、推定3000名ほどが戦死、2000名ほどが負傷、残り5000名ほどは、制圧した都市に残してきたものと思われます」
「国境付近の諸都市は落とされたのか?」
そう尋ねたのはベアール。
ボリューム感のあるロングヘアの青髪。
紅い瞳。
身長2メートル近い女性軍人であり、眼帯をつけている。
階級は第四将軍。
ちなみにベアールさんは、平民の出。
実力と才能を発揮し、完全な叩き上げで将軍の座まで上り詰めた、才気煥発の女性だ。
「はい。国境付近にある5つの都市は全て陥落しております」
「ふむ、なるほど」
「現在、ジルフィンド7万の軍勢は、3万を北の砦アーガルシュへ。4万を、こちらの砦へと侵攻させています」
フロヴィッツ砦に向かっている敵軍が、4万か。
とんでもない大軍である。
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